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京太郎「熱出てるし、学校いけねぇし、和のおっぱい見れないし」 京太郎「嗚呼、しんどい」 京太郎「カワイコちゃんが看病しに来てくれないかなー」 京太郎「……暇つぶしに考えてみるか」 京太郎「……いや、逆に俺がカワイコちゃんの看病をしに行くって言うのも……」 咲「京ちゃん、風邪引いたんだって?」 京太郎「咲か……?」 咲「京ちゃんは風邪なんて引かないものだと思ってたよ」 京太郎「どういう意味だよ……」 咲「まぁまぁ、今日は私がつきっきりで看病してあげるからさ」 京太郎「……悪いな」 咲「大丈夫だって!私におまかせあれ」 京太郎「どうしよう……不安だ……」 咲「なにかいった?」 京太郎「別に」 咲「ふーん……」 和「お粥ができましたよ、須賀君」 京太郎「和が食べさせてくれたら嬉しいな」キリッ 和「もう、須賀君ったら♪」 キャッキャウフフ 咲(見舞いに来たのはいいけど……) 京太郎「でへへ……」 咲(なんで寝ながらにやけてるんだろ) ピンポーン 京太郎「ん……まさか部員の誰かが来てくれたのか…?」 京太郎「はーい…」 竜華「きたでー!」 京太郎「誰だ!?」 竜華「うちは清水谷竜華や。はじめまして」 京太郎「は、はあ…」 竜華「たまたま近くを通りかかったら、なんや情けない声が聞こえて来たから来てみたんや」 京太郎(喋り方からして関西だよな……たまたまって) 霞「破ァ!!」 京太郎「治った…!」 小蒔「……!」 …… 小蒔「はぁー!」 京太郎「……」 小蒔「はぁーっ!」 京太郎「……」 小蒔「治せません……」ウルウル 京太郎(かわいい) はやり「風邪引いちゃったの?」 京太郎「はやねぇ来てたんだ……」 はやり「昔から季節の変わり目には風邪をひいてるよね?」 京太郎「はやねぇと違ってデリケートなんだよ」 はやり「そんなことをいう子は看病してあげないぞ☆」 京太郎「え?」 はやり「おじさんもおばさんもいないからわざわざ看病しに来てあげたのになぁ……」 京太郎「そ、そうなの……?」 はやり「だけど口の悪い子の看病はしてあげたくないなぁ……」 京太郎「ご、ごめんなさい……」 はやり「じゃあ許してあげる☆」 はやり「熱は……うん、ちょっと高いね☆」ピト 京太郎「は、はやねぇ……?」/// はやり「昔から熱を測るときはこうしてたよね?」 京太郎(か、顔が近い……)/// はやり「なんだかすごい汗だね」 はやり「自分で着替えられる?なんだったら昔みたいに着替えさせてあげるけど……」 京太郎「そ、そこまではいいよ」/// はやり「だったらいいけど……」 はやり「じゃあ……」 京太郎「な、なんでベッドに入ってくるの……?」 はやり「昔はおねぇちゃんに抱きついて一緒に寝てたでしょ?」 京太郎「そ、そんな昔のこと……」/// はやり「今でも京くんは私のかわいい弟だもん☆」 京太郎「……ありがとう」 はやり「やっと素直になったね☆」 はやり「やっぱり京くんは素直な方がかわいいよ☆」 京太郎「………」/// カンッ
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348835148/ http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348918191/ 俺は須賀京太郎(29歳)。22歳の時に妻と離婚してから7年間女とは無縁の生活を送ってきた。 長野には居づらかったので上京したはいいけどいまいちぱっとしない20代の最後の年を送っていた。 そんな20代最後の夏に俺のモテキは突如としてやってきた。 とある日 PURUUUU 京太郎「ん?電話か?…。って、マジかよ…」 着信 宮永咲 京太郎「…。なんかでたくねー」 それもそのはず、女房と別れた原因の女であるからだ。 しかも別れさせておいて数ヶ月もしないうちに別れを告げられたもんだから俺が若干のを持っていたとしても不思議じゃないだろう? 京太郎「…。はぁ。」 ピッ 京太郎「はい、須賀です」 咲「あ?京ちゃん?ひさしぶりー!」 京太郎「…。」 咲「なによー?久しぶりだってのに元気ないわね」 京太郎「なんだよ、なんか用か?てか、お前よく俺に電話なんか出来るな…」 咲「なーにー?まだあの時のこと引きずってるわけ?小さいわねー京ちゃんはー」 京太郎「はぁ?お前人の家庭壊しておいて…その上直ぐに俺を捨てて行きやがって…」 京太郎「お前俺が今までどんな気持ちで生きてきたかわかってるのか!?」 咲「…。」 京太郎「お前のせいで…俺は…」 咲「ごめん、なさい」 京太郎「え?」 咲「ごめんなさい、本当にごめんなさい。私…どうかしてた…」 京太郎「どうかしてたって、どっちの意味でだよ…」 咲「…。多分京ちゃんが思っている意味の両方の意味…」 京太郎「…。はぁ…。わかったよ、俺の負けだ。くっそー、なんで俺はこう人が良いんだかなー」 咲「許してく…れるの?」 京太郎「過ぎたことなんだから仕方ないだろ…今更どうこうって話でもないし」 咲「京ちゃんは優しいね…」グス… 京太郎「…。で、要件はなんだ?まさか俺に謝りたくて電話したわけじゃないだろうし」 咲「実はね…今、東京にいるんだ…」 京太郎「あー、そうなんだ」 咲「でね…その…今夜会えないかなって…」 京太郎「あぁん?」 その日の夜 JR王子駅 京太郎「…。なんでこうなった…」 結局俺は咲の願いを断れなかった。 それにしても…。7年か…。 別れたと言え中学からの腐れ縁だ、アラサー手前の同級生がどうなっているかは多少興味がある。 ましてや何度も抱いた女だけにだ…。 咲「京ちゃん?」 京太郎「え?あ、え?咲、か?」 咲「京ちゃん久しぶりだねー」ニコ なんかすっごい美人が俺の後ろに立っていた。 京太郎「め、メガネかわいいじゃん、それに、髪も伸ばしたんだ…」 目の前の咲は俺の知ってる咲では無かった。 少し茶色がかった肩甲骨まである髪。 赤い太縁のメガネ。 スレンダーな体。 小奇麗なスカート。 化粧は薄めだが元がいいのか十分すぎるほど魅力的な女性になっていた。 京太郎「咲…しばらく見ない間に美人になったな…」 咲「ええ?それじゃ昔は美人じゃなかったみたいじゃないよ!」 京太郎「はは、それもそうだな…」 咲「京ちゃんは…うん、なんか変わってないなーって感じかな」 京太郎「それは、喜ぶところなのか?」 咲「んー?わかんない」ニコ うわっ、こいつ、なんだこの魔性のほほ笑みみたいなのは… 咲「京ちゃん、今日は私のわがままを聞いて下さり、ありがとう御座います」ペコリ 京太郎「え?ああ、いや、別にいいんだけどさ…」 やばいよ、やばいよこれ!咲のやつなんかむっちゃ可愛いじゃんかよおおおおお! 京太郎「で?今日はどんな要件だ?あってから話すって言ってたが」 咲「ん?まぁ、それはこのあと、とりあえず飲みに行きましょうよ!」 京太郎「ん、まぁ、いいけどさ…」 咲「どうする?お店入る?」 京太郎「んー。飲むって分かってれば赤羽集合にしたんだけどなー王子じゃ大した店ないし」 咲「そぉ?じゃあ、京ちゃんの家で飲もうか?」 京太郎「あー、そうすっかな、じゃあとりあえず行くか」 おいおい、なんかいいように咲のペースに巻き込まれてる気がするぞ。 どうすんだよ!こいつに関わったってろくなことにはならないぞ絶対。 そもそも何なんだよこいつは!いきなり会いたいとか言って強引に来やがって。 なんだ?欲求不満とかなのか?俺に何を求めようとしてるんだこの腐れビッチが! だいたいこいつは俺の家庭を奪った張本人じゃねーか! 何いけしゃーしゃーと会いに来てるんだよ!恥の心ってもんがねーのかこいつにはよー!!! 咲「京ちゃん、どうかした?なんか怖い顔してるけど…やっぱり迷惑だったカナ?」 京太郎「え?いや、違うよ、ちょっと仕事の事思い出してて…」 咲「へー、」 京太郎家 咲「おじゃましまーす、うわー、物がいっぱいある…」 京太郎「ああ、悪いな、汚いところで」 咲「ううん、いいのよ」 咲「よっと」ベットにドサー 咲「ふーん。。。京ちゃんの匂いだぁ」マクラクンカクンカ 京太郎「お、おい、何やってるんだよ…」 咲「ん、でもちょっと加齢臭的な匂いが…」 京太郎「うっさいわ!こちとら来年30なんだよ!」 咲「あはは、そうだねー確かに」 咲「じゃ、とりあえずカンパーイ」 京太郎「おう。」 咲「コクコク、ぷはー。はぁー30かぁー」遠い目 京太郎「なに遠い目してるんだよ」 咲「だって、30だよさんじゅー?ついこないだハタチになったって思ったのになー」 京太郎「まぁ、それはそうだな…。俺なんて、まだまだ子供だなって思うし」 咲「それは、私だってそうよ。」 咲「私って何時まで経っても子供だなーって最近すごく思うの。子供のまま30になって40になっちゃうんだろーなーって。」 咲「子供だからさ、私。子供なんだ…」 京太郎「…」 京太郎「なんか、意味有りげに連呼するな?子供って」 咲「うん、でもちょっと待って、もう少し飲んでから…もうちょっと気持ちよくなってから言うから」 京太郎「…。おう、」グビッ あーあー、めんどくせーなー女ってのは。 なんでこー自分を悲劇のヒロイン気取りにしたがるかなー。 世の中お前より不幸な他人はいくらでもいるっつーの! 絶対今の俺のほうが不幸だっつーの! 数時間後 京太郎「…」グビ 咲「…」コクコク なんか急に喋らなくなった。うーん、気まずい。 京太郎「テレビでも見るか」 咲「あ、うん。」 ピッ テレビ「さーて!今日も牌のおねーさんが今注目の雀士にゃんに突撃インタビューだよ☆」 京咲「あ、」 牌のおねーさん、和(のどっち)が現れた。 京太郎「はは、和、頑張ってるみたいだな…」 咲「…。」 京太郎「そういえば、咲俺と別れた後は和と暮らしてたんだよな…」 咲「…。うん…。」 おっとなんだ?このびみゅぉぉぉおおおうな反応は。 京太郎「今も、そうなのか?」 咲「…。いちおう…」 あー、これだなー。 そーかー、俺はそんなくっだらねー理由の相談を受けるためにここに降臨してるのかー。 うっわー、だりぃ。 どうせ勝手に喧嘩して盛り上がって最終的にモトサヤなんだろ?まじうっぜーわこいつ。 京太郎「で、なんかの悩みっては和との関係についての事なんだろ?」 咲「…。うん、まぁそうだね」 京太郎「おまえさー、どうせ喧嘩だろ?つまんねー痴話喧嘩してそれで俺に相談したいってことだろ?そうだろ?」 咲「うーん、似てるけど違うかな」 京太郎「じゃあ、どんな話なんだよ?」 咲「あのさ、京ちゃん、女の子同士が結婚するってどう思う?」 京太郎「え?」 咲「和ちゃんにね、言われたの、結婚しようって…」 京太郎「え?え?」 咲「ISP細胞があるから子供だってできるって言うの…」 京太郎「ああ、そう…。」 咲「おかしいよね?」 京太郎「う、うん、おかしいとは、まぁ、思うわな普通は…」 いや、知ってたよ!知ってたけどさー。ねぇー? 京太郎「お前はそれでいいのか?」 咲「う…んー。まぁ、それは別にいいんだけどさ…」 いいんだ!? 京太郎「じゃ、じゃあいいんじゃね?結婚すれば」 咲「だめよ!」 京太郎「ええっ?」 どっちだよっ!めんでくせーなー 京太郎「ん?結婚しても別にいいけどダメなの?日本語おかしくね?」 咲「だって私、男が好きなんだもん!!!!」若干オオゴエ 京太郎「…。お、おう。」 咲「だって!女の子同士でエッチなことしたって所詮は手マンだけよ!て!ま!ん!」 京太郎「て、てまん!?ですか?」 咲「そうよ!手マンよ!あ、まぁお互い擦りあわせたりするけどさ!」 京太郎「コスリアワセル!?」裏声 咲「だめじゃん!」 京太郎「だめなんだ」 咲「やっぱとろっとろの精子を注いでもらいたいのよ!」 京太郎「え?天膳?伊賀の者!?」 咲「あ、京ちゃんバジリスク読むんだ」 京太郎「全巻もってるよ。ってちげーよ!その話じゃねーよ!」 咲「だから、抱いて?」テヘッ うわーでーたー。でましたーその言葉。 京太郎「おまえな…ウムッ…」 ああああ、やばい唇奪われたよ。しかもベロチューだよ! 咲「んっ、むっっ、はぁっ」チュッチュ 咲「きょーちゃん、ここに溜まったもの私に一杯注いで…?」サワサワ えーっ、脱ぎだしちゃったよこの子、てかまだそのネタ引っ張るのかよ 咲「どう?あの頃と体つき変わってないでしょ?そりゃまぁちょっとは張りとかないかもしれないけど…」 咲「オトナの色気は出てると思うんだけどな…」下を見る …。ガーターっすか…。 咲「ね?キモチイイコトしよ?」 咲「きょーちゃん…」 テレビ「はい☆それでは今日のゲスト片岡優希プロです☆」 優希「いよっしゃー!のどちゃん久しぶりだじぇ!今日は宜しくだじぇ!」 京咲「あ、」 のどっち「はい、よろしくお願いしますね☆それはそうと片岡プロ、その喋り方はどうしたんですか?」 優希「え?あ、申し訳ありません。つい。昔を懐かしんでしまって」 のどっち「テレビの前のみんなの中にはご存じの方もいらっしゃるでしょうが、私と片岡プロは中学高校と同級生なんですよー☆」 優希「ええ、この語尾にだじぇってつけるのが私の口癖だったんですよ」 優希「やはり、年をとってから言うのは少し恥ずかしかったですね」苦笑い のどっち「それを言ったら私だって、未だに牌のおねーさんだからね☆」 京太郎「優希…」 咲「…。」 のどっち「さて、片岡プロ。今日の特集は片岡プロの半生についてお伺いしたいと思います☆」 のどっち「片岡プロ、これまで人生を振り返ってどうでしょうか?」 優希「そうですね、まぁ、月並みな言葉で恐縮ですが、生きるってことは大変なんだなーって思います。」 優希「皆さん、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私はドラフト組ではありません。トライアウトからここまで来ました」 優希「高校を卒業して直ぐに結婚して、子供もできました。そして21で離婚して子供を育てる手段としてプロを目指しました」 優希「プロになる前もプロになってからもいっぱい泣きました」 優希「でも、今まで頑張ってこれたのは…子供がいたから…この子を立派に育てるんだ!」 優希「って思いで今まで頑張って来ましたし、今後も頑張って行きたいと思っています」 優希「でも、あっという間でした。私もプロ6年目で来年30歳ですよ。ホント、あっという間でしたよ」 優希「私の好きな言葉…というかHysteric Blueのカクテルって曲の歌詞なんですが」 優希「1日をこんなに長く感じるのに、1年がこんなに早く過ぎてしまう」 優希「1年をこんなに早く感じるのに、一生をどんなにうまく生きれるでしょう」 優希「という歌詞が曲の最後にあるんですけど、ホントそのとおりなんですよ」 ピッ! 咲「京ちゃん…」 京太郎「…。」声には出さないが涙が止めどもなく出てる。 咲「京ちゃん…ごめんなさい」 京太郎「ん、ああ、いや、いいんだ。」ゴシゴシ 京太郎「あいつも大変そうだけど、俺解いた時より生き生きしてる気もするし、な」 咲「京ちゃん…。」 京太郎「…。咲。」 咲「ん?なぁに?」 京太郎「忘れさせてくれ」 咲「うん、」 京太郎「ありがとう」 咲「うん。」 咲「んんっ!ああっ!」 あー。 咲「きょーちゃん!きょーちゃん!あああっ!」 俺って。 咲「出して!中でっ!んぁっ!んんっ!」 クズだなぁ。 咲「きょーちゃん!いやぁっ!」 こんなクズ死んでしまえばいいのに。 事後 咲「ねー、きょーちゃん」 京太郎「ん?」 咲「子供できたら、認知してくれる?」 京太郎「和はどうするんだ?」 咲「んー、どうでもいいかな」 京太郎「お前…最低だな」 咲「きょーちゃんだって結構最低だと思うよ」 京太郎「…。そうかもな」 京太郎のモテキ 第1章 二人のクズ 終わり。 明治神宮 京太郎「編集長も人使い荒いよなー、なーにが明治神宮に鹿児島から偉い巫女さんが来るからカメラに納めて来いだよ」 京太郎「あれ?あれは確か…」 チョエー(なんか演舞とかでよく聞くあの曲) 京太郎「ああ、思い出した。永水の人たちだ」 チョエー 京太郎「うわー、皆さん凄い美人になってるよ。元から美人揃いだけど」 京太郎「あ、先鋒の人、なんか神々しいなー」パシャパs 京太郎「うわー、なんかカッコいいなー」パシャパシャ 小蒔「そこのあなた」 京太郎「え?俺?」 小蒔「そう、あなた」 京太郎「な、なんでしょうか?」 小蒔「あなたから何やら邪気を感じます」 京太郎「じゃ、邪気ですか?」 小蒔「そう、邪気」 京太郎「えっと、えっと…」 小蒔「取り除かないと、アンタ死ぬわよ」 ええー?何そのどっかの占い師みたいな決め言葉 巴「あ、姫様!」 小蒔さんが舞台を降りこちらに向かってきた 小蒔「さぁ、こやつに巣食う邪気よ、姿を現せ」 ビュルルルルル 京太郎「え?なに?この風?」 ビュルルルルル 京太郎「え?え?なにこれ?なにこれ?」 ビュルルルルル うおっ!何も見えない! あ!誰かが手を掴んで。 小蒔「こちらに」 京太郎「え?うわぁー!」 ダッシュ 京太郎「え?ちょっと!小蒔さん!?」 小蒔「ごめんない!京太郎さん!あなたの中に邪気なんかいませんよ!」 京太郎「えっ?じゃあ、なんで今ダッシュしてるんですかっ!?それは邪気とは関係ないと思いますけど!」 小蒔「訳はあとで話します!今はとにかく走ってくだい!」 あー。これぜったい面倒なことに巻き込まれたぞ…。 原宿駅前 小蒔「はぁ、はぁ、ここまで来ればもう大丈夫です」 京太郎「はぁはぁ、小蒔さん、これは一体どうゆうことですか?」 小蒔「あら?私の事をご存知なんですか?京太郎さん」 京太郎「そりゃもう、俺が高1の時お世話になりましたから…って小蒔さんこそなんで俺の名前を?」 小蒔「企業秘密です」 京太郎「ああ、そうですか…」 小蒔「京太郎さん、ごめんなさい、あなたを利用させてもらいました」 京太郎「ええっ?面倒事はごめんですよ…」 小蒔「ごめんなさい、もう絶対面倒な事になってます。今頃、マネージャーが大騒ぎしてると思います」 京太郎「マネージャー?」 その頃明治神宮 マネージャー「小蒔ちゃん、逃げちゃったね」 初美「毎度のことですが探すこっちの身にもなってほしいですよー」 春(ポリポリ) 巴「霞マネージャー、どうしますか。さすがに都内で逃げられたら探すのは厳しいですよ」 霞「うーん、そーねぇ。」 巴「姫様は方向音痴ですからヘタしたら日本から出ていってしまうかもしれませんし…」 霞「それは多分大丈夫だと思うけどね…昔なじみの顔に会えて嬉しかっただけだと思うし」 初美「昔なじみですかー?」 霞「そ、小蒔ちゃんが連行した人って清澄の男の子ですもの、まぁ、保護者がいれば悪いようにはならないでしょ」 原宿駅前 京太郎「え?逃げたんですか?」 小蒔「はい…」 京太郎「なんで逃げる必要があるんですか!?」 小蒔「もう、嫌なんです」 京太郎「嫌って何がですか?」 小蒔「京太郎さんが知らない前提で話しますが、私は霧島神境の姫巫女なんです」 小蒔「小さなころから事あるごとに除霊だ降臨だって大人たちにこき使われてきたんですよ!」 京太郎「はぁ」 小蒔「嫌なんです、本当にもう嫌なんです!毎日毎日同じ事の繰り返し」 小蒔「今日だって折角東京に来たのに演舞の儀式が終わったら鹿児島にとんぼ返りなんですよ!」 小蒔「人をなんだと思ってるんですか!」プンプン 小蒔「だから逃げました」キッパリ 京太郎「はぁ、そうですか…。」 小蒔「京太郎さん、ご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありません」ペコリ 京太郎「あ、いや、そんなかしこまらなくても…」 京太郎「…。そういえば、なんで俺を使って逃げたんですか?」 小蒔「えっ?」 京太郎「逃げるだけなら別に俺を使わなくても実際余裕なんじゃなかったんですか?なんか変なかぜおこししてましたし」 小蒔「そ、それは…あの、…ぇと」 京太郎「?」 小蒔「男の子とデートしてみたかったからです////」 京太郎「えっ?」 小蒔「わ、私、先程も言ったようにずっとずーっと姫巫女としての責務を果たしてきたので…その…男の子と遊んだことがないんです…」 京太郎「そうなんですか!?」 小蒔「はい///」 京太郎「なんで赤くなってるんですか?」 小蒔「ふぇっ////いえ、決して、そのようなことは////] いや、小蒔さん、あなた今むっちゃ赤いですよ…。 かわいいですけど。 京太郎「うーん、事情は…。つまり、俺と遊びたいと?」 小蒔「はい/////」 うーん、ますます赤くなった。この人全く男に耐性がないんだな。。。 京太郎「うーん、」 小蒔「あの、ご迷惑でしたら、私、その…」悲しそうな顔 小蒔「そうですよね…こんな、もう30にもなって全くの世間知らずの処女なんて…」 京太郎「しょっ!!!?いや!小蒔さん!そーゆー問題じゃなくて…」 小蒔(ウルウル) 京太郎「わかりました!今日は俺が小蒔さんをエスコートしますよ」 小蒔「本当ですか!?」パァァァ 京太郎「ええ、でも、俺に大したことなんて出来ませんよ?ふつうのコトしか」 小蒔「いいんです。私はフツウに憧れてるんです」 京太郎「わかりました。とりあえず、その巫女服はここでは絶対に普通じゃないんで服を買いに行きましょう」 小蒔「はい!」パァァァ 京太郎「小蒔さん、すっごいうれしそうな笑顔ですね」 小蒔「はい!凄い嬉しいんですもう!」 京太郎「服か…。原宿だし都合はいいんだけど…小蒔さん、見つかったらまずいんですよね?」 小蒔「あ、はい、見つかったら連れ戻されてしまいます」 京太郎「そうですよね…じゃあ、このまま原宿にいるのは危険か、よし!小蒔さん移動しましょう!」 小蒔「わかりました。どこに行くんですか?」 京太郎「マイホームタウンです!」 小蒔「?」 その頃。明治神宮 霞「うーん、大丈夫だとは思うけど一応探しましょうか?」 初美「探すといっても、どこを探すんですかー?」 霞「そーねー4手に分かれて探しましょうか?」 巴「そうですね、さすがにもうこの辺にいるとは考えにくいですし」 春(ポリポリ) 霞「そーねー、じゃあ私は千葉方面、初美ちゃんが八王子方面、巴ちゃんが埼玉方面」 霞「春ちゃんが神奈川方面を探すってことにしましょうか?」 初美「え?でもそれ範囲広すぎじゃないですかー?」 春「大丈夫、これがあれば」 初美「?」 春「ペケポカン!姫様はっけんきー!」ドラエもん声 春「これは姫様発見器と言って姫様が半径5キロ以内にいるとその方角を教えてくれる優れものなんだ」ドラエもん声 霞「ね?これならいけそうでしょ?」 巴「そうですね、これならすぐに見つかるでしょう」 初美「そ、そうかなー?そもそもこれどうゆう原理なのですかー?」 霞「さぁ?昨日秋葉原で作ってもらったばかりだからよく知らないわ」 初美(じゃあ、効果があるかも分からないじゃないですかー) 巴「まぁ、とにかく探しましょうか?」 一同「エイエイオー」 大宮 京太郎「ビバ!マイホームタウン!」 小蒔「うわー、ここも人がいっぱいです」キラキラ 京太郎「とりあえず、ここなら安心だろうし、服も買えますよ」 小蒔「はい!」キラキラ 服屋 店員「イラッシャイマセー」 小蒔「京太郎さん!この服どうですか?ちょっと着てみます!」着てみた 小蒔「どうですか?」 うおおおお!かわいい!(要脳内補完) 京太郎「小蒔さん!すっごいかわいいですよ!」 夕方 京太郎「さーて、小蒔さんどうします?まだ帰らなくても大丈夫ですか?」 小蒔「え?はい、大丈夫です。」 京太郎「じゃあ、お酒でも飲みに行きますか?」 小蒔「お酒ですか?」 京太郎「あれ?飲めませんか?」 小蒔「いえ、今まで2回くらいしか飲んだことないんですけど…是非行きたいです!」 京太郎「よし!じゃあ行きますか!」 赤羽 京太郎「小蒔さん立ち飲み屋って行ったことあ…るわけないですよね?」 小蒔「たちのみや?」 京太郎「ええ、椅子がないんですよ」 小蒔「そうなんですか?疲れたりしないんですか?」 京太郎「ん、いや、そうでも無いですよ」 京太郎「まぁ、客層はかなり平均年齢高いってのと椅子がないって以外はそのへんの居酒屋と変わらないですね」 小蒔「なんだか面白そうですね」 京太郎「うん、雰囲気が好きなんですよ」 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 ガヤガヤ 小蒔「うわー、すごーい」キラキラ 京太郎「気に入って貰えました?」 小蒔「はい、とっても!」ニコニコキラキラ 京太郎「えーと、何飲みます?」 小蒔「私、焼酎がいいです」 京太郎「おお、なんかカッコイイ!」 小蒔「え?そうですか?」 京太郎「いきなり焼酎頼む女の子なんて見た事無いですよ」 小蒔「あ、そうなんですか…女の子らしくないですか?」 京太郎「いやぁ、小蒔さんみたいに綺麗な女性がいきなり焼酎っていうギャップも俺はいいと思いますよ。ギャップ萌えってやつですよ」 小蒔「そうですか…」 オヤジ「あい!焼酎とビールお待ちー!」 京太郎「じゃあ!乾杯!」 小蒔「かんぱーい」 ごくごく 京太郎「ップハァー!このために生きてるんだなぁ~!」 小蒔「すみませーん!焼酎おかわりくださーい!」 京太郎「えええっ!?」 小蒔「えっ?」 オヤジ「あい!焼酎お待ち!」 小蒔「ありがとうございます」グビッ 小蒔「すみませーん!焼酎おかわりクダサーイ!」 京太郎「…。すげぇ…」 オヤジ「お嬢ちゃんいい飲みっぷりだね!あいよ焼酎!」 小蒔「えへへ、そうですか?」グビッ 小蒔「おじさーん!もう一杯ちょうだーい!」 オヤジ「あいよー!」 京太郎「小蒔さん、凄いっすね…」 小蒔「え?そうれふか?」グビッ 京太郎「え?もう酔ってます?」 小蒔「よってないれすよ?京太郎君変なこといいますねー」プンプン うわー、俺地雷踏んじゃったよ絶対。 その頃 巴「おおっと!レーダーに反応が!近いですよ!」 車内アナウンス「次はーあかばねーあかばねー」 巴「あ、矢印が一気に180度回転した!ってことは、ここね!」 てくてく 巴「こっちか…」 巴「あれ?この辺って…」 巴「このお店か…」 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 小蒔「きょーたろーくーん」ケタケタ 京太郎「は、はい、なんでしょうか?」 小蒔「わたしねー、きょうたろうくんのことすきになっちゃったみたいなんだー」 京太郎「えっ?」 小蒔「きょうはーすっごいたのしかったんだよー、こんなにたのしかったのなんてさいきんなかったんだよー」 腕に抱きつかれた 胸が!胸が!腕が幸せな感じに! 小蒔「すき?」 京太郎「あの、小蒔さん、やっぱり酔ってますよね?しかも相当…」 小蒔「えー?はい、わたし酔ってますよー」 小蒔「でも、この気持ちは嘘ではないですよ?」 あれ?いきなり雰囲気が 小蒔「あなたと一緒なら、私この先の人生も生きていけそうです」 ガラッ 巴「…。」 小蒔「あー。ともえちゃんだぁー」 京太郎「あ、どうも、お世話になってます」 巴「え、あ、こちらこそ、姫様がご迷惑をお掛けしているみたいで…」 小蒔「とーもーえーちゃーんもーいっしょにおさけのみましょーよー」ケラケラ 巴「あの、京太郎さん、この人どのくらい飲みました?」 京太郎「えっと、焼酎を13リットル程…」 巴「やっぱり…」ガックシ 京太郎「すみません、こんなに凄いものとは知らずに…」 巴「いや、いいんです。それに大丈夫ですよ、この人いくら飲んでも粗相はしないんで」 京太郎「そうなんですか…?」 巴「はぁ、すいません。私にも焼酎を」 オヤジ「あいよ!お待ち!」 京太郎「じゃあ、とりあえず乾杯」 小蒔「カンパーイ」 巴「乾杯」 グビグビ 巴「あのー焼酎おかわりいただけますか?」 オヤジ「あいよ!」 お前もかよおおおおおおおおおお!!!! 京太郎「あの、鹿児島って水の代わりに焼酎飲んでるんですか?」 巴「いえ、単純に私達の家系がお酒に強いだけです」 京太郎「あ、そうなんですか…」 小蒔「とーもーえーちゃーんわたしのきょうたろうをとらないでー」 巴「え?私の?」 京太郎「あの、実はさっき告白されまして…」 巴「ええっ!?」 小蒔「ともえちゃーん!わたしねー、きょうたろうとけっこんしたいんだー」 巴「えええええっ!?」 京太郎「だそうですが…」 巴「え?待って、本気なんですか?京太郎さん」 京太郎「いや、俺は特に何も言ってないです、小蒔さんが酔っ払って一方的に言われてるだけです」コゴエ 小蒔「きょうたろうー」ウルウル 巴「えっ!?姫様!?」 小蒔「ともえちゃぁぁん、きょうたろーをとらないでー」グビグビウルウル 巴「いや、取りませんから」グビッ 小蒔「やったぁ」ニコ 巴「はいはい、さぁ、姫様、それ飲んだら帰りますよ。」 小蒔「ええぇー、やらー」 巴「みんな心配してますから」 小蒔「ふえー」涙目 京太郎「あのー」 巴「?」 京太郎「もう電車動いてないですよ…」 巴「え?」 京太郎「もう、終電終わってる時間ですよ…」 巴「…。やっちまった…」ッガックシ 小蒔「やったー、おとまりしよー」 巴「お泊りですか…京太郎さん、このあたりHOTELはありますか?」 京太郎「まーあることはありますが…」 巴「そうですか、じゃあ仕方がないですね、姫様、今日はお泊りです」 小蒔「わーい」 京太郎「それじゃ、もう行きますか?」 小蒔「えー、やだー」 巴「…。姫様もこう言ってることですからもうしばらく飲みましょうか?」 京太郎「そうですね」 よっしゃ!巴ちゃんと飲める!姫様GJ! 1時間後 巴「そーなんですよ!姫様ったら事あるごとに逃げ出すんですから!」 京太郎「へー」 小蒔「にげてないれすよー、おさんぽですー」ケラケラ 巴「毎度毎度かぜおこしの術使って逃げてるじゃないですか」 あれって術なんだ… 巴「まったく、探す方の身にもなってくださいよ…」 京太郎「ははっ、皆さん大変なんですね」 巴「はい、全くですよ」クグビグビ 小蒔「はうー」 巴「すみません、おかわりです」 オヤジ「あいよー!」 さらに1時間 巴「あー、もう飲めないわー」 小蒔「ともえちゃん、おさけ弱くなったねー」 巴「歳ですよもう」 京太郎「じゃあ、そろそろ行きますか?」 小蒔ねーむーいー」 巴「そうですね、行きましょうか」 外 京太郎「この辺がHOTEL街なんで、それじゃあ、今日は楽しかったです、またいつか機会があったら…」 小蒔「えー?きょうたろー帰っちゃうのー?」 巴「姫様、京太郎さんを困らせてはいけませんよ」 小蒔「きょうたろう、おねがい、今日だけは一緒にいて」 巴(え?ここで寝るんですか) 京太郎「あー、でもやっぱりご迷惑じゃ…」 巴「…。大丈夫ですよ、京太郎さんがいたほうが姫様も安心するでしょうから」 京太郎「あー、それじゃー行きますかHOTELに…」 巴「はい、」 HOTEL 巴「…。何故にラブホをチョイスしたんですか?///」 京太郎「いや、安いから…」 小蒔「わーい、えっちなことしよー」 巴「姫様!はしたないですよ!」 小蒔「えー、もうー、巴ちゃんったら私達もさんじゅーだよー?そろそろこどもほしいじゃーん」 巴「え、まぁ、それはそうですけど…」 ん?これは…どんな流れだ… 小蒔「だから、三人で子作りしましょー」 京巴「えっ?」 京巴「子作り!?」 小蒔「よいしょ」服を脱ぐ 巴「姫様!はしたないです!」京太郎に覆いかぶさって隠す 京太郎「うおっ!」巴「きゃっ!」 勢いで巴さんにマウントポジションを取られた。 巴「あ、すみません!すみません!姫様!ダメです!」 小蒔「あー、ともえちゃんにとられちゃうよー」 京太郎「うおっ!」 横から唇を奪われた 小蒔「ハムッ」 京太郎「んんっ!」 小蒔「ともえちゃんも…」 巴「あ、ひめさ…んっ」 巴「ぷはっ!姫様!?」 小蒔「あー、ともえちゃんときすしちゃった、えへへ」 巴「あ、あ…」カァ 小蒔「ともえちゃんもいっしょにきもちいことしよーよー」 京太郎「あの…」 巴「京太郎さん申し訳ありません!姫様完全に酔っ払っているみたいで…」 小蒔「よっぱらってないれすーさーきょうたろーさんにんでこずくりしましょー」 京太郎「え!?あの、小蒔さん!?」 小蒔「はじめてだから…わたしもともえちゃんも…」 巴「ちょ!姫様!」 京太郎「そうなんですか?」 巴「え、ええ、男の人とそのような事になったことは…ない、です。」 あー、なんかたってきた…。 こんな美人二人と…。 3Pか…ゴクリ…。 巴「私に経験ないのは今は関係ないでしょう!姫様!」 小蒔「あーもーめんどくさいなー」ガシッ 巴「え?ひ、姫様!?」 小蒔「さー、きょうたろー、ともえちゃんにいのちのせいをそそぎましょうねー」 京太郎「…。」巴を見つめる 巴(あ、やばい、この人、目付きが…) 京太郎「いいんですか…?」 巴「いいわk!ウムッ!」 小蒔「最初は巴ちゃんに譲りますよー私は横で見てますから」ニコニコ 京太郎「…。小蒔さん…いいんですか?本当に…」 小蒔「ええ、いい加減私達にも子孫が必要ですから私は姫として分家を守る義務もありますから」 巴「んーんー!!!(寝やがった…しかもたちの悪いのが降りてきてる!)」 京太郎「…。巴さん。すみません。俺もう我慢できません」 巴「んー!んー!(嫌!イヤッ!いやああああ!)」 巴「ンー!ンー!(やばい!やばいよ!ああ、胸…触らないで!)」 巴「んんんん!(誰か!助けて!」涙目 京太郎「…。」胸を揉む。 京太郎「巴さん…小ぶりですけど形がいいですね…綺麗です」 巴「ンー!ンー!(あ、やばい。ちょっとキモチイイ) 小蒔「んー?これじゃいまいち盛り上がりに欠けますねー」 京太郎「あのタオルで縛りますか…」 小蒔「あ、それいいですね。私も楽しみたいので」 巴(え?し、縛る!?) 京太郎「よーし、両手をベットに括りつけたぞ、小蒔さんもう離していいですよ」 小蒔「はーい」ぱっ 巴「ぷはっ!ちょ!姫様!京太郎さん!止めてください!」 小蒔「巴ちゃん。お願い。これも一族のためなの…」 巴「えっ?」 小蒔「一族の長としてのお願い、このままだと、一族の血が途絶えてしまうから…」 巴「姫様…」 巴「…。わかりました…。京太郎さん…。好きにしてください…」 小蒔「だそうです」ニコッ 京太郎「…。ええ、好きにさせてもらいます。」ペロッ 巴「ヒウッ!」耳をなめられつつ胸を揉まれる 京太郎「どうですか?巴さん」 巴「あっ!んんっ!(息が…耳に…)」 京太郎「下は…」 巴「あああっ!」 京太郎「あー、凄い濡れてますね…」 巴「あの…その、私…そろそろ…」 京太郎「入れて欲しいんですか?」ニヤニヤ 巴「あの…優しくしてください…」 京太郎「はい」ズッ 巴「あああっ!痛い!痛イイ! 京太郎「少し我慢してください、じきなれると思うんで…」 巴「あっ!あっ!んっ!」 京太郎「はあっ!はあっ!」 小蒔「うわー、初めて見るけど凄い…」 巴「あっ!あっ!」 小蒔「中に…出しますよ…?」 巴「えっ!?んんっ!」 京太郎「いくっんっ!」 いのちのせいがでた 巴「ああああっ!」 京太郎「ふぅ…」 巴「…。」 小蒔「凄かったです///] 小蒔「それじゃあ次は私ですね」ニコ 京太郎「ええ」 ?「そこまでです!」 京小「えっ!?」 霞「見つけましたよ姫様」ゴゴゴゴ 小蒔「あ、か、霞ちゃん…」 巴「マネージャー」ボー 霞「姫様、今回は少しお痛が過ぎたようですね…」 小蒔「あれーかすみちゃんだー」パッ 霞「はぁ、一番悪いのが降りてたみたいですね…」 霞「さ、二人共、帰りますよ」 京太郎「あの…」 霞「ああ、あなた…もし、巴ちゃんが妊娠してたら責任はとってもらいますからね」 巴「はは、私、はは…」 京太郎「あ、はい、あの…」 霞「さ、帰りましょう。二人共」 第二章 処女を守った女と処女をドブに捨てた女 おわり。 怪人「グエッヘッヘー!どーしたー?のどっち?そんなものか?」 のどっち「くっ!仕方ありません!シーサンプトー!」 怪人「ぐはぁ!」 のどっち「地球の平和は私が守る!」 …。 監督「はいおっけー!」 のどっち「ふぅ…」 怪人「お疲れ様でーす」 のどっち「あ、お疲れ様です」 監督「いやーお疲れさん、これで最後ってのが惜しいよホント」 のどっち「監督さん、長い間ありがとうございました。」ペコ 監督「うん、原村プロもありがとう。ごめんね、俺の実力が足りなかったせいで番組終わることになっちゃって…」 のどっち「いえそんな…」 監督「本業も頑張ってな」 のどっち「はい…」 私は原村和(29歳) 肩書きはプロ雀士 牌のお姉さんのどっち そして宮永咲のフィアンセ だった。 和「はぁ…」 先日私のフィアンセ、咲が家を出ていった。 同棲を始めて7年立つ。 先日改めて告白をした。 一緒に咲のお姉さんがいる海外で暮らそうという話もした。 咲はそうだねといっただけだった。 そしてそれから2日経ったら咲は家に帰らなくなった。 電話をしても出なかった。 私は途方に暮れた。 何もする気が起きなかった。 でも、生きるためには働かなくてはならない。 だから今日も魔法雀士のどっちの撮影を終えた。 最終回の。 池田「おーい!はらむらー!」 和「あ、池田さん。お疲れ様です」 池田「おー、おつかれー、どうした?元気ないな?魔法雀士のどっちの最終回おもしろかたぞー」 和「ありがとうございます。実は最近少し私生活が…」 池田「そうなのか…お前もお前で大変なんだな。元気だせよ!今度メシおごっちゃるから!」ウインク☆ 和「あ、ありがとうございます、その時はお言葉に甘えますね」 池田「おおう!じゃ、私これから決勝だから!」 和「はい、頑張ってください」 プロ雀士になってもう10年。 初めの目的はタイトルを獲得して世間に認められて咲と一緒になることだった。 3年目にタイトル制覇をして咲と一緒になった。 それからのプロ人生ははっきりって惰性の人生だった。 私は30を目前にして一人になってしまった。 咲が本当は私と一緒になることなんて望んでいないことは一緒に暮らしていて気づいていた。 それでも私には意地があった。 だって、私の人生の半分近くを捧げたんですもの。 それが、全て無意味だったなんて。 そんなの。悲しすぎる。 PURUUUU 和「はい…はい、わかりました…ご迷惑おかけします…はい、それでは…」 プッ 私はプロ雀士を辞める。 悲しい人生を終わらせ。虚しい人生を始める為に。 和「あーあ。なんかもー疲れちゃった…」 和「はぁ、飲みにでも行きますか…」 赤羽 最近よく行く立ち飲み屋。 一人でも気軽に入れるし、なによりお客さんがおっさんおばさんばかりだから気が楽だからだ。 まぁ、もう私もおばさんだけどね。 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 和「えーと、ビールお願いします」 オヤジ「あいよ!」 ?「あれ?ひょっとして和?」 和「え?」 京太郎「よう」 和「あら、須賀君じゃない?どうしたのこんなところで」 京太郎「いや、俺王子に住んでててさ、ここよく来るんだわ」 和「そうなの?私十条なのよ、こんな近くに居たなんてね、世間って狭いわね」 京太郎「だな、てか、お前こそ何一人で立ち飲みなんか着てるんだよ」 和「最近よく来るんだ。一人でさ」 京太郎「そうなのか…。ところで最近どうよ?仕事の方は?」 和「え…。うーん、それがね、辞めることにしたの」 京太郎「ほぇ?な、なんでだよ?お前結構いいところまで行ってるんだろ?」 和「うん、そうなんだけどさ、なんかもうどうでも良くなっちゃってさー」 京太郎「そう、なんか…まぁ、和の人生だから、好きにすればいいとは思うけどさ…。プロって大変だろうし…」 和「ふふ、まぁね、牌のおねーさんだって最近は痛いだけのおばさんだし」 京太郎「うーん、知り合いとしては、確かに少し痛いかな…」 和「あはは、そうだよね、うん、もうさ、どうでもいいんだー」セノビー 京太郎「…。まぁ、あれだ、折角の再開だし、今日は一緒に飲んでもいいかな?」 和「ええ、勿論」 京太郎「じゃあ、乾杯」 和「乾杯」 京太郎「ごくごく、プフゥ。…。なぁ、ところでちょっと聞きたいんだけどさ」 和「何?」 京太郎「こないださ、テレビで見たんだけど…」 和「あ、もしかして優希?」 京太郎「ああ…あいつ、実際のところどんな感じだった?」 和「うーん、あんま変わってはいなかったかな。元気な感じなのはいつも通りだし。まぁ、営業用の顔だったかもしれないけどね」 京太郎「そっか…」 和「あなたも…まぁ、どんな理由があったかは私は知りませんが、離婚なんて決してほめられることじゃないですよ?」 和「ましてや子供がいるってのに」 京太郎「ん、そこを突かれると…言い返せないかな。優希には申し訳ないとは思ってるよ今でも、」 和「詮索はしませんがね、私だって聖人君子みたいな生き方しているわけじゃありませんから」 京太郎「悪いね。そっかー、あいつも頑張ってるんだなー」遠い目 和「…。ねぇ須賀君」 京太郎「ん?」 和「私の悩みも聞いてくれる?」 京太郎「ああ、いいぞ。」 和「あの…女の子同士の恋愛ってどう思いますか?」 京太郎「ん、あー、咲とのことか?」 和「え?知ってるの?」 京太郎「まぁ、な、一応、話には聞いてる」 和「だ、誰から聞いたんですか!?」//// 京太郎「本人」 和「もう、あのひとったら…あの、何か変なこと言ってませんでしたか?」 京太郎「あー、言っていいかわからないけど…その、結構生々しい話は…聞いた」 和「えええええっ!/////」 和「ど、どんな話ですか!?」 京太郎「あー、それは…言えないかな…」 和「いいから!私が許可します!」 京太郎「あー、その…手マンがどうとか…擦りあわせてるとか…」コゴエ 和「//////」 京太郎「あー、だから言いたくなかったんだよ…」 和「それ聞いたのって最近ですか?」 京太郎「えっ!?んっと、えーと、結構前の…話かな?」 和「あ、そうですか…えっとその時はどんな状況で話を聞いたんですか…?」 京太郎「ん、ああ、まぁこれでも腐れ縁だからな、たまには電話したりしてたんだよ…」 和「そ、うですか…最近はどうです?」 京太郎「最近かー、ここ1年くらいは連絡とったりはしてないけど…」 和「そうですか…」 京太郎「…。和、まだ咲と付き合ってるのか?」 和「いえ…、最近はついに愛想をつかされたようで…」 京太郎「そうか…なんというか…悲しいな友達同士の縁が切れちまうなんてさ…」 和「ええ、でも、仕方がないのかもしれません、こうなるってことは最初から…わかっていたんですから…」 京太郎「…。そうか。」 和「ええ、いい夢を見させてもらいましたよ…やっぱり、女の子同士が結ばれるなんてありえないものなんですよ」 京太郎「そうか…」 和「須賀君、私ね、頑張ったんだよ、これでもさ」 和「今日は…愚痴聞いてもらっていいかな…?」悲しそうな顔 京太郎「…。ああ、いいぞ、辛いことは誰かに聞いてもらうだけで楽になるかもだからな、ちゃんと聞いて慰めてやるよ」 和「ありがと」ニコ 和の話を聞いた。 インターハイでの約束の話。 プロになった理由。 咲が和のもとに来た話。 それからの生活の話。 そして、再度告白して咲がいなくなってしまった話。 京太郎「うーん、結構、凄い話を聞いてしまったなー。」 和「ふふ、おかしい女でしょ私?10年以上もこだわってきたのにね、結局願いは叶わなかったわ」 京太郎「ひょっとして、咲のことが仕事辞める原因か?」 和「うーん、まぁそれもあるわね、あの人がいないのにやってる意味はないって思いはあるわ」 和「それに、いい加減嫌なのよね、牌のおねーさんも、痛いだけだし、もう、賞味期限切れの女だもん」 京太郎「和…」肩寄せ 和「あ、」 京太郎「お前は、頑張った。俺が認めるよ、」頭なでなで 和「…。ありがとう」 数時間後 和「今日は、話聞いてくれてありがとう」 京太郎「ああ、」 和「また、一緒に飲みたいね」 京太郎「そうだな、是非」 和「うん、じゃあ、またね」 そう言って和は去っていった。 京太郎「…。恋愛って、めんどくさいよな、ホント」 京太郎「はぁ、」 プルルル 京太郎「ん、あ、咲か、もしもし」 咲「あ、京ちゃん?今から会える?」 京太郎「ん、ああ、大丈夫だよ、今赤羽だけど、どうしたらいい?」 咲「あ、ホント?私今新都心なんだー。ねぇ、映画みたいから新都心まで来てもらっていいかな? 京太郎「お、わかったーいくわー」 咲「はーい、じゃあ、まってるねー」ガチャ 京太郎「…。和、ごめんな」 さいたま新都心 咲「あ、京ちゃーん!」 京太郎「よう」 咲「ごめんね、いきなり。あ、お酒臭い?まーた飲んでたの?」 京太郎「まぁな、調度良かったよ、暇だっだし」 咲「ぷぅー、私は暇つぶしですか、そうですか」 京太郎「いや、誘ったのは咲だろ?」 咲「えへへ、そうでした」ニコ 京太郎「映画だろ?何見るんだ?」 咲「んとね、恋愛映画!」 京太郎「おう、そうか、じゃ、行くか」 咲「うん!」 しばらくしてさいたま新都心 和「ふう、久しぶりだなここも、さて、何を見ようかしら…」 和「…!?え?あ、れわ…」 遠くに京太郎と咲がいた 和「え、ええ?なんで?どうして?」 和「なんで、あの二人が、ここに…」 和「!?手をつないでる…」 和「…。」 映画館 咲「これ見たかったのよねー」 京太郎「お、人あんまいないなこの時間だと」 咲「まぁ、平日だしねー」 京太郎「…。」 咲「ん?どうしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、寒いかもだから掛けるもの借りようかなって」 咲「あ、そうだね」 京太郎「おう」 遠く 和「…。」 映画始まってしばらく 咲「…。」 京太郎『…。」スッ 咲「!?」 京太郎「…」フトモモさわさわ 咲「ちょっと、京ちゃん/////」コゴエ 京太郎「…」内側攻め 咲「んっ、ダメだってきょうちゃん、」コゴエ 京太郎「大丈夫、毛布で見えないからさ」さわさわ 咲「だめ、だよ、声、出ちゃうじゃ、ない、んっ」 京太郎「我慢」さわさわ 咲「ふぅっ、んんっ!」 30分 咲「はぁ、はぁ…」 京太郎「咲は、焦らされるの好きだもんな」フトモモさわさわ 咲「はぁ、はぁ、もう、我慢出来ないよぉ…ね、え、触って…」 京太郎「んー?触ってるじゃん?」ニヤニヤ 咲「ち、がう、もっと付け根の方…」 京太郎「付け根?いいの?映画館だよここ?」 咲「はぁ、もう我慢出来ないのぉ…」 京太郎「…。」穴に指を入れる 咲「んんんんっ、んんんんんっ!!!」ビクビク 京太郎「え?なに?イっちゃったの?」強めに 咲「はぁ!んぁぁぁぁっ!」ちょっとオオゴエ 京太郎「だめだよ、咲、気づかれちゃうよ?」ニヤニヤ 咲「もう、だめ…京ちゃん…」 二人の後ろの方 和「…。」 和「…。」ツー 和「…。殺してやる…。」 映画終わり 咲「もう!京ちゃんのせいで全然映画見てなかったよ!」プンプン 京太郎「そんな俺好みの格好で来る咲が悪いんだよ、あと、咲が可愛いのが悪い」 咲「もう」//// 京太郎「このあと、うち来る?てか、続きしたい」 咲「…。うん」 京太郎「よし、帰ろうか」 遠く 和「…。」 京太郎家 ガチャ 咲「ただいまー」 京太郎「おかえりー」ギュッ 咲「キャッ!」ベットにドサッ! 京太郎「咲、ハムッ」」 咲「んっ」チュッチュ 京太郎「咲、咲」 咲「んー、きょーちゃーん」 ピンポーン 咲「誰か来たよ?」 京太郎「なんだよ、こんな時に…」ドテドテ 京太郎「はーい、どちら様ー?」 ??「宅配便でーす」 京太郎「あ、はいはーい」ガチャ 和「こんばんわ」ニコ 京太郎「和!?」 咲「えっ!?」 和(ニコ)バチバチ! 京太郎「ぐあっ!」どさっ! 咲「京ちゃん!!!!」 和(ダッシュ) 咲{!?」 和「ごめんなさい、少し寝てもらいます」バチバチ 咲「んぁえっ!?」ドサ 和「…。うふふ…」 京太郎「んっ…」 和「あら?起きましたか?」 京太郎「!?和!あ、咲!?」 咲「」 京太郎「おい!咲!咲!」 咲「ん…きょうちゃん…!?」 和「…」冷たい目 咲「ひぃっ!!!」 和「おはよう、咲」 咲「和…ちゃん…」 和(ニコニコ) 和「さぁて、どっちが悪い子なのかな☆」 京咲「!?」 和「世界の平和を脅かす悪い子は許さないぞ☆」 和「ウフフフ、アハハハハハ!」 和「クククククゥ~!!!☆」 和「さーて、どっちから、ころして、あげましょうか☆」 咲「ヒィ!あ、和ちゃん。何行ってるの!?ころすって…」 京太郎「そうだよ…怖いこと言うなよ…」 和「こわいー?あー、こわいわねー、だって、これから二人共しんじゃうもんねー☆」 咲「いやよ!何行ってるのよ!和!」 京太郎「何でこんなこと…」 和「なんで?何ででしょうねー?ウフフ、あなたさっき飲み屋で私の話し聞いてた?」 和「私の思い知ってるわよね?」 和「さっき、映画館で、何してた?」 和「…。アハハ、私、バカだなー、こんな男に何話してるんだろう☆」 和「もういいやー、めんどくさいし、しんじゃえ☆」トテトテ 和「あー、この部屋、包丁もないのかー☆」 和「あ、ダンベルがある☆」 和「うーん、ちょっと、おもいかなー☆」 和「あ、そっか、そうだよねー、原型もわからないほど、殴れば、いいんだ☆」 和「そうだー、そうだよねー、アハハハ!」 和「これで、忘れられる、もんね☆」 和「ウフ、ウフフフフッ☆」トテトテ 和「さー、どっちが、いいかなー☆」 和「咲ちゃん?須賀君?選ばせてあげる☆」 咲「なに、言ってるのよ…和ちゃん…」 京太郎「…。ごめん、和…」 咲「!?」 京太郎「咲、すまん、お前に合う前に、俺、和と飲んでたんだ…」 咲「え?」 京太郎「和から、お前の話、聞いた」 咲「そう、なの…」 和「ウフフー、それを聞いた後に、あなた、よく、あんな所で、あんなこと出来るね☆」 和「きーめた!」 和「そんなにシたいんだったら、いくらでもさせてあげるよ☆」 咲「え?」 京太郎「なにを…」 和「エッチな事に決まってるじゃないですかー☆」 和「どうしたの?早くヤリなよ?☆」 和「あー、縛られてちゃ、無理だよね☆」ドゴォ! 咲「ぐぇっ!」腹に蹴りが入る 京太郎「咲!」 咲「ゴホッ!ゴホッ!和ちゃん…やめて…ゴホッ!」 和「んー?なにかなー?こんなのいつものことじゃない☆」 咲「だから…逃げたのよ…」ウルウル 京太郎「えっ!?」 咲「二人のときだって、あなた、いつも私に暴力ばかり…もう、嫌だったのよ…」泣き出す 京太郎「なんだって!?」 咲「いつもそうだったのよ…、きまってのどっち言葉で殴ったり、蹴ったり…もう、いやぁ…」 京太郎「本当なのか…和…」 和「んんー?聞き分けの無い子にはお仕置きが必要だもん☆」 和「そう、お仕置きだよ☆」 和「でもでもー、最後には、ちゃんとご褒美あげるの☆」 和「今回のご褒美はね☆」 和「気持よくなりながらー地獄逝き☆」 和「あ、須賀君もね」ブンッ! 京太郎「あがっ!!!」ドンッ! ダンベルで殴られた。 咲「京ちゃん!!!」 嘘だろ…。マジかよ!ホントに殺されちゃうよ…! 血が…。口切れた…。 ヤバイヤバイヤバイ。 和「さーて、お仕置き終わり☆」 和「ご褒美の時間ですよ☆」スルスル 和「さー、咲。あなたは自由に動けるわー☆」 和「この男とシたいんでしょ?早く始めて☆」 和「あ、余計なことしたら、わかってるよね?☆」 咲(ガクガク) 京太郎「あ、っのっ!和!」 和「なあに?☆」 京太郎「俺、お前とシたい!」 和「?」 京太郎「どうせ死ぬならさ!初めての感触を感じて死にたいんだ!いいだろ!和!」 和「んー?何言ってるのかな?この男☆」 和「なんで、私が、あなたと、しなきゃ、いけないの☆」 京太郎「俺は、どうなっても、どんなふうにしてもいい、だから咲は…助けてやってくれ!」 京太郎「俺が悪いんだ!俺が無理やり咲を誘ったんだ!」 京太郎「お前らが付き合ってるのは知ってた!俺が勝手に咲を自分のものにしたかったんだ!だから…咲は悪くないんだ…」 和「本当…?」 京太郎「本当だ!俺が…その、無理やり、レイプしたんだ…」 和「レイプ?」 京太郎「ああ、そうだ…」 咲「京ちゃん…」 和「レイプした?お前が咲をレイプしたァッ!!!?」 京太郎「ああ…。そうだ…。」 和「アハ、アハハハ!そうか!そうだったんだー!じゃあ、お前はご褒美なしに殺してあげる」 和「さき、ごめんね、しらなかったの、まっててね、すぐに、おわるから、おわったら、またいっしょにくらしましょう…」 京太郎「…。」 これで、咲は、助かるかもしれない。 あれ?俺、死にたくは無かったのに。 自分犠牲にして咲を助けようとしてるのか。 はは、なんだかなー。下手だなー。 まぁ。いいか、こんなクズ。どうなっても。 和「じゃあ、さようなら」ダンベル振りかぶり 咲「だめっ!」ガシッ! 和「なぁに?じゃましないでよ?」 咲「だめ!だめっ!そんなの!だめっ!」 和「うるさい!」ブンッ! 咲「キャッ!」 和「こいつがしねば、もとどおり、なるから、だいじょうぶだから」 咲「だめなの…。聞いて、和ちゃん、私ね、妊娠したの…」 京和「え?」 咲「昨日ね、分かったの…だから…この子を親なしにしたくないの…」 和「?」 和「にんしん?おや?咲?おや?咲?親なし?こ、ども?」 和「あー、あー!あああああああああああああああっ!」 京咲「!?」 和「何言ってる!?何言ってるの!?ねぇ!何言ってるのよ!妊娠っ!え?なになに?あなた何言ってるの?ねぇ!」 咲「だから…。もう、止めてよ…うぇっ!ぁあぁあぁっぁっっ…」 和「あ、…。あぁ…」 京太郎「咲…。」 和「…。」トテトテ 咲「和ぁっ…もう、ゆるしてよぉ…」 和「許さない」ドゴ 咲「グゥッ!」腹に蹴り 和「許さない、許さない、許さない、許さない 和「絶対に許さない」腹に何度も蹴り 咲「うっ!グッぅ!ゲェっ!」 和「絶対!絶対!絶対!」蹴り 咲「やべでっ!ぐぅっ!やねでっ!」 京太郎「咲!咲ぃ!やめろ和!やめろおおおおお!やめてくれえええええええ!!!!」 咲「グッ!ぐぅっ!あぅえっ…!」 和「はぁ、はぁ、はぁ、しんじゃえ…」 咲「ごほっ!ぼほっ!」吐血 京太郎「咲!咲!おい!和!咲が血を吐いてるじゃないか!お前!咲のこと愛してるんじゃないのか!?何でそんな事するんだよ!」 和「うるさいですよ」 京太郎「うるせーじゃねーよ!このクソアマ!でめぇ何してんだよ!頭おかしいんじゃねーのかよおお!」 和「頭がおかしいのはお前だ」 和「私は今、咲を助けてるの、こんな、ろくでもない男のガキを産ませない為に」 京太郎「狂ってる…。」 和「狂ってなんかいないですよ?」 京太郎「子供には…罪はないだろう…しんじゃうだろ…あんなことしたら…」 和「だいじょうぶ、私が、かわりに、産むから…」 京太郎「えっ?」 和「1引く1足す1は1でしょ?これで大丈夫じゃない?」 京太郎「お前…何言ってるんだよ…わっかんねーよ!」 和「こういうことよ」スルスル 数が服を脱ぎだした。 和「私が、あなたの、子供を、代わりに、産むの」 京太郎「あ、ああ…」 和「さぁ、早く済ませましょう…早く、勃てて」 京太郎「勃つわけねーだろ…」 和「じゃあ、無理やり、立たせるハムッ!」 和が俺のペニスを舐め始めた。 勃った。 案外簡単に。 和「入れるから」ヌゥ 京太郎「んっ」 凄いすんなり入った。 和、相当濡れている。 和「さぁ、楽しんで。最後だから」上下運動 京太郎「おぅっんぁ!」ユサユサ 和「んっ!んっ!んぁ!」ユレユレ 京太郎「こ、こんなこと、なんで!」 和「んっ!んっ!はぁ!」 ガシッ! 京太郎「!?」 和が首を閉め始めた。 京太郎「んっ!んんっ!ぐぅっ!」 和「はぁはあ!どう?気持ちいでしょ?あなたはこのまま首を絞められて死ぬの」 京太郎「!?」 和「気持ちいわよー?首を絞められながら逝くのって…」 和「あ、でも普通は落とすだけだけどね、こうやって喉をつぶしながらだと気持ちいいいのかは知らないけどね」クスクス え?え? 和「ふふふ、さようなら、心配しなくても、あなたの子は育ててあげるからね」 あー、意識が…。なく、なる…。 …。 ……。 ………。 京太郎「…。ここは…。」 刑事「気が付かれましたか?ここは病院です」 京太郎「あの、どちら様、ですか?」 刑事「警視庁の刑事です」 京太郎「刑事…。!?あのっ!咲は!?和はっ!?」 刑事「…。実はですね…。」 その後、俺は刑事からいろいろな話を聞いた。 異常な物音で通報が入ったらしかった。 警察が来た時には咲も和も俺の部屋にはいなかったらしい。 俺はベットに縛られて下半身丸出しで気絶していたそうだ。 刑事にありのままを話した。 刑事は、わかりました。とだけ言って部屋を出ていった。 あの二人がどうなったかは、捜査するとのことだ。 あの精神状況の和に連れ去られた咲。 血を吐いていた。 咲は…無事だろうか…。 今の俺にはどうすることもできないが、願わくば、最善の結末が訪れる事を祈る…。 第三章 浮気は身を滅ぼす 終わり。
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『間もなく、個人戦一次予選を開始致します』 咲「凄い人数だね…」 まこ「個人戦は団体戦に出れん生徒も来るからのー」 和「相手が居なくてもソロプレイなら誰でもできますから」ハアハア 京太郎「はいはい話を逸らさないよー」 久「個人戦で全国に行けるのは3人。誰と当たっても、全力全開手加減無しで」 優希「さっすが部長! わかりやすいじぇー」 久「勝っても負けても悔いのないようにね!」 「「「「「はいっ!」」」」」 久「あ、須賀君」 久「男子は会場違うから。急がないと間に合わないわよ」 京太郎「うおぉいっ!」ダダダッ! 京太郎「ぜー、はー…ま、間に合った!」 京太郎「清澄高校の須賀京太郎です、登録お願いしますっ!」 「え、えっと京太郎君? 登録はあっちだけど…」 京太郎「いいっ!?」 「もう…こっち、急がないと時間なくなっちゃうよ」ギュッ 京太郎「うおっと…ありがとうございます」 「お礼なんて別に…そ、それより行かないと!」 京太郎「そうっすね…あの」 「な、何?」 京太郎「手、綺麗ですね」ジッ 「えええっ!? そそそ、そんなことっ!」 京太郎「お、あれが登録所か。すいません小鍛治さん、行ってきまーす!」 健夜「あ…もう、元気だなあ」クスッ 健夜「男子は人数が多いから、一日目でも負けがあるよ」 京太郎「うげ、マジっすか…二日目まではなんとか…」 健夜「ゆ、夢はおっきくないとダメだよ!?」 京太郎「それじゃあ全国優勝で!」グッ 健夜「スケールが変わりすぎだよ! もう…」 健夜「京太郎君…手、貸してくれるかな」 京太郎「? はい」スッ 健夜「…頑張ってね」ギュッ 京太郎「はいっ!」 京太郎(なんて言った手前、恥ずかしい姿は晒せねーよな) 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 京太郎(さーて…いい牌来いよ?)カチャ ※京太郎の戦績は安価で決まります。戦績次第では全国編の展開に変化が生じる予定。 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 一日目は全3回戦。 1回戦は1,2,3位で勝ち抜け。2,3回戦は1,2位で勝ち抜け。 582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 01 41.89 おまかせあれ! 583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 01.68 すばら! 584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 27.35 でえい 585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 29.11 あ 京太郎1位! 京太郎「おしおしおしっ! 幸先いいぜ!」 京太郎「2回戦はこのあとすぐか…へへ、咲たちに昼の時間、自慢できる結果にしないとな!」 健夜「良かった…でも、気を抜いたらだめだからね」ホッ 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 07 27.42 はい 590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 07 53.34 おまかせあれ! 591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 08 13.78 ぬ 592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/29(火) 20 08 21.39 そもそもなぜすこやんが……? 京太郎2位! 京太郎「あ、ありがとうございました…」フー 京太郎(あっぶねー…300点差で2位かよ) 京太郎(ま、勝ちは勝ちだよな!)ヘヘッ 健夜「ひ、ひやひやするよ…なんだか自分が打ってる時より怖いなあ」 ※一旦茶番タイムへ 京太郎「小鍛治さん! 勝ちましたよ、俺!」 健夜「うん、おめでとう…今日はあとは、午後の3回戦だね」 京太郎「ありがとうございますっ。じゃあ俺、部活のみんなに伝えてきます!」 健夜「あ……もう、あんな子だったかなあ?」 健夜「もっと頼りになる気がしたんだけど…ツッコミの人が少ないからかな…」ハア… 健夜「でも、あれが本当の京太郎くんなんだよね」 健夜「ふふっ、かわいいなあ」 健夜「応援するからね。京太郎君」 京太郎「よっ、飯食ってたか。元気いいなー」 咲「京ちゃん! なんだか元気だね」 和「個人戦はどうでしたか?」 優希「安心しろ! 優希ちゃんハンドでチビ京太郎を慰めてやるじぇ!」ワキワキ 京太郎「ふっ…その必要は、ないっ!」 まこ「お、とゆーことは」 京太郎「2回戦勝ち抜けですよ! 3回戦進出っす!」 久「あらま…それはまた、今後の指導のし甲斐がありそうね」 咲「おめでとう!」 優希「ほほー、めでたいめでたいじょー」 和「おめでたですね」 京太郎「待て」 和「どこの女ですか!?」 京太郎「落ち着け!」 優希「そーなるとタコスの補充ができないじぇ…むむむ」 京太郎「ああ、そう言うと思って。ほれ」タコス 優希「むぐ…タコス?」 京太郎「冷めても美味いタコスだとさ。匂い控えめで気配りバッチリだぜ」 優希「ほへー、京太郎よくやった! えらいぞ!」 咲「凄いね。京ちゃんが作ったの?」 京太郎「いやいや、途中の屋台で執事さんが作ってたんだよ」 まこ「なんじゃそら…」 久「ちょっと考えられないわねえ」 和「須賀君、常識の範疇で物を言って下さい」キリッ 京太郎「どの口々が言いやがる…」 京太郎「っと、そろそろ時間っぽいな」 咲「京ちゃん頑張ってね!」 優希「タコスの陰から応援しといてやるー」 和「頑張って下さいね。いえジョーク抜きで」 久「全力でね。冷めたら負けよ!」 まこ「後でな。また元気よく報告頼むからのー」 京太郎「うっす! 行ってきます!」 京太郎(ふー…やっぱ緊張するけどさ) 京太郎「よろしく、お願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2位で勝ち抜け。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 24.74 * 623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 28.23 おまかせあれ! 624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 41.91 ニワカは相手にならんよ! 625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 45 03.07 へ 京太郎2位! ※合宿編、全国編で展開に変化 京太郎「ありがとうございましたぁっ!」 京太郎(……) 京太郎「……っしゃあああ!」 『男子個人戦、1日目を終了――!』 『明日の4、5回戦で全国行きへの切符を手にする選手が決定します!』 健夜「……わあ」 健夜「なんだか、胸が熱くなってくるよ」 健夜「懐かしいなあ…あんなに喜んで、楽しそうで」 健夜「……うん」ギュッ 健夜「私も、頑張らないとね」 京太郎「小鍛治さん! 俺、やりましたよ!」 健夜「うん、見てたよ。おめでとう…でもまだ明日があるからね?」 京太郎「うぐ…な、なんか腹が痛いんですけど…」 健夜「緊張するよね。初めての試合ならなおさら」 健夜「明日も見に来るからね? 格好いいところ見せて欲しいなあ」 京太郎「うえっ!? し、仕事とかいいんですか…?」 健夜「新幹線使えば間に合うから大丈夫だよ」 京太郎「そっすか…明日も頑張りますから、応援頼みます!」 健夜「うん、じゃあまた明日…」 健夜「はー…」 健夜「こーこちゃん? ごめん、今夜の打ち合わせ、明日にしてもらえる?」 咲「京ちゃん! 凄いよ!」 久「ほーんと。もしかしたらもしかするかもね?」 まこ「こりゃあ京太郎の方がわしより強いかもしれんのう…」 優希「京太郎のタコス力も相当のもんだな!」 和「知りませんでした。須賀君はとんだテクニシャンですね、突き合って下さい」 京太郎「いやあ…すみません、明日も応援行けなくて」 まこ「何言うとるんじゃ。こっちのほうが申し訳ないっちゅーんじゃ」 久「正直私が応援したいくらいなんだけどね…こういう時、会場が違うってのが困るわ」 咲「私は心の中でずっと応援してるからね!」 優希「私はタコス場の陰から見守ってるじょー」 京太郎「ありがとな!」 和「もう…放置プレイだなんて、悪くないですね…」モジモジ ~2日目~ 京太郎「ふー…あと2回。やべえよ…き、緊張が…」 健夜「だ、大丈夫? ええとこういう時は人の字を書いて」 「ふん…金髪雑魚が存外勝ち抜いていると聞いたけど、とんだ偶然だ」ザッ 京太郎「う、うえ?」 健夜「あ…龍門渕高校の」 「力を感じない。力へ至る道筋も見えない…」 「それなら後は人の意思。お前の意思だけしか頼れないんだ」 「…お前は、衣が思ったよりも強い。だから…その」 衣「頑張れと言っているっ!」 京太郎「……おう、ありがとな!」 京太郎「それじゃ、行ってきます!」 『さあ男子個人戦準決勝! 上位二人が勝ち抜けとなります!』 京太郎「…おしっ!」パンッ! 京太郎「お願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2位で勝ち抜け。 ↓1 京太郎 ↓2 相手S ↓3 相手Y ↓4 相手D ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 06.91 ころたんイェイ~ 663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 07.84 ほ 664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 19.04 ほい 665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/29(火) 21 23 23.68 せい 京太郎1位! 決勝進出! 京太郎「……ほへ?」 京太郎「マジで?」 『準決勝終了ー! ここに決勝進出の4名が決定しました!』 『うち一人は女子団体戦で優勝した清澄高校! 今年は波乱の展開です!』 衣「これは…」ガタッ 健夜「力はないけど、そのぶん純粋に麻雀が楽しめてる…のかな」 健夜「私達にはもう、あんまり分からない感覚かもしれないけれど」 衣「……あ」 衣「そっか、キョータローは、麻雀をしているんだな」 健夜「うん……」 衣「……」 健夜「ねえ、良かったら今度一緒に打ってみない?」 衣「良縁か奇縁となるか…衣がお前に通じると思うか?」 健夜「さあ…」クスッ まこ「京太郎!」バシッ 京太郎「うおっ!? 染谷先輩、それに優希!」 優希「ちょ、おま、ほんとに凄すぎだじぇ!」 まこ「全国行きも全然ありえるとは…わしより強いっちゅうんはマジじゃったか」 京太郎「い、いや偶然というかなんというか…」 まこ「アホ。運も実力、しかし麻雀は運だけじゃダメなんじゃ」 優希「そういうことだ! 誇れ! タコス神に!」 京太郎「…ああ!」 まこ「次の決勝戦はわしらも観客席におるからの」 優希「頑張れ京太郎! 勝利祈願のタコスグミだじぇ!」 京太郎「ありがたいけど超まずそう…」 京太郎(小鍛治さんに天江、優希に染谷先輩…) 京太郎(多分他の人も見てるんだよな) 京太郎「…お願い、します」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2,3位で全国進出。 ↓1 京太郎 ↓2 相手S ↓3 相手E ↓4 相手X ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 05.16 ??「京ちゃ須賀京太郎は東京の白糸台に転校すべき……わた宮永照先輩が直々に指導すると言っていた」 705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 07.82 すこやんイェイ~ 706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 09.80 シャイニングツモ! 707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 21.69 おまかせあれ! 「ご無礼。手を抜く気は無いんでね」「悪いなその牌だ…だが目はいいぜ、アンタ」「アンタ、背中…いや、いい色だ」 『決着ー! 個人戦決勝、全国行きが決定しました!』 『清澄の須賀選手、惜しくも全国を逃しましたが堂々の4位! まだ一年生の彼は今後が期待されます!』 京太郎「……はー」 京太郎「ありがとう、ございましたっ!」 京太郎「……」 京太郎「あー」 健夜「京太郎君」 京太郎「…すんません、負けました」ペコッ 健夜「ううん。頑張ってた。初めから見てたから、分かるんだよ?」 健夜「悔しいよね。泣きたいよね…」ギュッ 京太郎「……ふ、ぐっ…」 京太郎「お、れっ、本気で、がぢ、勝ちたくてっ!」 健夜「うん…いいんだよ。泣いていいの」ギュウッ 京太郎「…う、ううううううう!!」 優希「……あ、京太郎…」 まこ「惜しかったのー」ポン 京太郎「はは、負けちゃいましたよ。さすがに決勝はキツイっすね」 衣「……」ピョン 衣「奇しくもキョータローの思う所はよく分かる」 衣「1週間前の衣も同じ思いだった。だからキョータロー、衣おねえさんの胸で泣いていいぞ!」フンス 優希「…無い胸で泣けとは片腹大激痛だじぇ!」 衣「なにをー!?」 優希「なんだー!」 まこ「ったくわりゃあ…」 京太郎「…はは!」 京太郎「はいはい、二人ともそこまでにしとけー」 京太郎「咲! 和! 個人戦全国出場おめでとう!」 咲「う、うん…あの」 和「須賀君は…その」 京太郎「…ったく、なーに微妙な顔してんだよ」ワシャワシャ 咲「わわっ!」 和「あうぅっ」 京太郎「そりゃ全国行けたら嬉しかったけどさ。多分それと同じくらい、団体戦と個人戦でお前らが全国行くのが嬉しいんだよ」 京太郎「それともアレか? 男だし、全国行けないならお留守番かよ? ねえ部長」 久「んー? そうねえ…咲と和がそう言うなら留守番してもらおうかしら」クスッ 咲「そんなこと!」 和「ありません!」 京太郎「それに、お前らの面倒も見ないとダメだからなー。麻雀打つ暇もねーよ」 京太郎「だからさ…今年は全力でサポートするから、来年はもうちょっとマトモになってくれな?」 咲&和「「……えー」」 京太郎「そこは頷くだろ普通!」 京太郎「小鍛治さん、今日はありがとうございました」 健夜「ううん。約束だったし、私も京太郎君には色々教えてもらったから」 京太郎「へ? なんですかそれ…?」 健夜「ん、内緒。でも本当に格好良かったよ」 京太郎「いや…みっともないとこ、見せちゃって」 健夜「それも含めて格好良かった、ってこと。ときめいちゃったかも」クスッ 京太郎「へっ!?」 健夜「なんて、ね。それじゃあまたね…インターハイは私も解説で出るから、また会おうね!」 京太郎「……はいっ! ありがとうございましたっ!」 健夜「うん、バイバイ」 健夜「もうこんな時間かあ…こーこちゃん怒ってるかなあ」 健夜「…いいよね、たまには」 久「さ、そろそろ帰るわよー。準備はいい?」 和「須賀君、これを」スッ 京太郎「……ローション?」 和「須賀君のタイミングで準備してください」キリッ 京太郎「この展開見越してこれ持ってきたの?」 久「はいはい、そこも行くわよ」 咲「あ、はいっ」 京太郎「……」クルッ 京太郎「また来年、来るからな」 京太郎「…へへっ」 優希「あー! 京太郎がエロい顔してるじぇ!」 まこ「ま、まさかわりゃあ…建物フェチだったんか…」ゴクリ 咲「うぅ、建築物にはなれないよ…」グスン 久「廃墟ツアーとか行ってみる? ティッシュ持って」 和「廃墟なら穴もあるんですよね…」ゴクリ 京太郎「結局こんなんかよ!?」 京太郎「…ま、こんなんが丁度いいか」
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開局 親 憧 110600 咏 225000 梢 41600 史織 22800 憧(あのちびっ子は高火力) 憧(それなら私の方が有利!) 憧「チー!」 咏(速く攻めるタイプかねぃ、まあ嫌いじゃないけど) 咏「ロン」 咏(負けるわけにはいかないねぃ) 咏「12000」 東2局 憧 110600 親 咏 237000 梢 41600 史織 10800 憧(高い打点ってことはそれなりの遅さのはず) 憧(それに隙も多い) 憧(そこを狙う!) 憧(っと、テンパイ) 憧(小三対々混老混一色ドラ2、三倍満) 憧(中が来れば役満……) 憧(これを三箇牧にぶつけたいけど……) 史織(これなら……)トン 憧(なんで出しちゃうのかなー……) 憧(早く終わるにこしたことはないけど) 憧(シズたちにも回したかったな) 憧「ロン、24000」 史織「えっ」 えり「中堅戦終了ー!」 えり「そして、二回戦第二試合終了ー!」 終局 三箇牧 237000 (+12000) 阿知賀 134600 (+24000) 劔谷 41600 越谷 -13200 (-36000) えり「中堅戦東2局、阿知賀の新子憧が越谷の水谷史織を飛ばし、終了」 えり「準決勝へ駒を進めたのは―――」 えり「2位とは10万点差をつけ、4位とは25万点差をつけた三箇牧高校」 えり「そして、先鋒戦で大失点するも、次鋒戦で役満2回、倍満1回を和了し、中堅戦で三倍満を和了して巻き返した、阿知賀女子学院の二校です」 えり「戒能プロから見て、この中堅戦どうだったでしょうか?」 良子「越谷は、まあ運が悪かったとしかいいようがないな」 良子「不要牌はどれも他家のアガリ牌だったし」 良子「劔谷は倍満、三箇牧は数え役満の手をテンパイしていたのだから」 良子「何を切っても飛んでいた」 良子「三戦ともおかしな試合だったな」 えり「準決勝は明後日、7日目に行われます」 ―――――――――――――――――― 梢「多くの失点をして、1年生に回すことができなかった不甲斐ない上級生を代表して……謝罪します」 莉子「いえいえそんな!」 友香「部長は悪くないんでー!」 澄子「ですよね、私が悪いんですよね」ウワーン 美幸「あ、あんなのしょうがないよもー」 ―――――――――――――――――― 郁乃「戻ったで~ってあれ、もう終わってもうったん?」 憩「ええ、まあ……」 エイスリン「デバンナカッター!」ウワーン 咏「ごめん、ごめんってば!」 照「焼きプリンおいし」 ―――――――――――――――――― 憧「みんな、ごめん!」 穏乃「ちょっ、なんでアコが謝るんだよ?」 憧「だって、アラタとシズに回せなかったし……」 灼「別にそんなのいいから」 穏乃「そうだよ!準決勝進出!ベスト8なんだから!」 憧「二人とも……」 晴絵「でも、このままじゃダメなのは確かだな」 宥「次の相手は……」 晴絵「白糸台、あの宮永照の古巣だ」 晴絵「ここも手強い、流石に三箇牧が予想外すぎたけど」 晴絵「とにかく、浮かれてばっかじゃいられない」 晴絵「かといって沈んでばかりなのもダメだ」 玄「でも、あんな人たち相手にどうすれば……」 晴絵「私に1つ案がある」 晴絵「明日は練習試合をするぞ」 憧「練習試合って……どこと?」 晴絵「北大阪の2位……元関西最強……」 晴絵「千里山女子とだ!」 京太郎「二回戦勝利、準決勝進出、か」 京太郎「俺も頑張らないと」フンス 京太郎「次は明後日、白糸台と新道寺」 京太郎「決勝まで行けばいいな」 夜 京太郎「今日も外食行くか」 京太郎「竜華さんと怜さんも誘ってみよう」 京太郎「というわけで、行きましょうよ!」 竜華「いや、どういうわけやねん」 京太郎「会場から帰ってくるときにおばちゃんがやってるおいしそうな定食屋を見つけたんですよ!」 怜「せやから、それがどうして私たちを誘うわけになるんや」 京太郎「行ーきーまーしょーうーよー」 竜華「っていうかもう着いたっぽいんやけど」 怜「オンボロやなぁ」 京太郎「年季が入ってる、と言いましょう」 ガララ 叔母「久しぶりだね、京太郎」 京太郎「うん、おばちゃん!」 怜「おばちゃん…って」 竜華「ホンマもんの叔母ちゃんかいな!」 叔母「元気だったかい?」 京太郎「おう、もちろんだ!」 咲「あれ、京ちゃん?」 怜「京……」 竜華「ちゃん……?」 京太郎「よお、咲、久しぶりだな」 お品書き 東北寄せ集め定食 地元定食 信州そば定食 関西定食 九州ラーメン定食 京太郎「じゃあ俺関西定食で!」 怜「ほな私も同じので」 竜華「ウチもお願いしますー!」 叔母「元気だねぇ、じゃあちょっと待っててね」 怜竜「「はーい!」」 咲「……へぇ、モモちゃんの言う通りだったんだ」 京太郎「モモが何だって?」 咲「京ちゃんが夜な夜な女の子連れまわしてるって」 京太郎「してねえよ!」 叔母「京太郎もお盛んなんだねぇ、「俺、叔母ちゃんと結婚する!」って言ってたのが懐かしいわぁ」 京太郎「子どもの戯言だから!」 咲「…そういえば、京ちゃんの学校準決勝まで行ったんだってね」 京太郎「圧勝だったぜ!」 竜華「なあなあ京くん、その子も幼馴染なん?」 咲「はい、宮永咲っていいます」 怜「宮永ってことは、宮永さんの親族とかなんか?」 咲「妹です」 竜華「へぇ~、高校は?」 咲「清澄です」 怜「清澄言うたら明日愛宕さんとこと当たるとこやな」 竜華「そうなん?」 咲「はい」 竜華「ほなお姉ちゃん咲ちゃんが可愛いから応援するわー!」 怜「竜華、言うてることがおっさんみたいやで」 咲「は、はあ……ありがとうございます」 咲「京ちゃん!関西の人ってこんなのばっかりなの?」ボソボソ 京太郎「俺にもわからん」ボソボソ 【5日目】終 【インターハイ 6日目】 京太郎「明日が準決勝、今朝は咲たちの試合があるのか」 京太郎「何をしよう」 京太郎「じゃあ今日は試合見に行くか」 京太郎「竜華さんも行きませんか?」 竜華「今日はちょっと予定があるんや、ごめんな」 京太郎「いえ、いいですよ」 京太郎「じゃあ俺もう行きますね」 竜華「行ってらっしゃーい」 ――――――――――――――――― 京太郎「二回戦第三試合の対戦校は……」 京太郎「鹿児島代表、第3シード永水女子―――神代さんたちのところ」 京太郎「岩手代表宮守」 京太郎「南大阪代表、姫松―――真瀬さんたちのところ」 京太郎「長野代表、清澄か」 京太郎「観覧席も取れたし」 京太郎「観戦開始だ」 【先鋒戦】 京太郎「先鋒の4人は……」 京太郎「宮守は小瀬川さん、永水は神代さん、清澄は片岡さん」 京太郎「知り合いばかりじゃないか、たまげたなぁ」 京太郎「姫松は上重さん、か」 京太郎「片岡さんと小瀬川さんは打ったことがあるけど」 京太郎「神代さんはどんな打ち方をするんだろう……」 「先鋒戦開始ー!」 「先鋒戦終了ー!」 京太郎「神代さん、急に人が変わったみたいになったけど、あれも霞さんのいう神様の力なのかな……」 京太郎「片岡さんは序盤の火力が凄かったな」 京太郎「小瀬川さんが区間1位…実は凄い人なのか」 【次鋒戦】 京太郎「次鋒戦、姫松は真瀬さん」 京太郎「清澄はモモ、永水は狩宿さん、かりじゅくって読むのか」 京太郎「宮守は……みなみうら?いや、南浦さんか」 京太郎「ん?南浦ってプロにもいたような……」 「次鋒戦開始ー!」 「次鋒戦終了ー!」 京太郎「真瀬さんはちゃっかり+、宮守の人は後半凄かったけどモモに引っかけられてたな……」 京太郎「モモってやっぱり凄いやつだな……」 【中堅戦】 京太郎「中堅は…」 京太郎「清澄は竹井さん、永水は滝見さん」 京太郎「宮守の鹿倉さんって、本当に高三なのか?」 京太郎「姫松は洋榎さんか……」 京太郎「はてさてどうなることやら」 「中堅戦開始ー!」 「中堅戦終了ー!」 京太郎「竹井さん、凄かったけど」 京太郎「それ以上に洋榎さんの勢いが凄かったな……」 【副将戦】 京太郎「副将は清澄からは原村さん、姫松からは絹恵さん」 京太郎「宮守は臼沢さん、永水からは薄墨さん」 京太郎「薄墨さん、あんな服で大丈夫なのかな」 「副将戦開始ー!」 「副将戦終了ー!」 京太郎「薄墨さんの四喜和は……耐性ついちゃったからかあんまり驚かないな……」 京太郎「原村さんは上手かったな……」 【大将戦】 京太郎「最後の大詰め大将戦か」 京太郎「清澄は咲、宮守からは姉帯さん」 京太郎「姫松は末原さんで、永水は藤原さんか」 京太郎「姉帯さんやっぱり背高いなぁ」 京太郎「鹿倉さんといい、薄墨さんといい、変な身長の人が多い気がする……」 「大将戦、開始!」 「大将戦、終了!」 京太郎「姉帯さん、泣いてたな……」 京太郎「咲はなんか変な感じだったし」 京太郎「前半和了ってた人の勢いが後半になって急に衰えてたのは、なんだったんだろう」 京太郎「テンパイすらできてなかったみたいだし……」 京太郎「これでBブロックの準決勝進出二校は清澄と姫松に決まったのか」 京太郎「さてと、会場少しぶらついてから帰るか」 京太郎「でも、見ごたえのある試合だったな」ガコン 京太郎「夏はやっぱり夏みかんゼリージュースだよな」フリフリ 京太郎「ん?」 豊音「うぇええん」 京太郎「姉帯さん……悔しかったんだろうな」 京太郎「……そうだ」 京太郎「もう1個」ガコン ―――――――――――――――― 豊音「ぐすっ、ぐすっ」 塞「トヨネ、ここにいたんだ」 塞「みんな待ってるよ」 豊音「会わせる顔がないよ、ひぐっ」 塞「誰もトヨネを責めたりしないから、さ」 豊音「うっ、うん……」 塞「あれ?そのジュースは何?」 豊音「ジュース?」 ――――――――――――――――― 京太郎「あ、野口さん一人になっちゃった」 京太郎「そろそろ帰るかなーっと」 「あ、あのートイレってどこかわかります?」 京太郎「トイレでしたら……って洋榎さんじゃないですか」 洋榎「久しぶりやな!」 洋榎「ここにおるってことは見たんやろ?」 京太郎「何をですか?」 洋榎「ウチの活躍」ドヤァ 京太郎「あーはいはい」 絹恵「お姉ちゃん、監督呼んどったで」 絹恵「って、須賀くん?」 京太郎「どうも」 洋榎「ウチらの試合見とったんやて」 絹恵「ほんま?」 京太郎「はい、いい試合でしたよ」 絹恵「そかそか、良かったぁ」 洋榎「須賀のとこは三箇牧やったな」 洋榎「決勝で潰したるわ、このウチがな!」 京太郎「はいはい、待ってますよ」 絹恵「おお、すっごい冷静」 絹恵「それどころやなかった、ほら、お姉ちゃん行くで」 洋榎「ほな須賀じゃあな~」 絹恵「ばいばい」 京太郎「はい、さようなら~」 京太郎「飯食って一旦帰るか」 京太郎「でも金少ないんだよな、どうしよ」 京太郎「100円あったらマックに行こう!」 由子「あ、須賀くんなのよー」 京太郎「真瀬さん、部活の方はいいんですか?」 由子「昼食は各自で、ってなったのよー」 京太郎「じゃあ俺と食べませんか?」 由子「了解なのよー」 京太郎「ビッグマック2つって結構食べますね」 由子「これが本当のビッグマウスなのよー」アハハ 由子「そういう京ちゃんはハンバーガー1つで足りるのよー?」 京太郎「あれ、今何て?」 由子「京ちゃんって……ダメ?」 由子「この前モモちゃんが言うてたから真似してみたんやけど」 京太郎「あ、いや、いいですよ」 京太郎「金欠ですから、少し節約を、と思いまして」 由子「それは大変なのよー」 由子「それなら、はい」 京太郎「ポテト、Lサイズまるごとなんていいんですか?」 由子「困った人の窮地を助けるのが」 由子「先輩ってものなのよー」ポンポン 京太郎「真瀬さん!」 由子「由子でいいのよー」 京太郎「由子さん!ありがとうございます!」 由子「少し目が恐いのよー」 午後 京太郎「対策の時間でい!」 京太郎「げっへっへ、今日は誰を対策してやろうかぁ」 京太郎「…………」 京太郎「新道寺、白糸台、阿知賀の対策をするか」 京太郎「それとも勝った気で清澄とか姫松の対策をするか」 京太郎「誰にしよう」 京太郎「照、菫さんの弱点とかってわからないか?」 照「また対策?」 京太郎「みんなの力になりたいからな!」 照「弱点か……わからないな」 照「菫にクセとかあったかな……」ウーン 京太郎「さてと、二回戦の映像と牌譜は……」 京太郎「…………」ジーッ 京太郎「あれ、ここの待ちおかしくないか?」 京太郎「でもその後には和了ってる」 京太郎「まるでその人がその牌を切るのがわかっていたかのように……」 京太郎「前打ったときにもそんなことがあったな……」 京太郎「じゃあ和了る相手を狙える?」 京太郎「次は映像を見てみるか……」 ――――――――――――――――― 京太郎「あれ、今、腕と目が……もう1回」 京太郎「やっぱり少し動いてるな」 京太郎「そうか、そういうことだったのか!」 京太郎「あー目が痛いー」 京太郎「疲れたー」 京太郎「メールでもするか」 京太郎「誰に送ろう」 京太郎「姉帯さんにしよう」 京太郎「そういえば、あのジュース気づいてくれたかな」 京太郎「よし」 京太郎『ジュースおいしかったですか?』 竜華「ただいまー」 京太郎「お帰りなさい」 竜華「ふふっ、みんな明日はびっくりするで!」 京太郎「どうしてですか?」 竜華「秘密や!」 竜華「シャワー先浴びるでー」 京太郎「どうぞー」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「あ、返ってきた」 豊音『ど、どうしてそのことを知ってるのー?』 京太郎「ううむ」 京太郎「ここで「俺が置いておきました!」っていうと、なんか優しぶってる感がして嫌なんだよな……」 京太郎「どうしよう」 京太郎『エスパー須賀です』 京太郎「こうやって考えすぎてるから友達できないのかもな、送信っと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「返信早っ!」 豊音『あ、そうなんだーじゃあ今度やってみせてよ!メンタ』 豊音『リズムっていうの!』 豊音『頑張ってやってみせて!』 豊音『東京にいるときに』 豊音『ね?』 京太郎「出来ないけど……まあいっか」 京太郎『期待してくださいね、おやすみなさい』 京太郎「さて、寝るか」 竜華「あれ、シャワー浴びないん?」 京太郎「あ、そうでしたね……って竜華さん!?」 竜華「な、なんや」 竜華「今日はバスタオルやなくてバスローブやで」 京太郎「それもダメですって!」 【6日目】終 【インターハイ 7日目】 京太郎「いよいよ準決勝!」 京太郎「楽しみすぎて5時に起きてしまったぜ!」 京太郎「試合は9時からだけど、どうするかな」 京太郎「会場に行くか」 【会場前】 京太郎「開館は8時だからまだ開いてないよな」 京太郎「今7時だし、何やってんだろう」 京太郎「あれ、なんで列ができてるんだ?」 「インターハイ準決勝観覧席入場の列の最後尾はここです」 京太郎「これ、俺たちの試合を見に来た人たちの列なのか」 京太郎「なんだか滾ってきたぞ!」 京太郎「準決勝頑張るぞ!」 京太郎「俺たちの戦いはこれからだ!」 【対局室】 照(準決勝、やえと昨日の人、松実さんが相手か)ペラッ 照(気は、抜けないな)パタッ やえ「お待たせ!」 照「待ってない」 玄(宮永さんは元白糸台だったんだよね、この人と何かあったのかな?) 煌「みなさんおそろいですね、すばらです!」 煌「真打は後から登場するって!」 煌「小走さんには2回戦でボッコボコ……とまでではないほどにやられたけど」 煌「なんにせよ今日の日は負けませんよ?」 開局 親 玄 100000 照 100000 やえ 100000 煌 100000 煌(この面子相手に早速テンパイ…すばらです) 煌(ですが、ドラが無いのがすばらくないですね) 煌(阿知賀の松実さん、ですか) 煌(まあ真っ直ぐいきましょう!) 煌「ロン、5200!」 煌「すばらです!」 玄「はいぃ」 照「…………」 【照魔鏡】発動!ゴッ 玄「!」ゾクッ 玄(また……) やえ(来たか……) やえ(テンパイできなかったのが痛すぎたな) やえ(だが、私はお前を超えてみせる) 煌(変な感じがしますねぇ) 照「……」 東2局 玄 94800 親 照 100000 やえ 100000 煌 105200 全員ノーテンのため、流局 照(親なのにテンパイできないとはこれいかに……うむむ) 京太郎「照が張れてない!?」 霞「調子が悪いのかしら」 咏「でも、このままズルズルいったらまずいんじゃねーの?」 憩「せやな、小走さんは照ちゃんのこと知っとるやろうし」 郁乃「あの子はちょ~っと恐いからな~」 東3局1本場 玄 94800 照 100000 親 やえ 100000 煌 105200 やえ(まだ、アレは使わないでおこう) やえ(張ってるのは私と新道寺) やえ(リーチをする必要はない) やえ(時に手堅く、時に大胆、それが王者というものだ)トン 煌「あ、それロンです」 煌「高目なので跳満、12300ですばらです!」 やえ「なっ……!」 照(アカン、これはアカン) 東4局 玄 94800 照 100000 やえ 87700 親 煌 117500 煌(すばら!この調子でリードを作りましょう!)トン 照「ポン」 やえ(ようやくか) 玄(なんでいつもテンパイできないのぉ……) 照「ロン、1000」 南1局 親 玄 93800 照 101000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、2000」 恒子「ついに始まるのかチャンピオン宮永照の連荘!」 健夜「二回戦で見せたあの勢いはどこへ行ったのでしょうか」 恒子「そう?3連続ノーテンなんて誰でもあるけど」 健夜「宮永選手は今までそんな連続ノーテンなんてなかったんですよ」 健夜「ただでさえ打点が低いのに南場から稼ぎ始めるとなると、少し不安が生じますね」 南2局 玄 91800 親 照 103000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、5800」 玄(この前よりも点棒は残ってる) 玄(まだまだ頑張るのです!) やえ(もうちょい様子見しとくか……) 南2局1本場 玄 86000 親 照 108800 やえ 87700 煌 117500 同コンマのため、流局 照(よし、いい調子) 照(このまま……) 照「テンパイ」 やえ「ノーテン」 煌「ノーテン」 玄「ノーテン」 照(嘘だろおい) 南2局2本場 玄 85000 照 111800 親 やえ 86700 煌 116500 やえ(うぐぐ、テンパイできない) 煌(あちゃーもう勢い尽きましたかー) 煌(すばらくないですねー) 玄(やっとテンパイ、これは和了らないとね!)トン 照「ロン、1600」 南2局3本場 玄 82900 親 照 113900 やえ 86700 煌 116500 照「ロン、3800」 玄「はい……」 玄(宮永さんの親で流局して、連荘開始) 玄(また、二回戦みたいに……) 玄(いやいや!)ブンブン 玄(そうはいかないのです!) 煌(まくられましたがすばらっ!) 煌(張り合って見せますよ~) やえ(阿知賀、新道寺、三箇牧) やえ(私も、負けるわけにはいかないな) 南2局4本場 玄 79100 親 照 117600 やえ 86700 煌 116500 やえ(テンパイできず……懐かしいな) やえ(この支配、圧倒的なお前) やえ(これを東場から見せてくれていたらな) やえ(やはり、楽しい) 照「ツモ、2400オール」 南2局5本場 玄 76700 親 照 124800 やえ 84300 煌 114100 照「ツモ、3100オール」 恒子「ついに始まってしまったチャンピオン宮永の連荘第二部!」 恒子「二回戦同様他校を圧倒し続けるのか!」 恒子「そして予想を外したすこやんのしょんぼり顔!カメラさん、アップで!」 健夜「見えないよね!解説だから顔見えないよね!?」 南2局6本場 玄 73600 親 照 134100 やえ 81200 煌 111000 照「ロン、11400」 郁乃「もういつも通りの照ちゃんやな~」 エイスリン「ユダンタイテキ!」 エイスリン「ユダンハキンモツ!」 憩「キン……モツ……」 南2局7本場 玄 62200 親 照 145500 やえ 81200 煌 111000 やえ(ようやくテンパイ、それじゃあ) やえ(お見せしよう!) やえ「リーチ!」 やえ(王者の打ち筋を!) 玄(小走さんのリーチ……!) 玄(小走さんがリーチをした後、同卓者のうちの一人だけムダヅモが無くなる) 玄(手が早く進む、って赤土先生が言ってた) 玄(その一人って……) やえ(阿知賀は確か二回戦次鋒戦での収支がずば抜けていた) やえ(菫でも抑えきれるとは思うが) やえ(叩いておく!) 玄「リーチ!」 やえ(なんでいつも私が狙おうとした人から追いかけられるんだろうな……)トン 照(やえ、前から変わったんだね) 照(でもどうやら……) 玄「ロン!」 照(恵まれてはいないみたいだ) やえ「なっ……!」 玄「リーチ一発ドラ8、裏2」 玄「34100です!」フンス 照(おっぱいも……) 南3局 玄 96300 照 145500 親 やえ 47100 煌 111000 煌(数え役満とは、実にすばらです!) 煌(私もあやかりたいものですね)トン 照「ロン、1000」 煌「すばっ!」 オーラス 玄 96300 照 146500 やえ 47100 親 煌 110000 やえ(役満直撃されて反撃できず、か) やえ(菫たちに顔向けできないな……) やえ(お菓子でも買いに行くか)トン 煌(オーラス、ノーテン……ここまででしたか) 煌(捨て駒以上の働きをしましたよ!) 煌(後は後ろの人たちに任せましょう)トン 玄(点棒取られちゃったけど、そのぶん取り返したよ!) 玄(みんなで決勝まで行かないとだからね!)トン 照(おおよそ5万点、このくらいがベストなのかな、みんなのために) 照(……みんなのため) 照「ツモ、500・1000」 終局 三箇牧 148500 (+48500) 新道寺 109000 (+9000) 阿知賀 95800 (-4200) 白糸台 46700 (-53300) 恒子「先鋒戦終了ー!」 恒子「現在トップはやはりチャンピオン宮永照!」 健夜「微妙な立ち上がりでしたが、中々の収支であったと思います」 恒子「続いて新道寺の花田煌が健闘し、現在2位!」 健夜「調子が良かったのでしょう」 恒子「3位は阿知賀!大量失点をするも数え役満を和了りました!」 健夜「当てられた小走選手は打点こそ高いですが注意力不足でしたね」 恒子「そして4位は意外にも白糸台でした!」 恒子「白熱の準決勝、休憩後に次鋒戦スタートです!」 京太郎「さてと、どっか行ってくるか」 京太郎「トイレに行っておこう」タッタッ 煌「すばすばす~ばら、すばら♪」 京太郎「あ、花田さん」 煌「おやおや、須賀くんではありませんか」 煌「今の試合、どうでしたか?」ニコニコ 京太郎「あの跳満良かったですね!すご……」ピトッ 煌「すばら、です」 京太郎「すばらでした!」 煌「いやぁ、面と向かってそう言われると照れますねぇ」 煌「そういえば、須賀くんは三箇牧でしたね」 煌「ここから先は、どちらが勝っても恨みっこなしですよ」スッ 京太郎「それはこっちの台詞です」ニギッ 煌「ふふっ、それではまた会いましょうね!」 京太郎「はい!」 煌「すば~らすばすばすばらっとっすばら~♪」 京太郎「何だか元気そうだったな」 ピンポンパンポーン 「間もなく次鋒戦が始まります、各選手は対局室へ向かってください」 ピンポンパンポーン 京太郎「やばっ、急がなきゃ!」 【対局室】 宥(玄ちゃん、頑張ってたから) 宥(お姉ちゃんも頑張るよ)ギュッ 菫(こいつが阿知賀の次鋒、松実宥か) 菫「…………」ギロッ 宥「はうっ」ブルブル 美子(なしてマフラーば着けよっと?睨んどっと?) 郁乃「遅れてごめんな~」 郁乃「ほな、始めよか~」 開局 親 宥 95800 郁乃 148500 菫 46700 美子 109000 美子(二回戦ときば打ち方しとったらまたあん人に射抜かれる) 美子(花田が作ったリードば広げる、そいがウチの役目) 菫(三箇牧……一度も卓に入っていなかったが) 菫(射抜いてみるか) 菫(テンパイしたら)トン 美子「ロン、1000です」 東2局 宥 95800 親 郁乃 148500 菫 45700 美子 110000 同コンマのため、流局 菫(阿知賀と三箇牧が張ったか……) 菫(完全に出遅れたな) 美子(テンパイ無理そう) 美子(オリやな) 東2局1本場 宥 97300 (+1500) 親 郁乃 150000 (+1500) 菫 44200 (-2500) 美子 108500 (-500) 同コンマのため、流局 京太郎「また流局ですか」 照「ただいま」 エイスリン「テルオカエリー!」 咏「お疲れさまだぜぃ」 照「お菓子買ってきた」 憩「お、この蒸しケーキおいしそうやな、もらっていい?」 照「うん」 咏「じゃあ私は抹茶ケーキ」 エイスリン「イチゴ!」 京太郎「俺は焼きプリンもらうな」 照「それはダメ」 東2局2本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 151500 (+3000) 菫 42700 (-4000) 美子 107000 (-2000) やえ「ただいまー……」 淡「やえ先輩おかえりなさーい」 誠子「お疲れ様サマです!」 尭深「お茶、淹れましょうか?」 やえ「いや、帰りがけに買ってきたからいい」 やえ「菫はどんな感じだ?」 誠子「始まってからずっとテンパイしてません」 やえ「まだ東2局か」 淡「ちゃっちゃと回ってくるといいなー」 郁乃「ロン、12000の2本場は~ドゥルルルルルル」 菫「早くしろ」 郁乃「12600や~」 郁乃「も~そんな怒らんといてや~」 東2局3本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 164100 (+15600) 菫 30100 (-16600) 美子 107000 (-2000) 郁乃(配牌国士一向聴か~) 郁乃(めんどくさいから流そかな~)スチャ 手牌:一九①①⑨19東南北白發 ツモ:西 郁乃(張っちゃった~) 郁乃(中待ちやけど、まあええわ……) 菫(早く取り返さなくては)トン 郁乃(この子から和了ったら終わってまうやん~) 郁乃(見逃そかな……あ、中ってたしか~) 宥(中が3枚……よし) 郁乃(流しでええか……) 東2局4本場 宥 99800 (+4000) 親 郁乃 165100 (+16600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 菫(やっと張れた……よし) 菫(標的は、三箇牧)ギュッ 郁乃(あ~これが京太郎くんの言っとったやつか~) 宥(手が動いた……) 宥(三箇牧の人……)トン 郁乃「ロン、7000やで」 宥「ははい!」 東2局5本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 172100 (+23600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 郁乃「ツモ、2500オール」 恒子「三箇牧の赤阪止まらないー!」 恒子「チャンピオン宮永にも劣らぬ勢い!果たして誰が止めるのか!」 健夜「姫松の赤阪元監督代行の妹さんですか、彼女はところどころ不思議な人物ですね」 健夜「まるで場の流れを操っているかのように立ち回るように思えます」 健夜「姉の郁乃さんと似た打ち筋ですね」 京太郎(まあ、本人ですし) 霞(しょうがないわよね……) 東2局6本場 宥 90300 (-5500) 親 郁乃 179600 (+31100) 菫 24600 (-22100) 美子 105500 (-3500) 同コンマのため、流局 東2局7本場 宥 91300 (-4500) 親 郁乃 180600 (+32100) 菫 21600 (-22100) 美子 106500 (-2500) 同コンマのため、流局 淡「また流局なのー?」 誠子「まあそういうときもあるだろ」 やえ「菫……」 尭深(このくらい長引いたら楽そうだな……)ズズッ 東2局8本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 182100 (+33600) 菫 20100 (-23600) 美子 105000 (-4000) 郁乃「ロン、8200や~」 菫「……くっ」グスッ 菫(なぜ、射抜けないんだ) 郁乃(段々可哀そうになってきたな~) 郁乃(トバれても困るし~う~ん……) 東2局9本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 190300 (+41800) 菫 11900 (-31800) 美子 105000 (-4000) 菫(ツモ……射抜けなかったが、これでいい) 菫(これで、精一杯だ)ギリッ 菫「ツモ、2200・3500」 菫(すまない、みんな) 東3局 宥 90600 (-5200) 郁乃 186800 (+38300) 親 菫 19800 (-23900) 美子 102800 (-6200) 菫(今度こそ)ギシッ 郁乃(弘世ちゃん戻っちゃったみたいやな~) 郁乃(さて、と) 郁乃「ツモ、2000・4000」 東4局 宥 88600 (-7200) 郁乃 194800 (+46300) 菫 15800 (-27900) 親 美子 100800 (-8200) 郁乃「ツモ~1600・3200やで~」 宥(この人……ずっと笑ってるけど) 宥(あったかくない) 菫(まだだ、まだいけるだろ私!) 美子(なんやこの邪魔されとるような感覚) 美子(準決勝、やっぱり厳しか) 南1局 親 宥 87000 (-8800) 郁乃 201200 (+52700) 菫 14200 (-29500) 美子 97600 (-11400) 菫(張った……) 菫(射抜くなら三箇牧、と思っていたが) 菫(作戦変更、新道寺と阿知賀を平らにして尭深たちに回す) 菫(だからまずは……)ギシッ 菫(新道寺) 美子(狙われとっとですか……) 美子(少し、遠回りを)トン 菫(よし!) 菫「ロン、6400」 美子「……はい」 美子(ダメですか……) 南2局 宥 87000 (-8800) 親 郁乃 201200 (+52700) 菫 20600 (-23100) 美子 91200 (-17800) 菫(張れた!) 菫(一気にいくぞ!) 菫「ツモ!6000・12000!」 菫(失点は取り返した) 菫(できるじゃないか私!) 菫(勝てる……勝てるんだ!) 南3局 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 親 菫 44600 (+900) 美子 85200 (-11800) 菫(張れた……) 菫(次に狙うは……阿知賀!)ギシッ 美子(阿知賀の人が狙われた、こん隙を撃つ!) 菫(……)トン 美子「ロン、8000」 菫「なにっ!?」 オーラス 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 菫 36600 (-7100) 親 美子 93200 (-3800) 菫(配牌よし、ツモよし) 菫(万全、次は三箇牧を……)ギシッ 郁乃(ちょいと気ぃ回しすぎたかな~?) 郁乃(まあ、これで全部チャラや~) 郁乃「ツモ~6000・12000」 郁乃「これにて終了~」 次鋒戦終了 三箇牧 213200 (+64700) 新道寺 81200 (-27800) 阿知賀 75000 (-20800) 白糸台 30600 (-16100) 恒子「準決勝次鋒戦やっと終了ー!」 恒子「序盤、三箇牧の赤阪郁代が宮永の作ったリードをさらに広げるも、白糸台の弘世菫が反撃!」 恒子「収支をなんとか+にするも新道寺の安河内美子に直撃され再び-に!」 恒子「そして赤阪が三倍満をツモりオーラスを制しました!」 恒子「まさに二極の魔王!白糸台は反撃することができるのか!?」 京太郎「これまた長かったですね……」 照「流局多い」 咏「さーてと、次はまたあのガキとかぃ」 エイスリン「アタラシサン!」 咏「そそ、あの生意気なやつな」 憩(咏ちゃんの方が子供っぽいんやけどな……) 咏「じゃ、行ってくるねぃ~」 憩「行ってらっしゃ~い」 京太郎「じゃあ俺も少し出てきます」 「中堅戦開始ー!」 京太郎「あっ、速く帰らないと!」 ドシーン! 菫「いっ……」 京太郎「すみません、立てますか?」 菫「お構いなく、大丈夫で……す」 京太郎「弘世……さん?」 菫「三箇牧の次鋒にはやられたよ」 菫「不甲斐ないよな、私」 京太郎「でも、中盤の追い上げは凄かったじゃないですか!」 菫「その前に私は飛ばされていたんだぞ!」 菫「飛ばされるはずだったんだ、控室からも見ていただろう」 菫「国士見逃し」 京太郎「……気づいていたんですか」 菫「開いたときはチャンタになっていたがな、誰でも気づくさ」 菫「私は生かされていたんだ、白糸台の部長ともあろう私が」 菫「部員たちに……っ、淡や亦野や尭深にっ、やえに会わせる顔が無い……っ」グスッ 京太郎「……今は、誰も見てないですから」ナデナデ 菫「うっ……うぐっ……」ポロポロ ――――――――――――― 憧「一昨日の2回戦ではどうも」ジッ 咏「覚えててくれたみたいで何よりだねぃ~」ジッ 尭深(三尋木さんの和服可愛いな……) 尭深(私も今度は着て来ようかな)ズズッ 開局 親 仁美 81200 尭深 30600 憧 75000 咏 213200 同コンマのため、流局 淡「スミレ先輩戻ってこないですねー」 やえ「あいつは気負いすぎるところがあるからな」 誠子「迎えに行ってきます!」 やえ「いや、一人にしておけ」 誠子「はい……」 東1局一本場 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 76000 咏 214200 憧(早速一本場しちゃったか~) 憧(さっさと流さないと) 憧「ポン!」 憧(後がつっかえる) 憧(それにこのちっこいのも抑えてないと……) 憧「ロン!1300!」 憧(疲れるわ、これ) 東2局 仁美 82200 親 尭深 27600 憧 77300 咏 212900 憧「ロン!5200!」 咏「うげっ」 憧(できれば新道寺も削っておきたいけど) 咏「良いことないねぃ~」 憧(このチビから削るのがベスト!) 東3局 仁美 82200 尭深 27600 親 憧 82500 咏 207700 憧(ノーテンで流局直行!) 憧(これで最後!)トン 咏「ロン、12000」 咏「ダメだぜぃ~ちゃんと注意しなきゃ」 憧(むかつくな~こいつ)イライラ 尭深(続かない……) 東4局 仁美 82200 尭深 27600 憧 70500 親 咏 219700 憧「ロン!1000!」 咏「またかよぉ……」 憧「鳴いてるんだからもっと注意しなきゃダメじゃない」 咏「むっかー!お前後で覚えとけよな!」 仁美(和了れん……なんもかんも政治が悪い……) 南1局 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 71500 咏 218700 憧「ツモ!3000・6000!」 仁美「おーやりますなー」 尭深(それ捲られて言う台詞?)ズズッ 憩「咏ちゃん全然和了っとらんね」 エイスリン「ヘイコウセン」 照「このまま何も無ければいいけど……」 郁乃「あれ?照ちゃん尭深ちゃんのこと知らんの~?」 照「打ったことは無い」 郁乃「おもろい子やから見といてみ~」 南2局 仁美 76200 親 尭深 24600 憧 83500 咏 215700 同コンマのため、流局 尭深「テンパイ」 憧「テンパイ」 咏「テンパイ」 仁美「ノーテン」 憧(また流局?) 菫「尭深は順調か?」 やえ「ああ、お帰り」 誠子「振り込むことなく仕込んで行ってます」 菫「そうか、順調か」 淡「このまま行けばいいですねー」 菫「そうだな、そうなってくれれば幸いだ」 南2局一本場 仁美 73200 親 尭深 25600 憧 84500 咏 216700 咏「ツモ!4100・8100!」 尭深「……はい」 尭深(あと、少し) 憧(また大きいのを!) 憧(でもオーラスで渋谷尭深が役満ツモれば今のはチャラになるのよね……) 憧(こうなったら和了りにいく!) 【対策 尭深】の効果が切れました 南3局 仁美 69100 尭深 17500 親 憧 80400 咏 233000 憧「ツモ、3200オール!」 憧(このままこのまま!) 咏(こいつぅ……) 穏乃「憧、すっごいなぁ」 晴絵「あ~あ、吹っ切れちゃったか」 灼「また飛ばしちゃうかも……」 晴絵「多分大丈夫でしょ、どっかで止まるさ」 南3局一本場 仁美 65900 尭深 14300 親 憧 90000 咏 229800 憧(うわっ、三倍満ツモっちゃった~) 憧(このままだと渋谷尭深が危ないし、シズたちにも回したい) 憧(よし、流そ) 憧(もったいないんだけどなぁ……) オーラス二本場 仁美 64900 尭深 13300 憧 89000 親 咏 232800 憧(ついに来た、オーラス……!) 咏(とっととあの一年から和了ってヤメるかねぃ) 仁美(テンパイ……ここは攻めに行くけん!) 尭深「……」ズズッ 憧(って、他の2人緊張感無さすぎ!) 憧(渋谷尭深のこれまでの一巡目の捨て牌は……) 憧(西白白中發中白發西一……大三元どころか字一色!?) 憧(やっぱりオリよね……) 咏(全然こねぇな……)トン 尭深「ロン、32600」 咏「うげっ」 咏「オーラスで振り込むとかマジかよ」 咏「はいよ」 咏「え!?役満!?」 尭深「は、はい」 咏「マジっすか……」 恒子「中堅戦終了ー!」 中堅戦終了 三箇牧 200200 (-13000) 阿知賀 89000 (+14000) 新道寺 64900 (-16300) 白糸台 45900 (+15300) 恒子「中堅戦決着!」 恒子「大きい和了りをするも振り込み続け失点した三箇牧は依然として1位!」 恒子「阿知賀は三箇牧から点を奪い続け2位浮上!」 恒子「そして新道寺は3位に転落」 恒子「白糸台はオーラスに役満を1位の三箇牧から和了り、巻き返しを図ります!」 憩「久しぶりのインターハイ!初めての団体戦!」 憩「行ってくるわ!」 エイスリン「イッテラッシャイ!」フリフリ 京太郎「頑張ってくださいね!」 憩「任しとき!」タッタッ 郁乃「でも咏ちゃんが削られるとはな~」 京太郎「点棒はいくらでもあるし、まだ大丈夫でしょう」 郁乃「せやな~」 京太郎「あ、俺少し出かけてきます」
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6月■日 今日から団体戦が始まった 団体戦のメンバーは六女仙で固めるということで、1年生の春まで入っていた 試合前、1年で大会とか大丈夫か聞いたが「……いつもみたいに頑張る」と言っていた いつも通りはいいんだが、いつも通りすぎて黒糖まで持ってくな そう言うとしばし俺を見た後、いきなり口に黒糖突っ込んできた 慌てる俺を見て、春は微笑みながら試合会場へと行った 試合は主に小蒔さんと初美さんの活躍で明日の試合へと勝ちぬいた 練習でも何度か見てるが、やっぱりすげぇ でも、今更だが思う 流石に巫女服は目立つ 探しやすいからいいけど、アレが正装なのか? まぁいいや、明日も応援しよう 春「黒糖の美味しさを知るといい」 巴「いや、もう充分に知ってると思うけど」 初美「大会ですかー。この時は姫様も大暴れでしたよねー」 小蒔「そんな……ただ、全力で当たってくる方々に、礼儀として全力以上で当たっただけです」 霞「おかげで県予選では楽だけど出番がないようだったわ」 巴(巫女服に関してはいいのかな……いや私も普段から着てるしあんまり言えないけど) 小蒔「?」キョトン 6月◎日 団体戦、優勝おめでとう!! 凄かったな、特に最後に初美さんが相手飛ばした辺りとか うん、ちょっと対戦校が可哀想な気もした。主に副将と出番無く終わった大将 これで永水は全国出場決定らしい とりあえずおめでとうと言いに行ったら初美先輩に会った 初美先輩はドヤ顔しながら「どうですかー?勝ちましたよー?」と言ってきた なんか微笑ましかったので頭を撫でるとしばらくそのまま撫でられていた でも、後から来た霞さんの「褒められてるの?」という言葉から子供扱いされてるように感じたらしく、怒られた ぶっちゃけ年下撫でてるような感覚だったけど、すごかったとは思う 来週は個人戦、俺もやってやるぜ!! 霞「あら、やっぱり年下感覚だったのね」 初美「京太郎め……私の方が年上ですよー」 春「……じゃあ撫でられたくない?」 初美「え!?そ……それは……」 巴「ハッちゃん、素直にうれしいって言えばいいのに」 小蒔「ですね。なんでしたら私が撫でましょうか?」 初美「い、いいですよー!」 6月☆日 授業が終わって部活までの時間、咲から電話があった 話を聞くと、咲の清澄高校も全国出場を決めたらしい 長野は名門の風越とか、去年相当暴れたらしい龍門渕とかいると聞いていたから、正直無理だと思っていた こっちも全国出場を決めて、来週の個人戦のことについて話した 前電話した時から少し時間が空いたのもあって、歩きながら長電話をしていると、足元を見ていなかったせいか、盛大に転んだ 俺1人転んだならまだいいが、たまたま前にいた春まで巻き込んでしまった 電話しながらだったので体勢を立て直すこともできず、春の胸に顔を突っ込んで押し倒すような形になってしまった 春も結構あるから柔らかかった……いやそうじゃなくて 倒れた後、電話中だったのもあり「悪い、咲」と言ってしまった 春はそれが気に入らなかったのか、相当怒った 黒糖を散らばらせたこと、転んで人を巻き込んで置いて謝ったのが他人だったこと、いつものような無表情だったがかなり怖かった 今度黒糖で何かお菓子を作ることで許してもらった 咲には後で掛け直し、事情を説明したが、なんか不機嫌になっていた 俺が悪いんだろうが……春も咲もやけに怒ったりしてたな なんか他に余計なことやったか? 春「胸に突っ込んだのに、他の女の名前とかは流石に無い」 初美「それは流石に無いですねー」 霞「確か、清澄の宮永さんはそこまで胸無かったしね」 巴「2人とも嫉妬ですね」 小蒔「わ、悪気は無いと思いますよ?」 春「……でも、駄目」 6月★日 個人戦初日、予選突破だぁぁぁ!! いやー、すっげービビった 相手明らかに俺より上手い人も居たけど、なんか今日は運が良かった アレかな、試合前に小蒔さんが来てくれたからかな わざわざ自分の試合もあるのに1人でこっちまで来てくれて、嬉しかった 周りの野郎共から嫉妬の視線を感じたが、小蒔さんの応援には変えられん 今思えば勝利の女神だったのかね 明日はそうとう厳しくなるだろうけど、やるだけやってやるぜ!! 霞「途中でどこかに行ったと思ったら……」 小蒔「き、気になってしまって……」 巴「気持ちは分かりますけど、ぜめて誰かと行ってくださいよ?」 初美「それにしても、勝利の女神ですかー」 春「……似合ってるし、それっぽい」 小蒔「そ、そんなことないですよー」 巴「本当に拝んだらご利益ありそうですよね?」ヒソヒソ 霞「むしろ本当に何かもらったんじゃないかしら?神通力とかを無意識に渡したとか」ヒソヒソ 巴「か、考えすぎですよー」ヒソヒソ 6月▲日 大会2日目、いいとこまで行ったんだが、負けた 試合前にフラッときた春から黒糖を貰って、結構リラックスはできていた いきなり人気のないとこに引っ張られて黒糖1袋を渡された時は何かと思ったが、春なりの応援だったんだろうな 「頑張って」しか言わなかったけど、充分伝わった そのおかげか、午前中はなんとか勝ち抜けた けど、ある程度勝ち上がると周りのレベルも上がってくる 俺はそのレベルまでいってなかったのだろう、当然のように負けた 俺に勝った奴は、その後決勝まで進んでいたし、いいとこまで行ったと自分でも思う けど、悔しい 1年で最初の大会だとか、相手が強かったとか色々あるが、負けは負けだ 悔しいなぁ、畜生 次だ、次の大会でやってやる まだまだ先の話だけど、今からでも練習して、もっともっと上手くなってやる!! 春「京太郎……」 巴「何も言わなかったけど、やっぱり悔しかったんですね」 霞「男の子だし、あんまりみんなの前で言いたくなかったんでしょうね」 小蒔「京太郎くん……今は、この時よりずっと上手くなってますよ」 初美「ですね。この時の経験は充分活かされてますよー」 7月×日 今日から麻雀部は合宿だ 俺は留守番、まぁ女子の中に野郎1人、当然だろう 春が大量の黒糖を持っていこうとしたのは一応止めておいた。どうせまだ隠し持ってるだろうし 留守番だが1人でネト麻くらいはできる。何より少しでも上達しておきたい ネト麻で、しばらく暇があるらしいハギヨシさんも付き合ってくれるということで、今日はずっとネト麻していた ネト麻だが、長くやっていると自然と仲良くなれるもんだ 今日だけで2人と仲良くなり、連絡先を交換した 1人目はハンドルネーム、膝枕さん かなり上手い人だった。なぜこんなハンドルネームなのかと聞くと、一緒に始めた友達が勝手に決めたとか どんな友達だ 2人目はハンドルネーム、王者さん この人も相当上手かった。なんでももっとうまくなってリベンジしたい相手がいるらしい たまに変則的な状況になっても、わりとすぐに対応していたのが印象に残った この日記を書き終わったら2人にメールしてみよう みんなどうしてるだろうか。とりあえず春の黒糖が1日で尽きないことを祈る 春「もっと持っていけばよかった……」 霞「流石に大きいバック一杯の黒糖は駄目」 巴「予備っぽい小さいバックに着替え諸々でしたからね」 小蒔「でも京太郎くんが合宿に来れなかったのは残念でしたね」 初美「私達だけならともかく、麻雀部全員でしたからねー。顧問の先生もいましたしー」 巴「みんな連れていっていいんじゃない?って話だったよね。雑用とか全部やってくれそうって」 霞「さすがに悪いと思うけど……全員分の周りのこと全部やりそうではあるわね」 春「結局顧問とかが駄目ってことだった……でも反対する人はいなかった」 小蒔「すごいですよね。京太郎くんの人望」 初美「ですねー」 竜華「うーん……やっぱこの名前変やな……変えよかなぁ……」 怜「アカンでー。それがベストや」 竜華「えー……もっと別のがええよー」 怜「せっかくウチのソムリエとセットやからええやん」 やえ「むー……こののどっちって奴強いわね……」 初瀬「小走先輩お疲れ様です……ってのどっち!?ネト麻の伝説みたいなのと対戦してるんですか!?」 やえ「んー?そんなすごい相手?まぁいいわ。もっともっとうまくなって、どこかで阿知賀にリベンジしてやるんだから!!」 初瀬「……やっぱりこの人すごい」 7月○日 今日もネト麻 また2人と仲良くなれた 1人目はハンドルネーム打倒はやりんさん 名前のインパクトも結構あるが、アバターもかなり可愛らしくて目立っていた 麻雀も結構上手かった。何より楽しそうにやっている感じがしていて良かった 2人目はハンドルネーム風さん 相当上手い人だった。1回も勝てなかった チャットの途中で日本語じゃない言葉を間違えて打っていたが、何語だったんだ? 多分だが英語じゃなかった 連絡先も交換したし、後でメールしよう それと、今日は合宿中の初美さんからメールが来た みんなの写メ付きだった 黒糖が切れて落ち込んでいる春と、うとうとしている小蒔さん、眼鏡を外して髪も降ろしている巴さん、 そして不意打ちで撮ったであろう、着物が肌蹴て色々な部分がギリギリ見えそうで見えない霞さん 最高でした、ありがとう初美さん お礼と言って俺の写メを半分冗談で送った 風呂上りで少しだらしない恰好をしてたが、まぁすぐに消すだろう 霞「全く、急に撮るんだからびっくりしたわ」 小蒔「恥ずかしいです……言ってくれればもっとちゃんとした写真にしたんですが」 春「あの時は黒糖が無くて大変だった」 巴「あの量を食べちゃうのがどうかと思うけど……というかハッちゃん、この京太郎くんの写メはなに?」 初美「え!?あ、ああー……もう消しましたねー……」 春「携帯確保」 初美「ちょっ!?はるる!?」 霞「どれどれ……よし、これみんなに送って初美ちゃんのは消しましょう」 巴「黙ってた罰ですね」 小蒔「わ、私にも見せてください!」 初美「うわーん!送ります!送りますから消すのだけはー!!」 由暉子「またアバター変えました?」 爽「分かるー?いやー、ちょっとこう、衣装の方向性をね」 由暉子「別にまかせましたしいいですけど、これも可愛いですね」 揺杏「よっしゃ、じゃあこのアバターと同じ衣装作るかー!」 明華「ネト麻だと風が吹きませんねー」 智葉「この寒いのに風なんか起こすな」 ハオ「それでも充分勝ってるじゃないですか。私の次に」 明華「面白い冗談ですね。ちょうどいいです、打ちましょうか。私が勝ったらイクラで」 ハオ「日本のお正月らしく数の子じゃなくていいんですか?」 明華「両方で」 智葉「おい部活で高いものの賭けはやめろ」 7月△日 今日みんなが帰ってきた とりあえず黒糖が切れている春に黒糖を差し出すと喜びのあまり抱き着いてきたのは驚いた おもちがグッド。でも霞さんに怒られた。至近距離で揺れるおもちもまたすばら それからお土産をもらった。留守番だったかららしい まず、まるぼうろ。普通に美味いよな そして……執事服?と浴衣か?どうも合宿先近くの商店街で福引したら当たったらしい サイズも入りそうだし……期待した目でこっち見てる人が多かったけど着ないぞ 小蒔さんから渡されたからつい受け取ったけど。ああいう時小蒔さんを使うのは卑怯だろ みんなが帰ってくるのが遅かったのもあり、今日もネト麻で2人と仲良くなれた 1人目はハンドルネーム、お菓子大好きさん ここ最近で一番上手い人だった。なんでもネト麻は最近始めたらしく、所々で慣れてないからかミスがあった お菓子が無くなったとか言ってログアウトしていったが、春の黒糖と近いものを感じた 2人目はハンドルネーム、リザベさん この人も相当上手かった。ネト麻じゃなくリアルはもっと上手いと言っていた リアルでどれくらいなのか少し気になった まるぼうろ食ったら、メールしてみよう 春「京太郎が衣装受け取ってくれてよかった」 巴「福引の『2等、衣装詰め合わせ』当てた時は驚いたけどね」 小蒔「似合そうでしたけど、京太郎くんは不満だったんでしょうか?」 初美「そんなことないですよー。実際似合ってたじゃないですかー」 霞「そうね。あそこまで似合うとは思わなかったわ」 照「……お菓子が足りない」 菫「お前あんだけ持ってきておいてもう食ったのか」 照「私にとってあれくらい朝飯前」ドヤァ 菫「ドヤ顔するとこじゃないからな?」 姫子「んっ……リアルでリザベやってネト麻で……無理ですねー」 哩「さすがにネト麻はなー」 姫子「さすがに部長との絆もネットの壁は無理ですか……」 哩「姫子、絆は嬉しかけどネット超える必要なかぞ?」 7月□日 この前春の胸に顔を突っ込んだ件で、黒糖のお菓子を作ることになってた 実際やってみると結構楽しくてつい色々作りたくなってしまった 黒糖ケーキ、黒糖アイス、黒糖プリン、黒糖ドーナツ、色々レシピもあったので春も呼んで作った 途中でつまみ食いしようとする春を牽制しつつ作るのは少し手間だったが 完成すると、春は喜んで食べてくれた どれも黒糖好きの春が認めるほどだったらしい とりあえず明日プリンでも持ってってみるか 今度は黒蜜にも挑戦してみよう 春「どれも絶品だった」 巴「つまみ食いはよくないからね」 霞「学校に持ってきて、みんな喜んだり落ち込んだりだったわね」 初美「私の知り合い、趣味特技、料理お菓子作りって書くのやめたのが1人いましたよー」 小蒔「確かに私より美味しいのは少し複雑ですけど、もっと美味しいものを作りたいです!」 7月●日 みんなで海に行った こっちは長野より暑いから結構早くから行けるらしい 海、そう海だ。つまり……水着だ ええ……最高でした。俺は、今日という日を忘れない 豊満なおもちを持ちながら、普段ガードが堅い小蒔さん、霞さん、春 その3人の水着姿……惜しげもなく見せつけられるおもち……素晴らしい 元々相当な大きさだと思っていたが、予想を遥かに超えて大きかった 他に人が少ないこともあり、無防備に揺れるおもちでうっかり鼻血を出すところだった 巴さんは、意外と結構露出が多いタイプだった 太ももと首筋の良さも再認識できたね 初美さん……スク水じゃないのか。悪くないけど一番似合うのはスク水だろうに 一緒に中学生の2人も来ていたけど、明星ちゃんは将来性抜群だった 湧ちゃんもなかなか可愛らしくて良かった いやぁいい一日だった 途中で他の人がいないことにリラックスしすぎた小蒔さんがポロリしたり、 霞さんに頼まれてオイルを塗ったり、初美さんと競争してたり おもちとか以外でも、かなり楽しくていい一日だった また来たいもんだ 小蒔「も、もう!忘れて下さいって言ったのに!!」 霞「小蒔ちゃん、それは無理よ」 初美「京太郎、がっつり見てましたしね」 小蒔「うぅ……恥ずかしいです」 春「大丈夫、京太郎は悪く思ってない」 巴「書き方はアレだけど、基本褒められてるしね……胸は仕方ないけど」 初美「ですねー……ちくしょー……」 7月◇日 最近、春はよく俺の家に来るようになった お袋とも仲良くやっているようだ それはいい。ウチに来ることも。ただ、そのせいでトラブルが起きた こっちは長野に比べて暑い なので最近は学校から帰って部屋に入るとすぐパンツ一丁だ。しばらくしたら着替えはするけど 今日もすぐに服を脱いで一息ついて、お茶でも取りに行こうと部屋のドアを開けると、廊下に春が立っていた 今まさにノックするといった感じだった春。至近距離で思いっきりパンツ一丁の俺 一瞬固まった後、すぐにドアを閉めた。うん、さすがに野郎のパンツ一丁なんて同級生の女の子に見せるもんじゃない その後春は何も言わずに帰ってしまった やらかしたと思い、すぐに着替えて春の家まで行った 春は呼んだら一応出てくれたが、すぐに顔を真っ赤にして引っ込んでしまった やっぱみっともないもの見せたせいか…… なんとか俺の家に来た用事、授業についてのことだったが、それを済ませた 春は結局引っ込んでから顔を出してくれなかった 明日、大丈夫だろうか 春「…………」 初美「はるる?顔真っ赤ですよー?」 霞「あら、何か見ちゃったの?」 春「……身体」 巴「身体?」 春「……海に行った時も思ったけど、京太郎結構いい身体してる」 霞「まぁ……そうね」 小蒔「それなりに鍛えてる、って言ってましたね」 春「……汗をかいて、無防備な感じの身体を至近距離で見たら……すっごく、ドキッとした」 初美「あー、だから顔を合わせられなかったんですねー?」 春「……正直、今も不意打ちで見たら、ドキドキする」 巴「こ、こっちまでドキドキする言い方しないでよ」 7月▽日 昨日のこともあってか、春がしばらく顔を合わせてくれなかった 学校でも、部活が終わっても駄目だった 帰り道も返事はするけどこっちを向こうとしない どうしたもんかと考えていると、塀の上に猫がいた こっちに気付いているのか、やけに可愛らしい仕草だった ちょっと近づくと、人懐っこいのか俺に向かってダイブしてきた 反射的に受け取ると、猫は俺の腕の中で寛ぐ始めた いきなりなんでそんな寛げるんだ 呆れたように猫を見ていると、春がこっちを見ていた どうやら猫に触りたいようなので、そっと猫を渡してやった おっかなびっくり春は猫を抱いて、撫ででいた 猫は気持ちいいのかニャー、と呑気に鳴いていた それが何かおかしくて、春と顔を合わせて笑った それからしばらくは猫を撫でたりしてまったりした 春は自然と俺の方を向いてくれるようになっていた 良かった 小蒔「猫ちゃん可愛いですよね。どこの猫ちゃんだったんでしょうね」 春「分からないけど、多分野良だった」 初美「サラッと京太郎の顔も見れるようになってるじゃないですかー」 巴「猫の力かな?」 霞「猫なら仕方ないわね」 7月■日 部活終了後、巴さんがやけに疲れた様子だったので声を掛けると、最近お祭りの準備もやっているらしい 詳しくは分からないけど、やっぱり神職の家ということで色々忙しいらしい 疲れて肩が凝ると言っていたので、肩もみをするか聞くと、喜んでくれた 長野に居た頃、ハギヨシさんに教わってテクニックを久しぶりに駆使してみた 肩もみ終了後、巴さんは机に突っ伏していた 途中何度か声を上げていたが、それくらい凝っていたんだろう 教わった通り、途中で止めずに一気にやった 巴さんは、肩は軽くなったけど次は他の人が居ないところがいい、と言っていた 声を上げるのは恥ずかしかったかな。なんか色っぽい声だったし 全身マッサージもできると言ったら今は止めておくと言われた とりあえず疲れた時いつでもやると言っておいた 初美「あー、肩もみですかー。京太郎に止めてって言っても止めてもらえなかったやつですねー」 巴「アレ、確かに効くけど……恥ずかしいし、止めてくれないしで……」 春「すごい声出てた」 巴「だからよ!」 霞「私も肩凝るし……またやってもらおうかしら」 小蒔「良いですね……私も……」 春「分かる分かる」 初美「なんですか、嫌味ですかー?」 巴「……やめとこうハッちゃん。悲しくなるだけよ」 7月16日 今日は霞さんの誕生日だった 少し前に小蒔さんが教えてくれたので、今回はプレゼントを用意する時間があった プレゼントは出かけた時に見つけた、髪を結ぶためのリボンにした 部活が終わってから、小蒔さん、初美さん、巴さん、春も残って、簡単なお祝いをしていたので、その時に渡した 霞さんは俺がプレゼントを渡したことに驚いてくれたが、すぐに笑顔でありがとうと言ってくれた プレゼントのリボンも気に入ってくれたようで良かった その場で付けて見せてくれて、似合っていると言うと嬉しそうにしていた 喜んでもらえて良かった 霞「不意打ちで京太郎くんもくれるんだから、驚いたわ」 春「京太郎のことはサプライズ」 小蒔「霞ちゃんが喜ぶと思ったんですけど、大成功でしたね」 初美「ですねー。実際に全国でそのリボンつけてましたよねー?」 巴「最近もたまに見ますけど、よく付けてるんですか?」 霞「そうね……大事な時とかに付けてるわ」 7月◎日 ちょっとした用事で小蒔さんの家の神社まで行った 小蒔さん、霞さん、初美さん、巴さん、春の5人で儀式?いや、神事というべきか?まぁなんかやってた しばらく時間がかかるらしく、横の方で待ってた そのまま眺めていたら、不意に意識が飛んだ そこからはなんかぼんやりとしか覚えてない なんか女の人に誘われたりとか、色々作ったりとか、 すげー切れてる女の人に追っかけられて全力で逃げたりとか、そういう夢を見た気がする 気が付くと、心配そうな顔のみんながいた 俺が目を覚ますとホッとしたような顔をして、今日は早く休むようにと言ってくれた なんだったんだろう? 初美「姫様に降りてくる神様の調整してただけですけどねー」 霞「まさか京太郎くんが当てられて神様降ろしちゃうなんてね」 春「しかも伊邪那岐……」 巴「うっかりで降りてくるものじゃないですよね」 小蒔「伊邪那岐様は間違えたとか言ってましたけど……京太郎くん、降ろしやすかったりするんでしょうか?」 霞「ちょっと分からないわねぇ……こっちの血だってほとんど入ってないようなものだし」 春「……才能?」 巴「神様降ろすのが?」 初美「こういうことでも起きない限り分からないような才能ですかー?」 小蒔「……とにかく、京太郎くんが無事なら私はいいです」 霞「そうね、姫様の言う通りだわ」 7月☆日 今日1学期が終わった。明日から夏休みだ しばらくは部活で、8月は応援かな 男友達と予定を話したりしたが、大体が部活だったりバイトだったりだ 麻雀部のインハイの話をすると、みんなから写真を頼まれた 小蒔さんの写真とか、霞さんの水着写真とか、巴さんの首筋写真とか、春の笑顔の写真とか、初美さんのきわどい写真とか 最後の奴は無理だろ。色々な意味で しかしほぼ全員が頼んできた。俺がインハイ会場に行けるとも言ってないのに、何を考えてるんだか 女子の大会に野郎1人で行けというのかね それと、今度夏祭りがあるらしい なんでも小蒔さん達も色々やるとか どういう繋がりか、親父の知り合いが出店をやっているらしい 手伝いが欲しいということで、当日バイトが決まった まぁ、祭りを回る時間はくれるらしいし、いいとしよう それにしても、もう夏か こっちに来て、あっという間だったな 今までと違う夏になるか、少し楽しみだ 小蒔「写真……そういえば、カメラ持ってましたね」 巴「やけに撮ってると思ったけど……こういうことだったのね」 初美「また私が……」 春「……そういえば、結局京太郎は部で連れて行った」 霞「当然よね。言い方は悪いけど、東京での雑用やらお世話やら、部員みんな満場一致で京太郎くん1人に任せられるって結論だったし」 初美「男子1人、ってどうだってのもありましたけど、結局京太郎が居たおかげですっごく大会中楽でしたしねー」 巴「細かい手続きとかも、全部だもんね。本当にすごいよね」 春「……執事みたいだった」 小蒔「そ、それは言い過ぎじゃないんですか?」 初美「……あの時の京太郎に執事服着せればよかったですねー」 7月★日 今日は夏祭りだった 昼間から出店は並んでいたり、浴衣の女の子は歩いていたりと結構盛り上がっていた 俺は昼から親父の知り合いというおっちゃんの下、焼きそばとお好み焼き、両方やる出店で手伝いだった 夏の暑さもあって、滅茶苦茶暑かったが、出店で作る側というのは少し新鮮だった 料理自体はそこそこできるので、最初にある程度教わった後は結構スムーズにやれた 結構知り合いも冷やかしに来て、それなりに忙しかった おっちゃんはかなり助かったと言ってくれて、早めに、そして予定より長い時間休憩をくれた 休憩中、少し辺りを回った後、小蒔さん達がいるという神社に行った 丁度小蒔さんとこの親父さんが何かやっていたところだった しばらくすると、巫女服の小蒔さんが出てきた 後ろに続くように霞さん達、知らない顔もいたが、出てきた 全員が出そろったと思った時、小蒔さんが舞を舞った 何か伝統的なものだろう。舞う小蒔さんは凛とした表情で、神秘的な感じだった 詳しくは分からないが、小蒔さんが中心なんだろう、それに続くように霞さん達もまた舞を舞った それは、小蒔さんが姫様と呼ばれているのが、なんとなく分かるような感じだった 今なら分かる。あの時の俺は、見惚れていたんだ 小蒔さん達、あの時舞っていたみんなに 舞が終わると、小蒔さんはいつものような笑顔を見せていた それから俺に気付いたのか、手を振ってくれたのでこっちも降り返した その辺りで時間になったので出店に戻ったが、しばらくしてすぐにみんなが来た おっちゃんの許可をもらい、全員に焼きそばとお好み焼きをサービスした みんな遠慮していたが、舞を見せてもらったし、今から一緒に祭りを回れないので強引に受け取ってもらった 一緒に祭りを回れないのは残念だったが、8月にもまた祭りがあるらしいので、その時は一緒に回ろうと約束した それからは出店でひたすら焼きそばとお好み焼きを作り続けた おっちゃんは普段より儲かったと、予定より多めにバイト代をくれた いい臨時収入だった。今度何か思い切って使ってみるか 小蒔「み、見惚れていたなんて……そんな、それほどのものではないのに……」 春「でも姫様すごかった」 初美「ですねー。例年よりも舞が良かったって言う人が多かったらしいですよー」 霞「そういえば……京太郎君が見てるかもしれない、って言ったら普段よりやる気だったわね」 巴「いつもと見てる人が違うと、変わるんですねー」 小蒔「うぅ……だって、みっともないところ見せられませんし……」 7月▲日 部活の帰り道、今日はみんなで帰っていた 途中、近所のでかい犬を飼っている人に会った 犬はきちんと躾されていて、飼い主が指示したお座りの体勢で待っていた ちょっと犬に触りたくなったので、飼い主の許可を取って撫でた が、初美さんが後ろから撫でようとしたとき、うっかり転んで犬の背中に乗るような形になってしまった 驚いた犬はそのまま初美さんを乗せて走り出してしまった 飼い主も驚いた時にリードを放してしまい、慌てて俺は初美さんと犬を追った 初美さんも振り落とされないようにしがみつき、犬もそのせいかさらに加速した しばし、犬に乗った初美さんを追う俺、という状態が続いた 数分後、商店街の人がなんとか押さえてくれて、初美さんは解放された。ちょっと泣いてた 犬も落ち着き、飼い主の下へ返した 帰ってから調べたが、子供でも犬に乗ってはいけないらしい 犬は人を乗せるような骨格じゃないとか マジで気を付けよう。あのまま初美さんどっかいきそうだったし 春「アレは驚いた」 小蒔「犬って乗っちゃ駄目なんですね」 巴「ハッちゃん軽いから乗れたんだね」 初美「好きで乗ったわけじゃないですよ!結構怖かったんですから!!」 霞「それからしばらく犬に近付かなくなったわよね?」 初美「あんなのもうお断りですよー」 7月◆日 夏休みも始まったばかりだが、今日は8月に東京に行く春に付き合って、宿題を進めた インハイに宿題は持っていきたくないらしい 2人でやっているのでそれなりに進むが、俺も春も特別頭が良い方でもないので、ひっかかるところはひっかかる ちょうど英語で悩んでいた時、「ハロー、元気ですかー?」と、良子さんが来た プロって暇なのかと思ったが、どうやらインハイの解説やらなんやらで休みだったりするらしい そーいや予選の時大沼プロいたっけ 宿題をしていることを良子さんに伝えると、分かる範囲なら教えてくれるらしい 丁度英語の宿題をやっていて、海外遠征生活が長い良子さん、ベストタイミングだった 「これくらいノーウェイノーウェイ……でも、ここでこの言い方じゃ伝わりませんよー……ちょっとツッコミでも書いとこ」と、言いながら最後まで付き合ってくれた こうして、俺と春の英語の宿題は片付いた ありがとう良子さん でも、春が国語の宿題持ってきた瞬間逃げたのはどうかと思う 巴「そういえば良子さん、よく来ますね」 初美「京太郎がいるからじゃないですかー?」 春「でも助かった」 小蒔「うぅ、英語は私も苦手です……私も教わればよかったです」 霞「小蒔ちゃんはそれでも頑張って終わらせるでしょ。でも、良子さん国語大丈夫かしら……」 良子「……やっべー」 はやり「どしたの?」 良子「海外遠征が長すぎて……ぶっちゃけ漢字がいくつか読めないです」 はやり「あー……一時期本当に長かったし、仕方ないんじゃないかな?」 良子「……高校生の宿題レベルが、ちょっと分からなかったんです」 はやり「……頑張って」 7月▼日 今日商店街に買い物に行くと、初美さんが見知らぬ男の人と話していた というか、一方的に付きまとわれている感じだった ……ロリコンか?確かに初美さんは合法ロリだけど 初美さんはこっちに気付いたのか、助けを求めるような視線を向けてきた 人が多いとこだったが、仕方ない 俺はそのまま男の人と初美さんの間に割って入った 「悪いけど、この娘俺のなんだ」……もうちょっと言い方なかったかな、あの時の俺 とにかくそう言って、ジッと睨んでやった 男の人は怯み、何か言おうとしたが、これ見よがしに初美さんと手を俗にいう恋人繋ぎにした 男の人はそれを見て諦めたようで、「……負けた」と呟いてどこかへ行った 初美さんは安心したのか、そのまま抱き着いてきた うん、それ自体は嬉しいんだけど、ここ商店街で、主婦の方々がヒソヒソ話すのがちょっときつかった そのまま初美さんを家まで送って帰った 帰ったら、親父から「お前、巨乳も貧乳もいけるのか?やるな」とか言われたんで蹴った 俺は巨乳派だ!! 巴「ハッちゃんにやたら付きまとってた人が居なくなったのはこういうことだったんだね」 小蒔「京太郎くん、かっこいいですね!!」 春「そこは同意……でも、やり方が……」 霞「そういえば夏頃に金髪の変な人がいるって話があったけど……」 初美「助かりましたし、嬉しかったんですけど、合法ロリってなんですかー!!京太郎の馬鹿ー!!かっこよかったのにー!!」 8月×日 今日はみんなでプールに行った 海に行った時も思ったが、水着が最高でした ふと、思わぬ人に声を掛けられた 「アレ?京太郎くん?」「やほー、久しぶり☆」小鍛治プロと瑞原プロだった インハイの解説の仕事前に、別の仕事でこっちに来ていたらしい 2人とも当然水着だった。うん、良かった。特に瑞原プロはおもちがすばらしい。28歳だけど 一緒に来ていたみんなもプロがいることにとても驚いていた 小鍛治プロも瑞原プロも、去年の永水の活躍からこっちのみんなを知っているようだった あんまり騒いだりするのもアレなので、ということで普通に遊ぶことになったが、やけに瑞原プロに呼ばれた 一緒に遊ぼうとか、この後暇かとか、やけに聞かれたが小鍛治プロが止めたり俺が断ったりで特に何かあるって訳じゃなかったが そしてやっぱりきつい 帰り際にまたこっそり呼ばれ、たまには連絡してネト麻でもやろうと2人に言われた 忙しいと思ったからあんまり連絡とかしなかったけど、たまにはネト麻で指導してもらったり頼もうかな 初美「いましたねー。小鍛治プロと瑞原プロ」 巴「なんで京太郎くんのこと知ってるかあの時は疑問だったけど、すでに連絡先交換してたんだよね」 小蒔「京太郎くんも普通に話してましたし、そういうところは尊敬します」 春「京太郎は誰とでも仲良くなれる」 霞「でも、プロとっていうのは普通じゃないと思うけどね」 はやり「うーん……ねぇ、今度番組に素人を呼ぶって名目で京太郎くん呼ぼうか考えてるんだけど、どう思う?」 健夜「む、無理矢理すぎない?というか京太郎くんのこと気に入ってるよね」 はやり「そりゃあね……年下も、いいし?」 健夜「高校生相手は犯罪じゃないの!?」 8月○日 明日からインハイで東京に行くらしい。俺も なんでだよと色々言いたかったが、レギュラー5人に男手も欲しかったとかなんとか色々言われて、結局行くことになった その用意をしていたが、親父からの用事で小蒔さんの家に行くことになった 届け物とかなんとか、とにかく小蒔さんの家に行くと、小蒔さんの親父さん、おっちゃんが待っていてくれた 頼まれたものを渡すと、暑かっただろうから茶でも飲んでいけということで、上がらせてもらった 冷たい麦茶を出してもらい、飲みながら一息ついていると、おっちゃんが神様を降ろしたのか、と聞いてきた 俺は身に覚えがないが、小蒔さんに聞いたらしく、俺はそういうことをやったらしい といっても俺自身は何も分からないんだ、降ろしたも何もないだろう、と返した するとおっちゃんは少し考えていきなりこういった 「……小蒔の婿にならないか?」茶吹いた いきなりなにを言うのかと思うと、なんでも神様を降ろすということはめったにできることじゃなく、 小蒔さんや霞さん、初美さんもその血筋からオカルトなことができるらしい つまり、そういう血筋を絶やさないためだとか いやいやいや、俺みたいなの駄目だろう。血筋も何も、春と遠縁ってくらいだぞ おっちゃんは少しマジな顔で、血や才能以外も、割となんでもできるしな、とか言ってた 今なら婚約だけでいいぞ?とか言うおっちゃんにとりあえず何か言おうとしたとき、小蒔さんが部屋に入ってきた 話を聞いていたらしく、顔を真っ赤にして 勘違いしてるっぽかったので誤解を解こうと思ったが 「そ、その……不束者ですが……」とか聞いちゃいねぇ しばらく真っ赤になる小蒔さんとそれを宥める俺、という状態だった なんとか誤解を解いた後、おっちゃんは「お前なら、小蒔を任せられる。なんなら六女仙側室にするか?」とか言い出した 流石にインハイ前にこれ以上面倒は増やせなかったので、一発腹殴って帰った 婚約とか側室とか、俺はまだ彼女すらいねーっての でもまぁ、小蒔さんとか……アリだな 小蒔「そ、その……私は今でもお慕いしておりまして……」 春「姫様落ち着いて」 初美「たまにとんでもないこと言いだしますよねー。アリですけど」 霞「そうよね。六女仙みんなを側室なんて。アリだけど」 巴「いや、魅力的ですけど、京太郎くん1人に7人って……」 春「1週間で1周できる」 巴「何が!?」 8月△日 今日、東京に着いた 移動して宿泊施設に行くだけだったが、長時間の移動だとさすがに疲れた 今日は特に何もなく、明日日程が決まり次第色々予定を立てることになるらしい みんな今日は出歩かないらしいので、少し1人でふらついてみた やっぱり東京は人が多い。長野や鹿児島なんか目じゃないくらいだ その時少し目についた人達がいた 俺よりはるかに背が高く、帽子をかぶった全体的に黒い人、それと対照的に小さい人、 それと海外の人だろうか?金髪に、首からイラストのボードを掛けている人に、白髪の人と、その人を引っ張っている髪をおだんごにまとめた人 5人全員同じ制服だったので、同じ学校の人達なんだろう。そんな人達だった インハイ出場高か?いずれにせよ、明日の開会式で分かるか そういえば、ネト麻仲間にメールで東京にいると伝えたら、なんとみんな東京にいるらしい すごい偶然だ。そのうち会おうみんなと約束した インハイの楽しみがひとつ増えたな そういや、咲はどうしてんだろ 明日にでも聞いてみるか 小蒔「この人達は……宮守の人達ですね!」 春「あぁ、初戦であたった」 初美「確かに個性的な人達が多かったですねー」 霞「そうね。結構印象に残ってるわ」 巴「……言いたくないんですけど、私達が言えることですか、それ?」 8月□日 今日は開会式と抽選会だった 選手の人達を見ていると、新道寺の人や、昨日の5人を見つけた それと、咲も見つけた。あいつも全国に出場か……そんなに麻雀上手かったんだなー しかし、全国の高校が勢ぞろい……すばらなおもちの持ち主はいたが、それでも霞さんを超えるおもちの持ち主はいなかった あのおもちは全国トップだったのか……後で改めて拝んでおこう そのまま抽選会も見に行った 抽選会、ウチってシードだったのか。そういや聞いてなかったな 新道寺は決勝まで完全に別ブロック、お互い決勝までいけば当たるらしい 昨日の5人、宮守高校は同じブロックで勝てれば2回戦で当たるところだった さらに、咲の清澄高校も2回戦で当たる 咲、1回戦だけは応援してやる。2回戦からは2位になるようにだが応援してやろう それと、今日ネト麻仲間と会う日も決まった 変更になるかもしれないし、時間はそんなに取れないかもしれないが、楽しみだ 霞「全く、こんな時まで胸ばっかり見て……」 初美「そういう割には嬉しそうですよねー?それとなんですかやけに胸を強調するポーズ取って」 巴「でも霞さん以上の人は確かにいなかったね」 春「これから大きくなりそうな人はいた」 小蒔「私もまだ大きくなってて……」 春「……京太郎が聞いたらなんて言うかな」 8月●日 遂に始まったインターハイ だがウチはシードでしばらく間が空いている おまけに対戦高の試合もまだなので今日は自由行動だ 昼に、約束していた通り、ネト麻仲間の打倒はやりんさんと会った 相手はなんとインターハイ出場校の同じ1年生だった 有珠山高校の真屋由暉子、ちっこいけど、かなりのおもちの持ち主だった 改めて自己紹介して、適当な店に入って話した 有珠山高校、聞かない名前だと思ったら、北海道の初出場の高校らしい それからゆっくり話した。地元の話、部の先輩の話、色々話した 由暉子は部に同級生がいないから、少し新鮮だと言っていた 俺でよければいつでも話相手になるというと、嬉しそうに笑ってくれた 会話がひと段落ついた頃、由暉子が時間らしいのでそこで別れた また連絡すると約束した いい奴だったな。それに、初美さんと変わらないくらいなのに、春に負けないあの胸か……すげーなー 同じブロックだから準決勝で当たるかもしれないんだよな……準決勝前までは応援しよう 巴「有珠山高校……確か、臨海相手でも2位だったところですよね」 霞「えぇ、初美ちゃんと同じ身長で……」 春「私と同じかそれ以上……」 初美「……なんで胸ばっかりですかー!!」 小蒔「京太郎くんも、悪気はないと思いますよ?」 初美「なお悪いですよー!!」 8月◇日 今日はみんなで東京観光に行った 小蒔さんが「去年も来たのでまかせて下さい!」と言っていた が、ぼんやりとしか覚えていなかったらしく、結局はみんなでガイドブック見ながら回った でも、昼に食べた、小蒔さんが進めてくれた店の料理は美味しかった 昼食後、店を出て次にどこに行くか話していると、見覚えのある執事服と、初美さんより小さい金髪の娘が目についた 執事服に気付いた瞬間、その人は俺達の目の前に来ていた 「おや、お久しぶりですね」その人は、この暑い中、汗ひとつかかずそう言った まさか東京で、久しぶりにハギヨシさんに会うとは思わなかった だが、みんなが驚いているのはそこじゃなかったらしい 「ん?あー、お前がハギヨシの言っていた友達か」小さい金髪の娘、天江衣さんはそう言った 去年のインターハイ最多獲得点数記録者、だったか。俺も名前だけは知っていたが……正直初美さんより小さいとは…… どんな人かと思ったが、小さい以外はフツーだった。なんか小蒔さんや霞さんはすごく驚いていたけど 立ち話もなんだから、ということで近くにあるハギヨシさん達が取っているホテルに行くことになった うん、予想してたけどすげー豪華だったね 後一瞬でお茶と茶菓子が用意された辺りはさすがハギヨシさん。いや師匠 俺やハギヨシさんは普通に近況を話したり、みんなは永水で全国に出ているというと天江衣さんが思い出したように去年の話をしだした 去年の小蒔さんの話から始まって、気付くと天江衣さんと小蒔さんは打ち解けていた。同学年だし、話しやすくもあるのかな 天江衣さんと小蒔さんを中心に、みんなも楽しそうにしていた しばらく話していると、何度か会ったことがある、龍門渕透華さんが来た 俺やみんながいることに驚いてはいたが、歓迎してくれたようだった が、透華さんが来た時はすでに夕方で、そろそろ帰らないといけない頃だった インターハイ中、また会う約束を俺はハギヨシさんと、小蒔さんは天江衣さんとして、俺達は帰った 小蒔さんは、今は無理だけどインターハイが終わったら、鹿児島に帰る前に天江衣さんと打つ約束をしたらしい 小蒔さんやみんなも楽しそうにしていたし、普通に東京観光するより良かったかもしれない 小蒔「衣さん、すごかったですね!!去年直接対戦できなかったから、すごく楽しかったです!!」 霞「そうね……でもそれに同卓した京太郎くんの惨状も忘れないであげてね?」 初美「尊い犠牲でしたねー……」 春「あのハギヨシさんもすごかった……京太郎の技術の根源を見た」 巴「なにもかもが予想はるか上の人達だったね」 8月▽日 今日は1日試合を見ていた 今日の試合で対戦校が決まるからだ 勝ったのは、姫松、宮守、そして清澄だった。録画して3試合とも見た まず姫松高校の試合を見た 先鋒と次鋒で差を付けられていたが、中堅で役満出した愛宕(貧)がすごかった。インターハイで役満なんて、すごい人だ 春、この愛宕(貧)相手で大丈夫だろうか? 副将の愛宕(巨)は、中堅の愛宕(貧)と違ってなかなかのおもちの持ち主だった 後で知ったが姉妹らしい。(貧)の方が姉で(巨)の方が妹か……知らなきゃ逆だと思うな 大将の末原さんも結構な強敵だろうな 次に宮守だ 霞さんが先鋒の小瀬川さんを「マヨヒガ」とか呼んでいたが、俺にはなんか悩んだら手が高くなったようにしか見えなかった 後、この高校の一番のおもちは小瀬川さんだな。他にも和了率がすごく高い、エイスリンさん、 腰がすばらな臼沢さんや、初美さんより小さい鹿倉さん、そして俺よりも背が高い姉帯さん、特徴的な人が多かった ただ、霞さんがやけにこの高校を気にしていたのが気になる。おもちでは圧勝してるのに 最後に、咲のいる清澄高校 ひょっとしたら、俺も通っていたかもしれないと思うと、少し不思議な気分になった 先鋒の片岡、ちっこいけどやけに東場で強い。1年生で先鋒とは、すごい奴なんだろうか 次鋒の染谷さん、眼鏡を途中で外したからやたら和了っていたような感じだ 中堅の竹井さん、この人がやばかった。まさかよく分からん和了をしまくって中堅で相手を飛ばして終わらせるなんて…… ぶっちゃけ対戦校が可哀想だ。特になにもできなかった副将とか大将とか インターミドルチャンプがいるから、とか雑誌やネットでは見たが、それだけじゃあないんだろうな でも副将の原村、そして大将の咲が見れなかったのは残念だ。特に副将 是非あのおもちを見たかった……霞さんほどの大きさじゃなくても、すばらなものだと思うのに…… 後、あの咲が大将なんてえらいとこにいて、ちゃんとできるのかも気になった 結局咲と連絡は取れてないし、どこかで会えないもんかな さて、これからは永水を応援だ 知り合いが居たり、元地元だったとしてもこれからは今いるところを応援しないとな 麻雀に関してはできることはあんまりないが、できることでサポートしていこう 巴「3試合1日で見ましたねー」 霞「そうね。宮守は驚いたわ。オカルトな打ち方をする人が多くて」 初美「おかげで全然北家で和了なかったのは忘れませんよー……」 小蒔「……でも、この(貧)って、どういう意味でしょう?愛宕選手のことなのは分かるんですが……」 春「……姫様は知らなくていい」チラッ 初美「だからなんで私の方を見るんですかー?はるるー?」 洋榎「へっくしょい!!……絹がウチの服着るから、サイズが合わんくなるわー」 絹恵「えー?お姉ちゃんとそこまで違ったかなー?」 洋榎「背とか肩幅とか、そこやないねん。ホンマ、姉妹やのになー……」 8月■日 対戦校も分かって、試合の日も近くなってきたので今日は1日練習だった といっても俺じゃ練習相手にもならず、むしろ教わる立場になりそうだったので雑用に徹した ちょっと買い出しに行った時、珍しい2人がいた 「……ここ、どこだろ?」「……ワカンナイ」背が高い人と、イラストボードを掛けた人、どうみても昨日試合してた宮守の2人です なんかほっとけなくて、声を掛けた 当然警戒されたが、持っていた地図で今いる場所を教えると感謝された 宮守の2人が携帯で連絡している間に宿泊施設に戻ろうとすると、呼び止められた 背が高い方、姉帯豊音さんにお礼をしたいと言われ、イラストボードの方、エイスリンさんは何か描き始めた しばらくそのままで居て欲しいと言われたので、急いでる訳でもなかったのでそうした 途中、お互いの自己紹介をした 俺が永水だと知って2人は驚いていたが、対戦校だからどうということはなく、姉帯さんは小蒔さんのサインが欲しいと言っていた 対戦校だからと気にしていた俺が気にしすぎだったみたいだ しばらく、エイスリンさんが何か描いている間色々話した さすがに麻雀に関しては話さなかったが、姉帯さんもエイスリンさんも、話すと以外とイメージと違う 姉帯さんは、見た目の割りにミーハーな性格だった とりあえず明日原村和のサインも欲しいらしい。対戦校相手に書いてくれるんだろうか エイスリンさんは、片言だがコミュニケーション自体はとれる ただ、途中、今描いてるものを中断して絵で描いて答えていた。結構いい性格してるっぽい そうこうしている内に、エイスリンさんの絵が完成した 見せてもらうと、俺の似顔絵だった。結構上手い 「オレイ!」と言ってくれた。ありがたく受け取った 他の宮守の人達が来る前に帰ることにした。帰る時、小蒔さんにサインを頼んでみると言うと、姉帯さんはすげー喜んでいた あそこまで喜んでくれるんなら、頼む甲斐もあるな 帰ったらサイン書けるか聞いてみよう 小蒔「だからあの時、『サインって書けます?』なんて聞いてきたんですね」 春「姫様有名だし、そういうことあってもおかしくない」 巴「実際書いたけどね」 初美「でも、対戦校と試合前に仲良くなるってどうなんですかねー」 霞「いいんじゃないかしら?この人達もいい人達だったし、京太郎くんなら問題ないでしょう」 エイスリン「♪」 豊音「何描いてるの?」 エイスリン「キョウタロ!」 豊音「うわー、エイスリンさん、ちょーうまいよー!」 8月◎日 明日は永水インターハイでの初戦 対戦高はどこも油断できないと、今日は1日練習だった 俺は雑用、みんなが明日のために集中できるよう、やれることはやった そんな感じで1日を過ごし、明日へ備えて早めに休むことになっていた 夜、明日のためにやり残したことはないか確認した後、部屋に戻ろうとすると、春に会った 少し話したい、と言うので俺の部屋へ上げた どうかしたのか聞くと、珍しく不安そうな表情の春は言った 明日の試合が不安らしい。中堅に愛宕(貧)に清澄の部長と、自分より格上の2人がいて、ちゃんと次に繋げられるか 確かに相手が1回戦に役満に連荘で飛ばしたりと怖い相手だろうな そう思い、俺は俯いてる春の頭を撫でた 春は驚いて顔を上げたが、構わず続けた 別に、1人じゃなくて団体戦なんだ。春が失点しても後にいる初美さんや霞さんが取り返してくれるし、みんな春を責めたりしないだろう 気にしないで、いつものように黒糖片手に打てばいい、そう言った しばらく春は茫然としたようだったが、いつものように、と呟くと俺の手を払った そして、いつもの表情の春がそこにいた 「ありがとう。明日、頑張るね」そう言うと春は部屋から出て行った 自分の部屋に帰ったんだろう 少しでも不安を取り除けたなら充分だ 俺もそろそろ寝よう 明日、永水が勝てますように 春「…………」 霞「へぇ、試合前日の夜に、京太郎くんの部屋にねぇ?」 初美「抜け駆けですねー」 小蒔「春ちゃん……そんな不安だったなんて……」 巴「姫様、多分もうその辺りは大丈夫ですよ?」 春「不安だから京太郎のとこに行った。不安は取り除けた。問題ない」 初美「京太郎のところに行ったのが問題なんですよー!しかも夜に!!」 8月☆日 インターハイ初戦、勝ったぁぁああああああ!! いきなり小蒔さんが大暴れしてリードを作ったのが大きかった 中堅の愛宕(貧)がかなり点差を縮めてきたが、それでもなんとかトップは守り、そのまま初美さんと霞さんがリードを守ってくれた 1位は永水、1位は宮守という結果になった 初美さんは宮守が残ったことがかなり不満だったみたいだが、勝てたからいいだろう 大将の姉帯さんの追い上げがすごかったし 姫松、そして清澄はここで敗退という結果になった 咲も頑張っていたとは思うが、それでも3位で終わった 後で連絡……できるか?少し考えよう とにかく勝って良かった この調子で次も勝てるといい 初美「すごかったですよねー、姫様大活躍ですよー」 小蒔「そ、そんな……ただ、京太郎くんが見てる前でみっともないことはできないと思っただけで……」 春「大丈夫、私もそうだったから」 巴「その分ハッちゃんが苦戦してたよね」 初美「うー……北家で和了れれば……」 霞「京太郎くんも言ってたけど、勝てたからいいじゃない」 巴「ですね」 8月★日 今日も練習、というか試合前なので午前中のみの軽い調整とかそういうものらしい 午後は自由だったので少し気晴らしにふらついていたら、今や懐かしく感じる迷子を見つけた 涙目でなにやってんだよ咲 声を掛けた時、一瞬驚いていたが、俺だと分かると安心したような顔になった つーか東京で迷子ってシャレになんねーぞ 話を聞くと、昨日の負けで清澄のみんなは結構落ち込んでいるらしい なのでしばらくは個人戦まで好きにしていい、だとか 咲もいつまでも負けをひきづってられないと、出かけたはいいが迷ったという……こいつ、成長してねぇ…… 仕方ないので一緒に適当な店に入ることになった 久しぶりなのでそれなりに積もる話もある 長野から鹿児島に行ってからの話、長野の友達がどうしているか、そして、お互いの麻雀部の話 少し言葉に困ったが、咲は別にいいと言ってくれた 負けちゃったけど、それで相手を恨んだりはしない、と言っていた むしろあの永水のメンバーの中、なんで男の俺がいるのか聞かれた それからもしばらく話していると、ふと店に置いてあるテレビに目がいった 最初は電源が付いていなかったが、今は付いていて、インターハイ準決勝が映っていた 大将戦の途中だったようだが、なんと白糸台が4位だった 咲も「お姉ちゃんのところが!?」と声を上げて驚いていた そういえば、姉の照さんが東京行ったとか聞いてたけど、白糸台だったと雑誌見て知ってたっけ 俺はなんでこうなったか携帯で調べたが、どうも阿知賀の先鋒、中堅がかなりの番狂わせを起こしたらしい 先鋒は照さんが序盤は圧倒的だったらしいが、それからどうも3校で協力したとか 中堅戦では阿知賀が千里山に負けない活躍で追い上げ、今みたいな順位になったらしい そのまま咲と試合を見ていたが、結果は1位阿知賀、2位新道寺という順位になった 白糸台は確実と言われていただけあって、テレビでもそうとう驚かれていた 咲も「お姉ちゃん……」と呟いて驚いていた インターハイ、何が起こるか分からないな。マジで それから咲を清澄が泊まっている宿泊施設に送って帰った 念のために、咲が最近借りたという携帯の番号も交換した 番狂わせか……うちもそうならないよう頑張ろう 霞「驚いたわよね。あの白糸台が負けるなんて」 巴「私は千里山が負けたのも驚きましたね。あそこ全国2位ですし」 小蒔「どこも油断してはいけないということですね」 初美「ですねー。何気に私達の試合で宮守が勝ったのもそうですし」 春「新道寺も強敵……」 8月▲日 インターハイ準決勝、勝ったああああああ!! 決勝進出だよ!すげーよ!! 今回も小蒔さん大活躍だったけど、個人3位の辻垣内さんがすげーやばかったけど、なんとかトップだった 途中で2位になったりしたが、初美さんと霞さんがなんとか巻き返したり、宮守の姉帯さんが2回戦以上の活躍を見せたりで、 結果は永水が1位、宮守が2位だった もっとも、点差自体はほとんどなく、かなりギリギリだった いや、でも勝ててよかったよ 夜、明日のためにみんなはミーティング中だったので、何かお菓子でも買いにコンビニに出かけた すると、コンビニで雑誌のグラビア写真を見ている女子高生がいた 珍しいと思っていると、「……おもちが足りない」そうその女子高生は呟いた チラッとそのグラビアを見るが、確かになりない 「確かに」そうつい言ってしまった 女子高生は慌ててこっちを振り返った 「……あなた、今……」そう聞かれた この人を見て、俺は何故かすぐに分かった 自分と同じだと 俺は迷うことなく、携帯の中の霞さんの写メ(水着)を見せた その人は、それを見て、涙を流しながら握手を求めてきた 「同志っ……まさか、こんなところで同志に出会えるなんて……っ」 それから数十分、俺はおもち好きの同志、松実玄さんとおもちについて熱く、熱く語り合った お互いの連絡先を交換し、またおもちについて語らうと約束して別れた お互いが明日の決勝の対戦校だと知っていたが、それを言うのは無粋というものだろう おもちと試合は、また別のものなのだ 初美「決勝前夜に何してんですかっ!!」 巴「しかも松実玄って、阿知賀の先鋒の……」 霞「……ほんとうに、もう……」 小蒔「あ、あはは……」 春「……まぁ、おもち好きも、誰かと仲良くなるのも、京太郎らしいこと」 8月◆日 優勝したああああああああ!!! すげーよ!!全国制覇だよ!! 小蒔さんは今までで一番すごかったし、最後霞さんが和了って優勝決まった時なんか泣いちまったよ 終わってから、一度合宿したからか、新道寺が控室まで来てくれた 優勝したことのお祝いと、早速来年は勝つと宣戦布告を受けた 小蒔さんと春が負けないとか言ってたけど、小蒔さんが言う瞬間噛んで、締まらなかった また合宿のため、ということで連絡先の交換をしていた 何故か俺も新道寺の大将、鶴田姫子さんと副将で部長の白水哩さんと連絡先を交換することになって、連絡先を交換しようとした そしたら、既にお互いの連絡先を知っている状態だった まさかと思ったら、ネト麻仲間のリザベさんが鶴田姫子さんだった どんな偶然だよ みんな驚いていたが、まぁ、改めてこれからもよろしく、ということになった ふと、霞さんが色紙を取り出して小蒔さんにサインを書くように言った 宮守の姉帯さんに頼まれていたらしい そういえばこっちも頼まれていた、と姫子さん(そう呼ぶように言われた)も色紙を出していた どうせだから一緒に持っていこう、ということになり、永水と新道寺の2校一緒の宮守の控室に行くことになった 控室に行くと、宮守のみんなは泣いていた タイミング悪かったかなー、と思ったが普通に部屋に入れてくれた 小蒔さん、そして姫子さんと哩さんのサインを持ってきた、というと姉帯さんは嬉しさからか更に泣き始めた まぁ、喜んでくれてたからいいのかな それからはなんだかんだで3校みんな仲良く話していた 俺は唯一の男子でアウェイな感じと、宮守の人に誰だコイツ?みたいな目で見られたが、この前知り合った姉帯さんとエイスリンさんが説明してくれた 宮守のみんなもそれで納得してくれ、迷っていた2人のことでお礼を言ってくれた そこで、宮守の監督の人が「どうせなら全員で写真撮ったらどうだい?」という提案をしてくれた その言葉に全員乗り、阿知賀も一緒に撮ろう、ということになり、今度は3校で阿知賀の控室まで行くことになった それからが大変だった 阿知賀の控室まで行き、写真を撮ることはOKだったが、マスコミが決勝の4校が仲良くしていることで驚いて、 インタビューやらなんやらで結局写真が撮れたのはそれから大分経ってからだった 何人かは連絡先を交換し、俺が写真を撮ったので、後日送ることになった とにかく疲れた でも、明日からは個人戦、まだまだ応援頑張ろう そういえば、個人戦になって少し時間が空いたからプロの人達もゆっくり試合を見るとか言ってたな どっかでひょっこり良子さんと会えたりするかもな 初美「優勝、できましたよねー」 霞「大変だったわよねー。初美ちゃんはいつもより北家で和了れなくて」 春「姫様は一番強い神様降ろした」 巴「どこの高校も強くて、気が抜けませんでしたねー」 小蒔「えぇ。でも、去年できなかった、全国優勝ができたことは、本当にうれしかったです」 霞「そう……ねぇ、小蒔ちゃん。来年の目標は?」 小蒔「勿論、また優勝することです!!」 春「ん、私も頑張る」 初美「応援してますよー」 巴「だね」 8月▼日 今日から個人戦が始まった 予選だが、全国から勝ち抜いてきた人達の予選、かなりすごい試合もあった 初戦が初美さん、愛宕(貧)さん、豊音さん、荒川憩さん、というすごい組み合わせだった 去年の全国2位はさすがに強かった、初美さんも団体戦の時以上に頑張ってはいたが、2位だった トップは荒川憩さん、後は僅差だった 昼に、ネト麻仲間の風さんと会った お互い都合が合わなくなったりしてでかなり遅くなったが、大会中に会えてよかった 俺が九州にいると言うと、やけに明太子のことを聞いてきたのでどんな人かと思ったら、臨海の雀明華さんだった 何が風だ。風神じゃねぇか。そしておもちもそこそこある。すばら 個人戦には出てないけど、普通に有名な選手だから目立ってたし、俺もビビった しかし話してみると割と話しやすかった。そして明太子のことを聞かれたけど、それはせめて福岡代表の新道寺に聞いて欲しい 何故か魚卵の美味しさの話で盛り上がった。北海道がやばいという話をすると分かりやすいぐらい目を輝かせていたのが可愛かった 明華さんは辻垣内さんの、俺は小蒔さんと初美さんの応援のため、昼を食べてから分かれた 小蒔さんは絶好調のようで、ほとんどの試合をトップで終わらせていた 少し暇があったので話しかけると、流石に少し疲れていたようだった 寝ているだけのように見えるが、やはり消耗するんだろうか 少しの時間だが、休憩に普通に眠らせてあげた。1人では危ないので、隣で俺が見張り代わりに座ったままでだが よっぽど疲れていたのか、俺の肩に寄りかかって熟睡していた。少しでも疲れが取れているといいんだがな その後も小蒔さんは調子が良く、初日を勝ち残った。初美さんも残れたらしい 明日は今日よりきつくなるらしいが、2人とも勝ち残れるといい 初日終了後、少し時間ができたので、ネト麻仲間の膝枕さんと会うことになった なんでも個人戦に出場しているらしく、勝ち残って、今やっと会える時間ができたらしい 待ち合わせ場所にはなんと千里山の大将、清水谷竜華さんがいた どうやら俺はまたとんでもない人と知り合えたらしい。麻雀の実力的にも、おもち的にも 竜華さんも俺が永水の生徒だとは思わなかったらしく、驚いた様子だったが、すぐに打ち解けて話すことができた そのまま近くの屋台でたこ焼きを買って、ベンチで座ってつまみながら話した お互いに応援か観光かと思っていたら、選手、出場校の選手だったこと、自分の高校の有名選手のこと、色々だ 特に俺は小蒔さんを、竜華さんは先鋒の園城寺怜さんのことを話した なんか放っておけない、というと竜華さんもそれに同意してくれた。園城寺さんは試合で倒れたりしていたし、その心配も当然だろう そんな話で盛り上がっていると、竜華さんの名前を呼ぶ、儚げな娘が来た。園城寺怜さんらしい 竜華さんを呼びに来たのかと思うと、そのまま竜華さんの膝枕で横になった。なるほど、これがハンドルネームの由来かと納得できた 何故かそのままの体勢でお互い自己紹介をした。傍から見たらシュールな絵だっただろう こちらに見せつけるように竜華さんのふとももを撫でてドヤ顔していたのが少しイラッときた。そして羨ましかった。代わってください しばらく話し、俺も竜華さん達も時間になったので、怜さんとも連絡先を交換して別れた 個人戦で当たっても恨むんやないでー、と怜さんが言い残して行ったが、そっちこそ小蒔さんや初美さんに当たっても知らねーぞ 春「臨海の……」 巴「そういえば対戦したものね」 霞「あの人の『風』もなかなかやっかいだったわね」 初美「そして清水谷さんに園城寺さんですかー。清水谷さんは強敵でしたね」 小蒔「園城寺さんも、試合で倒れたと聞いていましたけど、元気なようで良かったです」 明華「むむむ……明太子は冷凍してないといけないのですか……本場博多のものを……いや、しかし冷凍では……」 智葉「なぁ、一体いつまで悩んでいる気だ?それに、今日コンビニの明太子おにぎり食べてただろ」 明華「それとはまた別腹です」 智葉「どこでそんな日本語覚えたんだ……」 怜「あーしんどいわー膝枕が必要やわー」 竜華「やらんで。はよ片付けんといかんやろ」 怜「しゃーないなー。じゃあ胸で」 竜華「ひゃあっ!?ど、どこ触っとるんよ!!」 怜「おー、こらすごいわー……京太郎に竜華の胸揉んだってメールしたろ」 竜華「京太郎くんに!?ちょ、それはアカンって!!」
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1/10 684 京太郎とシロの出会い 石戸霞です。 あれは高校を卒業して、京太郎さんのために修行を積んでいた時代になるわ。 平行世界を垣間見た私は、この世界の京太郎さんのために巫女修行をしていたの。 書物を読み漁り、ひたすらに自分を高めていたの。 修行のしすぎで、時には手首を痛めてしまうこともあったわ。 それでも京太郎さんのためを思い、私は日々鍛錬を続けていたの。 ...-―――-... / \ / / ト \ \ / / / l l |l l i‘ ヽ ト、 . l l l l l リ ハ リ-‘ | |l |i| | l l从/i // } /__ l | リ |i| | l |,斗≠ト 厶イ,斗=ミル |i| l 八 l〈 V炒 V炒 〉|l リ | | 个ト、 ,, 、 ,,, ,小 / ! 「京霞本を二回出した程度で手首が痛くなるなんて. ‘ i ∧ __ // / ノ ‘ i 分、 ` ' ... i/ /i 巫女修行が足りない証拠だわ」 ‘ ∨ i〕i=- -≦ / / | ‘ i l |∧ l ∨ / | /‘ l | ∧_// ∨ / | / /‘卅li ∨/ Ⅳ ト 、 ∠ i | i l|\ / |‘ | \. ∧ `ヽ l _| l リ_ヽ./ / ‘ |\ i‘. そう、その時の私は未熟だった。 時には滝に打たれ、時には瞑想し、時には一晩中書き続け、時には他のサークルの方と仲良くする。 他の巫女を含めて、平行世界を見ることが出来たのは私だけだった。 誰にも相談できない内容に、精神的にも体力的にも追い詰められていたわ。 そんな憂鬱な、同人即売会での出来事だった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2/10 _ \ー- 、 ∠二 _  ̄\ヽ ! -=_,,ニ二_ ヽ )} } / _,, -‐ ゝ ノ、 / / ヽ / / } .ノ / ヽ`ヽ、 /. / / l ! l ヽ / / / / / .} l .l }ヽl⌒ ) ./ / / /}∠!_ ./l__l__ l l l / ./ / { /7____| /´j_∠!_/! リ } (/{ { / \{/(。 厂`;ノ ´(。厂)トノ\人 乂 .八ハ / l ,,,`¨ ¨,,, ∧ ,ゝ ` )/从 l、 ` / } .l 「あなたは……」 _,,,../l \{ \ , 、 ./、ノヽ/)ノ ,, -<//////∧ \ >..._ ,,..イ∧ ヽ / \ ヽ/////∧ \ / .}///l } ./ .、.}/////∧ 〉∧ .|///l l / }.l//////∧ ,.ヘV∧ .l.//∧ .l / ////////∧/ } } Y////∧ノ.〈 , イ/////////∧ノ ハ ヽl.//////\./\ / }////////////∧イ Vl.////////ハ , ' . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ ..ヽ /. . . . . . . . . . . . . . . .;、 . . . . . . ヽ .. .ヽ // . ./.. /. ; / ';. . . . . . . . . . '; ....; /,' . ;'. /. l! ;' .'; l l . . ..i /.i | lL -亠 l  ̄丁T! ‐! l l . . |. i ! 、 l l!、 _」L l l --+HL_ l .;リノ . . ...| ! .l トゝ !´__ _ヽ 川 ,,z=-zy/j;イ .| | .l . lv'筰 卞 ヽ. ´ b jヽ .!l .| l l! .辷.ノ ー.― ll .| l l. ,,, ' ''' 'l . .| 「あら、宮守の……、お久しぶりです」 l l /l .|. l .l. ャー‐ッ / l / .l l ... イ / l. l >.....___ < | l / .. ' l . / l / . /. l .. /{ | / . / l . . / ゝ´ll /,' ./> 、 l . /// ! / / イ./ ヽ. l . / ,' / / ;.' / | .i. l=;/ l / ,; ,' / ! l ,' l ./ i / / / l! .l / 丿, ' /! ;' / / !ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3/10 ___/ / / \ \ ⌒フ / , / l 〈 \\ \ / / / / /| \ ∨ \ \ / / / /-~/-| { \~ー 、' \ ) 〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′ / l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ 〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/} 八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ. { / }\__ ′ | 「とりあえず京霞本を三冊」. 从 八{ 込、 ∠ . イ^| }八 ∨ \从_}> . __ イ 八jノ ) / \__ Κj/ _/ //〉_∧ ‘, / .∨ ,/// ∨ } .. . . ´ ∨//\__//∨ `ト、 /∨ ∨\ i i i/ { . . | \ { ∨ \/ i∧\{ . . | ∧. ′ ′ ′ | / ' . \ | l | | ′ ' . | l | | /| ′ ' | | | | l | l l i-l l‐ | | ---| |l | | | l | l l |八 | l | |__, | |l | | | l |l |\从 l __}八{ l ノ 从 リ 八 j | l 八 | ,,xぅ斧笄ミ\ |斗ぅ斧x )/ / / ノ | l \ | 《 h __j刈 `ー┘ h__j_| 》厶イ イ | | 个゙ 乂廴ソ 乂_ソ ,′ | | | | , ,′ | | ┃ | `` `` ,′ | 「ありがとうございますー」 | ‘ |\ r‐ ┐ 人 | | ‘ | | ` ´ イ _ _ __ 八 | ‘ 「 | ` .... | l / / /^Yヽ | ‘ |八 T7^\ | / / / /Y^, | ‘ |\\ // `丶/ / / / | ! | -‐ ‘ | \\ .//. / / / / .八 | -‐'^´ ‘ | \\ // / / / / / ト、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4/10 そう、私とシロさんはそこで出会ったの。 その場では話もそこそこに、帰り道を一緒にしたわ。 「小瀬川さん、よろしければご飯でも食べに行きませんか?」 「わかった……」 「それにしても意外ね。小瀬川さんがここまで来るなんて」 「今回は特別……。私だってやりたいことにはやる気を出す」 それと、シロでいい」 「それじゃあ私も霞でいいですよ」 誰にも言えなかった趣味を共有出来る人ができたと思った私は興奮していたの。 「シロさんに本を買ってもらえるなんて光栄だわ」 「別に……京の本を売っている人なんて珍しいから」 「あら? シロさんも京太郎さんと知り合いなの?」 「うん」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5/10 \ー―――‐` } \ --- 、 __ノ_⌒ヽ /⌒ / / Y^ , ー=≠ / | ',. / / / / \_ / / / / / / Y´. / / / / _/_/イ_/, 、__/ ∧ | /./ / /´/|/´-l/ // /`^ヘ | | l| 八{ / j/ ll ∧ |芹苧豕 /l/苧豕, ∧| | l| / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/ ヒソノ∧八 リノ. { | \、_jノ 、 , ∨ 「私と京は前世で結ばれた関係だから」 \八 厂〕ト _ 人 i|\) )/(\ノ/}> ´ イi i ト、)ノ / (\\\ 爪 i i i i i |∧ ⊂ニ=---、__〉\ i i i | \ / i i⊂ニニヽ \{\ | i i i| } ̄ |. / i i i i i iノ { \_,| i i i \ | / ̄て二...__......_ `゙< i i\ ノ | ∨ i i i i i > .  ̄ ̄ `ヽ | ∨ i i i i i i i i i > . ',. /| ∨ i i i i i i i i i i i i i> .. } / / i i i i i i i i i i i i i i i i/i |  ̄ ̄ { } i i i i i i i i i i/ i i i i0└┐___. \ ∨ i i -=彡 i i i i i i i i i/ i | i i i i i . `ト――┬く i i i i i i i i i i i i i i i i /i i i | i i i i i . | | \ i i i i i i i i i i i i i i i i i/| i i i i i -―――- .... ´ ` ..、 / \ \ \ / / | ト、 \ \ \ \ / / l | | \ \ | \ . / / Ν | |´  ̄\八 | . | i l-\ l八 斧苧干 | | | | | \l __\{ 乂hソ | | | | |l l |斥汽 | | | | 八 l∧乂ソ , ″ | | | | Y . ″ | | | |. | l 从 __ _ | | 八 「ふんふむ」 八 \ l┌ヘ)` /| | / / \ Y 二二〉‐=≦ | | / / ∨ ┬_]┘ | 从 | / / / 八 /l_/⌒∨ | ∧ / / ノ/ // /∨ |⌒ 、. _ノ / // / ∨| \ _// / // / ゙ | \ \ / // /'"´ / / ゙ . } ,. / / , '" / / ゙o.j / / {/ / / ゙ \ / . / / / / | l \/ / / / / | |\ \ ト. { ./ / / . . . . . .. ノ´| ∧ | || { { / / . . . . l / | | || { 八 { { 八 | | || { l\ { { _ _ / /| | || { | \ \ -=ニ二ニ=- 、 / / | | || { | / ̄ ̄[二二フ二フ二二二二二二[ / .ノ ノ |人ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6/10 …… … 私と京は、前世で従姉妹だった。 『シロ姉、疲れたよー』 『運動で疲れたのはわかるけれど、洗濯物は出して。 それに、ご飯も食べるでしょ?』 『やった! シロ姉の料理は美味しいからなァ」 なんやかんやあって身寄りのなくなった私たちは、二人で暮らしていた。 私は面倒くさがりで、京と二人で暮らすまでは自分で家事なんてしたことなかった。 けど、そんな面倒なことも京の嬉しそうな顔を見られるというだけで、頑張れるようになった。 『面倒くさがりのシロ姉がこんなに家事をするなんて思わなかったよ』 『京、そんなことを言うならご飯抜き……』 『わっ、シロ姉ごめんって!』 嘘。京にはいっぱいご飯を食べてもらって、元気に育って欲しい。 私は京の【お姉ちゃん】だから、京のために頑張るのは当然。 『シロ姉聞いてよ! 寺子屋でさー、女の子が弁当作ってきてくれたんだよ!』 ピクリ、と自分の体が反応したのがわかった。 『でも、俺にはシロ姉が作ってきてくれた弁当があるからさ』 『……恋人が出来て、お弁当がいらなくなったら言えばいい』 『えー! 俺はシロ姉の弁当が一番力が出るんだよね』 『京はお姉ちゃん離れしないとダメでしょ』 『俺、家族離れなんてしたくないよ』 自分が嘘をついているのがわかった。 京に恋人なんで出来て欲しくない。 京にお姉ちゃん離れして欲しくない。 京に他人なんていらない。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7/10 / / `ヽー、 ー、 `ー /´ _ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´ /⌒ィ'´ / ', \ ヽ /´ア´ / / / ! ', ヽ ({ / ノ / / ! l \ 、 \ `Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー- / / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´ , ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、 j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j ´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ. ∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「京には私がいればいい」 `ヘハ ト j /´j} ハ ノ ` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´ _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_ イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ ´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '. l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 } / ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′ / ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8/10 自分の考えが狂っていることは自覚していた。 どうしても京が欲しかった。 ……それでも、脳裏に浮かんだのは無邪気に笑う京の姿。 私が狂うことによって京が悲しむのなら、不幸になるのなら耐えよう。 家族として、京の幸せを祈れるのならばそれでいい。 物分かりのいい自分と、浅ましい自分が対立する。 気づけば、寝ている京をじっと見つめていた。 ーーーせめて、最後に一つ、思い出だけでも。 想いをを断ち切るつもりで、寝ている京にキスをした。 すると、布団の中に引きずり込まれて抱きしめられた。 何が起こったのかわからず、混乱する。 『シロ姉、俺も我慢できないよ』 『京……』 『弁当は、好きな人がいるって断ったんだ。 シロ姉のことが、ずっと好きだったから』 『いいよ。京の好きにして』 『シロ姉……っ!』 … ……ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9/10 …… … ... ----- ... .. ´ ` .. / . \ / . / / / l | l . ′ / / / l l | |\ l . | l l | l__l l | | __} ト l | | l |八{__\从ノ __j ノ| l | | | 抖ぅ竿 ´竿冬、 l / | | l从乂ツ 乂ツ'仏イ ; ‘ ∧{ 、、 ' 、、 }∧ / 「まぁ! すごくロマンチックな話ですね!」 ∨ 八 ┌‐┐ 八 /. ∨ ... ` ´ . イ / ∨ | 〕iト -- i〔| | / _|=ミl/´ | ll | / / / / /| | /l | { ̄ ̄`丶 / /∠..._ | |\_,// | |\ }∧ {/´ `ヽnm/´| | ̄`丶{ ∧ / r|| l〈 | | \ |. / /l || | ∨八 \ ‘,|. ,′ / ノ|l | \ \ !. | / / ! ', \ \ |. 从 / _/ | ',__ \ \| {/∧ { .// .人 \\ \ }八 /} \__/ / /_\ } \__,/| \ / /´ ̄ / {/{三三三≧=ヘ \ | \ 「……信じてくれるの?」 「ええ! 実は私も、平行世界で京太郎さんと連れあった仲ですから! 同じ人を好きになったんですから、その気持ちが本物だってわかりますよ!」 柄にもなく興奮してしまったわ。 自分と同じような境遇の人に出会って、とても嬉しかったの。 「そう、あなたも雰囲気が普通ではないと思っていたけれども」 「うふふ、興奮してごめんなさいね」 「一つ聞かせて、あなたは何故、京と出会おうとしないの?」 「それはあなたも同じでしょう?」 / \ \ / . / \ . ′ . . . /. . . ./ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ト、. . . . . . . . . . .. i | | l / / | ‘ | |. | | | l /l / | | ‘ | | | | | l l´l l` | | /--、| 八 | l | |/\ |-\{- | /l/ -、 И/ | ! | | ,,xぅ气芹ミ,ノ / 斗ぅ冬,, ノ |. ! /! |〈 lh__,j刈  ̄ |h_j | 》/ | 「今の京太郎さんが誰のことを好きなのか、わかっていますから」. ! 八 ‘ | 乂辷ソ 乂_ソ ; ;. ‘ \} | 、、、 , 、、 , ; ‘ | | ′ ; ‘ | |\ 、 _, .イ / ‘ | | l` . . イ | /. ‘ | | r| ` ┬=≦l | | / \ 八 | ∧\ l| |\ノ | | | _\ |' ∧、\ l| | ⌒i| | | / \ ∧\\ l| | 八 | ト、 / \ ∧ \ソ' | \ | \ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10/10 それから意気投合した私たちは、現在に至るまでずっと親友になったの。 シロさんは欲望を抑えるためのものとして私の本を買ってくれるし、私がネタに迷った時にはシロさんに進む方向を決めてもらえる。 時々、京白本を作って差し入れした時には、本当に喜んでくれたわ。うふふ。 //ア / / イ ト、 \ \ \ \. // / / / | | \ \ \ \ \. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ} { | , イ ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ } | | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \ \! 〉、 ! . 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i / ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ | 「霞、笑ってないで次のページ渡して。. / / / . , `¨¨´ ノ ト、 ト、 i | i 从 / ト、 | ヽ. ; } / 早く校正しないと間に合わない」 l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/ ∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/ , ´∠ニニ>、 _ ... イ / \ / /ニニニニニ7 λ / /入 / {ニニニニニ7/「八. / //二\ --- ... ´ ` ...、 / \. / / \ / / / / / | .. ′ / / /| / / / ∧ | | l . | | | l |-| l / / / / l | | |l | | | l | |八 !从{ / / /--.l | | |l | | 八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从 | |l | | | |l^乂_ツ 斧ミv' 厶イ 八| | 人|l 、、 Vツ }/ / ノ 「はーい」 | 从 ' 、、 / / | l\ `ー ..イ /. 八 l ┬‐=≦ | / -\ |\ h\| | ′. ´ 〈 |∧ | \ ノl l゙` | { /l l | }=| \/ | | |\. / ll l | l |\ 〉 | .\! / l l Lノ l | \ ./ | .\ | さて、私たちは京白霞本の続きを執筆しなきゃいけないからね。 今回の話はここまでよ。カン!
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前回 熊倉トシが京太郎を見て回る。 なにか確認したと思ったら、考え得る中で最も聞きたくない言葉を吐き出した。 トシ「ふむ、やはりというかなんというか……」 照「何かわかったんですか!?」 トシ「端的に言うと、このままだと京太郎は全員死ぬ。」 全員「!?」 トシ「今倒れている京太郎について、簡単に言うと……」 トシ「京太郎は普通の人間が生きられる寿命が4分の1程度しかないのさ。」 咲「そんな!?京ちゃんはまだ15歳なのに寿命だなんて!」 トシ「肉体に寿命があるように魂にも寿命がある。」 トシ「魂が寿命を迎えると、肉体も寿命を迎え、生命活動を停止する。」 トシ「それを割いたんだ、肉体にも魂にも負担は掛かる。」 トシ「ドッペルゲンガーって言うのはそういうことさ。」 トシ「このままじゃいずれ京太郎は……だからその前に京太郎達を元の形に戻すしかないねぇ。」 トシ「つまり――」 「つまり俺ら四人の内、三人は消えるってことですね。」 トシ「おや、起きたのかい。」 京太郎(宮守)「大分、体の調子が良くなったんで。」 豊音「京太郎君無理しちゃダメだよー。」 京太郎(宮守)「もう大丈夫です、豊音さん、心配おかけしました。」 京太郎(宮守)「それとそろそろ他の俺も起きると思います。」 京太郎(白糸台)「う、う~ん……」 照「あ、京ちゃん!」 京太郎(白糸台)「照さん……」 京太郎(白糸台)「話って寝てても結構わかるもんなんですね。」 京太郎(宮守)「便利だな。」 京太郎(小鍛治)「……よっと、俺も話は聞いてた。」 健夜「やっぱり今朝からの不調って……」 京太郎(小鍛治)「そうみたいですね……」 京太郎(清澄)「うう、気持ちわりー……」 咲「京ちゃん、大丈夫?」 京太郎(清澄)「なんとかな……」 トシ「どうやら全員起きたようだね。」 京太郎(小鍛治)「それで元に戻す方法っていうのはどんなのですか?」 トシ「お互いが納得できる方法で勝負を付ければいい、ただそれだけさ。」 京太郎(宮守)「んじゃ、俺はあれかな、奇しくも俺達は同じ部に入っているわけだしな。」 京太郎(白糸台)「俺もそれでいいぜ。」 京太郎(小鍛治)「ああ、俺もだ。」 京太郎(清澄)「マジかよ……」 京太郎(清澄以外)「「「勝負方法は麻雀で。」」」 京太郎(清澄)「…………」 トシ「どうやら決まったようだね、予想通りと言えば予想通りだけども。」 トシ「小鍛治プロ、場所って何とかなるかねぇ?」 健夜「多分……会場が一つ空いてるので、そこを借りられると思います。」 健夜「ただ、公式戦じゃありませんから中継は出来ませんし、実況席も広くないので観戦できる人は限られます。」 トシ「そうかい、なら各京太郎に一人ずつってところかねぇ。」 トシ「京太郎達を見守る者は各々の高校で決めておくれ。」 トシ「一応、各校の関係者には話を通しておくからさ。」 健夜「……卓が使えるようになるのは、今からおよそ一時間後みたいです。」 トシ「わかった、それまでお前さん達は自由に話しておきな……」 トシ「これが京太郎との最後の会話になるんだからさ……」 熊倉トシはそういうと医務室から出て行った。 その場を酷く痛い静寂が支配していた。 そして各々が控え室に向かう。 菫が部員たちに説明する為、そして私たちを二人きりにするため、控え室を空けてくれた。 菫「照、須賀にはお前が付いててやれ。」 照「……うん。」 菫「私は部員たちに説明しておく。」 そういって菫はその場を立ち去っていった。 自分だって京ちゃんを見守りたいはずなのに…… だが今は菫の言葉に甘えて、京ちゃんと話をしよう。 下手をすればもう会えなくなるのだから。 照「京ちゃん……」 京太郎「照ちゃん、膝を借りていいかな?」 照「……うん。」 京ちゃんは椅子に腰掛けた私の膝を枕にして話し出した。 京太郎「照ちゃんにこうやってもらうの、いつ振りかな……」 照「小学生以来かな……」 京太郎「こうして膝枕してもらえるのもこれで最後になるかもな。」 照「またしてあげるよ。」 京太郎「その時はお願いします、照ちゃん。」 わかっている、最後になるかもしれない事を。 それでも、今は彼と一緒に居る未来を信じていたい。 信じたい、信じたいのに。 どうしてか不安が私の心を侵していく。 私の顔にでていたのだろう、そんな私を見て、京ちゃんは口を開いた。 京太郎「雨が……降っているな……」 彼が変な事を言い出した、ここは室内で窓も近くにないのに。 照「……京ちゃん、雨が降ってるってわかるの?」 京太郎「ああ、雨が降っている……照ちゃんの心に。」 こんな状況で、こんなにクサい台詞を吐くとは思わなかった。 京太郎「照ちゃんはさ、俺にとって太陽なんだ。」 京太郎「だから俺が居る所を、居るべき所を明るく照らしてくれないと、俺は凍えてしまう。」 京太郎「そんな照ちゃんには笑顔でいてほしい。」 違うよ、京ちゃん……私は『太陽』なんかじゃない…… むしろ私にとっては、京ちゃんが私の『太陽』なんだよ…… いつも温かい笑顔で迎えてくれる京ちゃん…… そんな京ちゃんだから……京ちゃんにも笑っていてほしい…… ―――――― ―――― ―― 京太郎「それじゃあ行ってくるよ、照ちゃん、応援よろしくな。」 照「うん、京ちゃんの笑顔の為に笑顔で応援するからね!」 私の顔をみた彼は、明るい顔をして対局室に向かっていった。 【心の雲を晴らす太陽】 ――宮守視点―― 京太郎「すごい緊張するんですけど……大丈夫ですかね、俺?」 トシ「宮守の信頼を一手に背負っているんだ、男らしくドーンと構えてなさい。」 京太郎「でも、俺はみんなを背負えるぐらいに強くないですよ。」 トシ「いいや、ここにいる連中はみんな京太郎が背負ってきたものだ。」 トシ「だから誇っていい、ここにある絆は京太郎が作った力なんだ。」 京太郎「そう、ですか。」 胡桃「須賀君、戻ったら充電してあげるね。」 京太郎「え?俺がするんじゃなくて?」 胡桃「そう、私の膝の上に――」 京太郎「サイズ的に無理でしょう。」 胡桃「ひ、膝枕なら出来るもん!」 京太郎「ああ、それは楽しみだな。」 豊音「私ね、ずっとずっと一人だったんだよ……」 豊音「誰も来ないあの場所で、誰もいないあの部屋で……」 豊音「でもね、京太郎君と会って一人ぼっちじゃなくなったんだよー。」 豊音「京太郎君、京太郎君は私の初めての友達なんだよ……」 豊音「だから、だから絶対いなくなったらいやなんだよー!」 豊音「京太郎君がいなくなったら……ちょーかなしいよー……」 京太郎「あはは、万が一俺が消えたら友引で戻してくださいね?」 塞(友引じゃあそんな事出来ないってわかってて京太郎君は言ってるんだ……) エイスリン「キョータロー。」カキカキ バッ 京太郎「みんなと一緒に手を繋いで、道を歩いてる絵……?」 エイスリン「キョータロー、オワッタラ、ミンナ、イッショニカエル。」 京太郎「……そうですね。」 シロ「京太郎、迷ったら、思いっきり迷ってしまえばいい。」 シロ「迷いきって出した答えなら、きっと、後悔しなくていい……」 京太郎「シロさん……肝に銘じておきます。」 塞「京太郎君はもう、決めたんだね……」 京太郎「はい。」 塞(そうか、もう、君を苦しめる物はないんだね……) 塞(もう、君の事を守る為に塞がなくてもいいんだよね……) 塞(そして、もう、君を止める事は出来ないんだね……) 塞「京太郎君、私の塞ぐ力の源って知ってる?」 京太郎「……いえ。」 塞「私の力のルーツは『塞の神』。」 塞「これは悪い物が『道』から入って来るのを塞ぐからそう言われてるの。」 塞「そして塞の神の別の名は『道祖神』……」 塞「道祖神は男女一対の神様で、『道』の安全を祈る神様。」 塞「だから私は京太郎君の行く道の安全を祈ってるよ。」 京太郎「塞さん……」 塞「京太郎君の行く手を塞ぐものはないんだよ、自分の信じた道を、まっすぐ行ってらっしゃいね。」 京太郎「はい!それでは行って来ます!」 塞「豊音もちゃんと京太郎君のことを見ていてあげてね……」 豊音「うん……みんなの分も応援するよー……」 大好きな彼の為に、二人は身を引いたんだと、私は気付いていた。 だからこそみんなの分も見ておかないといけないんだ。 彼が行く『道』を、その先にある結末を…… 【遠野から続いた道】 ――実況席控え室―― 一旦控え室に戻ったが、ここまで会話は一つもなかった。 沈黙が辛かったのか京太郎君が口を開いた。 京太郎「ははは、まさか自分の命運を麻雀に託すとは思いもよらなかったですよ。」 運命は残酷だ。 京太郎「でも、ある意味よかったです、麻雀でなら誰にも負ける気しませんし。」 虚勢を張ってるのがわかる。 京太郎「麻雀なら怖いものなしですよ!」 なら、ならどうして君はそんなに怯えているの…… どう見たって無理してるのが私には見て取れる。 だから切り出さなくちゃ……最後になるかもしれないんだから。 健夜「……嘘。」 京太郎「へ?嘘なんかじゃ――」 健夜「だって、京太郎君、震えてるもの……」 京太郎「……健夜さん相手じゃ隠し事も出来ないか。」 健夜「……うん、一年や二年の付き合いじゃないもんね。」 彼は怯えていた、そして私も恐れた。 彼がいなくなる事、彼がいなくなった後のこと…… でも、私だけでも、いや、私だからこそ、彼の心の拠り所にならないと。 彼の不安を拭ってあげないと、彼は恐怖に負けてしまう。 健夜「だからさ、今は思いっきり甘えていいんだよ。」 健夜さんが両手を広げて俺を抱きしめてくれてる。 今まで俺が張っていた、虚勢の衣を優しく脱がせるような抱擁は、俺の本音まで晒してしまう。 京太郎「健夜さん、俺、俺、怖いよ……」 京太郎「もし、もし負けたら、今までの健夜さんと一緒に過ごしてきた時間や思い出が、全部無かったことになりそうで……」 健夜「大丈夫、大丈夫だよ、京太郎君……」 抱きしめてくれている力が強くなり、暖かいこの人の温もりがより強く感じられる。 ああ、なんて心地良い温もりなんだろう…… この人の温もりが、不安や恐怖に凝り固まった心を解してくれる。 ―――――――― ―――――― ―――― ―― 京太郎「健夜さん、もう俺、大丈夫です。」 健夜「……うん。」 京太郎「そろそろ時間なので、俺、行って来ますね。」 健夜「うん、頑張ってね。」 健夜「あ、そうだ、これが終わったら家で祝勝会にやろうよ。」 健夜「地区優勝と全国優勝のお祝いも兼ねてさ。」 京太郎「そうですね、その方がより勝たなきゃって思えますし。」 健夜「でしょ?」 京太郎「それじゃ、"小鍛治京太郎"、行って来ます!」 健夜「はい、いってらっしゃい。」 健夜「ちゃんと……ちゃんと『ただいま』って言いに帰って来るんだよ……」 【姉弟の絆】 ――清澄控え室―― 久「というわけよ。」 まこ「……久、それは本当のことなんか?」 久「ええ、残念な事にね。」 和「そんなオカルト、ありえません……」 和「そんなオカルトが、あっていい訳がありません……」 優希「…………」 久「それで、付き添いなんだけど……」 優希「…………」 優希「咲ちゃんがいいと思うじぇ……」 和「!……優希……」 久「咲も……それでいい?」 咲「…………」コクン 久「それじゃ、私は席を外すわ。」 まこ「……そうじゃのう。」 優希「……咲ちゃん、犬……京太郎の事頼んだじぇ。」 咲「……うん。」 和「……よかったんですか、優希?」 優希「……うん、私じゃダメだから……咲ちゃんじゃないと……ダメなんだじぇ。」 まこ「のう、久。」 久「なに。」 まこ「お前、後悔してるじゃろ……京太郎に碌に麻雀させんかったこと。」 久「…………」 まこ「いいんじゃ、別に責める気はないしのう。」 久「……今は須賀君を信じて待ちましょう。」 二人きりになったあと、先ほどから咲は俯いたままだ。 沈黙が辛い、今まで二人きりで沈黙が続いても、辛くなかったのに…… 重い口を無理やり開いて、なるべく軽い口調で話そうと思った。 声が震えないように我慢して。 京太郎「参ったな。」 咲「…………」 京太郎「よりにもよって麻雀で勝負とは……」 咲「…………」 京太郎「しかも相手は大会優勝者やオカルト持ちだ……」 京太郎「それに引き換え、俺は役を覚えた程度初心者だ。」 咲「…………」 京太郎「こりゃ、どうやっても無理だろ……」 咲「…………」グスッ 京太郎「咲、俺は居なくなるだろうけど頑張れよ。」 京太郎「中学の時と違って、俺が居なくても和や優希が助けてくれるだろうから、心配ないかも知れないけどさ。」 咲「……なんで」 京太郎「…………」 咲「なんで、京ちゃんは負けること前提で考えてるの……」 咲「なんで、京ちゃんは勝とうと思わないの!?」 京太郎「だって勝てるわけないだろ……」 バシンッ 俺の頬がはられていた、はった本人をみると大粒の涙をぽろぽろと零しながらこっちを見ている。 咲「京ちゃんのバカ!」 咲「諦めないでよ!諦めないでよっ!!」 咲「最後まで足掻こうよ!」 咲「諦めて消えちゃう最後なんて……いやだよ……」 京太郎「…………」 咲「ウッ……ヒッグ……」 なに泣いてんだよ、咲…… なに目の前の女の子泣かしてんだよ……! 女の子泣かすとか、俺、最低じゃねぇか! もう時間だ、そろそろ行かないと。 京太郎「咲、俺、行ってくるよ、どんなに無様でも、どんなに格好悪くても、最後まで足掻いてみる。」 咲「……ヒッグ……」 京太郎「だから咲、見ていてくれ、俺のことを。」 咲「…………うん。」 そして俺は対局室に足を進めた。 【絶望の先に咲く花】 ―実況・解説席― 健夜「これで京太郎君と見る人全員かな……?」 トシ「清澄・白糸台・宮守・小鍛治……全員だねぇ。」 トシ「それじゃ役者も揃った事だし、始めるとしようか。」 豊音「緊張するよー……」 照「…………」 咲「京ちゃん……」 恒子「それじゃ中に居る人たちにアナウンスしますね。」 マイクのスイッチを入れて内部に居る京太郎君たちにアナウンスを流す。 今回ばかりはいつもと違う空気に緊張した。 『持ち点50000点オカ・ウマなし、大会と同様のルールの東南戦です、それでは場決めをしてください。』 たったそれだけのアナウンスをしたあと、マイクのスイッチを切った。 これから文字通り自分の存在を懸けた京太郎君たちの戦いが始まる。 東:清澄 南:白糸台 西:宮守 北:小鍛治 「「「「よろしくおねがいします」」」」 東一局0本場 京太郎(清澄)(悪くはない配牌だと思うけど……こっからどう進めればいいのかがわからない……)タンッ 京太郎(白糸台)(とりあえず様子見かな、地力じゃ小鍛治が一番強そうだな。)タンッ 京太郎(宮守)(オカルトや能力も警戒しないとな……)タンッ 京太郎(小鍛治)(多分、地力でいうなら俺に次いで、白糸台、宮守、清澄の順だな……)タンッ 京太郎(小鍛治)(ただ、白糸台と宮守は何か隠し持ってそうだ。) 京太郎(小鍛治)(うだうだ考えるのは良くないな、速攻で行く!) 10順目 京太郎(小鍛治)「リーチ」タンッ 京太郎(清澄)(安牌とかわかんないぞ……一体どれを切れば……) 京太郎(清澄)(わっかんねー!ええいこれだ!)タンッ 京太郎(小鍛治)「ロン、裏は……無しで12000。」 京太郎(清澄)(親が流れて12000……やっべー……) 清澄:38000(-12000) 白糸台:50000 宮守:50000 小鍛治:62000(+13000(供託棒込み)) ―――――― ―――― ―― 南一局0本場 京太郎(清澄)(これで二回目の親……なんとか取り返さないと……) 京太郎(宮守)(このまま引き離されるのはまずい……) 京太郎(宮守)(それにそろそろ他の俺が能力使い始めてくるころか……) 京太郎(宮守)(牽制をかけさせてもらうぜ。) 京太郎(小鍛治)「リーチ」タンッ 京太郎(清澄)(やばいやばいやばい!ここでふったらどうしようもないぞ!?) 京太郎(清澄)(と、とりあえず、現物を……)タンッ 京太郎(宮守)「追っかけリーチだ。」タンッ 京太郎(小鍛治)(来ない……もしかして俺のリーチを待っていたのか?)タンッ 京太郎(清澄)(こっちもリーチかよ!?とりあえず安牌を……)タンッ 京太郎(宮守)「ツモ、1300・2600。」 京太郎(白糸台)(やっぱり能力を使ってきたか……) 清澄:32400(-2600) 白糸台:59900(-1300) 宮守:46300(+7200) 小鍛治:61400(-1300) 南二局0本場 京太郎(白糸台)(俺の親……能力使うならここしかないな……) 京太郎(白糸台)(俺も負けるわけに行かないから、遠慮無しに使わせてもらう。) 10順目 ヒーロー 京太郎(白糸台)「俺さ……正義の味方に憧れてたんだ……」タンッ 京太郎(白糸台)「みんなを守れる存在に憧れてたんだ……」 京太郎(白糸台)「でも、最近気付いた、俺が本当に守りたいもの。」 京太郎(白糸台)「それは、たった一人の女の子の笑顔なんだよ……」 京太郎(白糸台)「だから、俺はあの人の笑顔を曇らせたくねぇ……」 京太郎(白糸台)「俺は俺の『太陽』に笑っててほしいからだ!!」 京太郎(白糸台)「ツモ!500オール!」 照「京ちゃん……京ちゃんも私にとって『太陽』だよ……だから京ちゃんも笑っていて……」 清澄:31900(-500) 白糸台:61400(+1500) 宮守:45800(-500) 小鍛治:60900(-500) 南二局1本場 8順目 京太郎(白糸台)(俺はずっと照ちゃんと打ってきたんだ……) 京太郎(白糸台)(照ちゃんの打ち方を思い出せば……) 京太郎(白糸台)(よし!張った!) 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(宮守)(さっきより早い!) 京太郎(白糸台)「まだだ、もっと晴らしてやる!」 京太郎(白糸台)「ツモ!1000オールは1100オール!」 照「大丈夫、京ちゃんならもっと輝ける、周りを照らせる。」 清澄:30800(-1100) 白糸台:64700(+4300) 宮守:44700(-1100) 小鍛治:59800(-1100) 南二局2本場 7順目 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(白糸台)「ツモ!2000オールは2200オール!」 京太郎(宮守)(これはまるで宮永照の……) 京太郎(小鍛治)(ここいらで止めないとまずいな……) 照「ここからが正念場……」 清澄:28600(-2200) 白糸台:71300(+7600) 宮守:42500(-2200) 小鍛治:57600(-2200) 南二局3本場 6順目 照(お願い、このまま突っ切って……) 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(宮守)(やばい、止まらない!)タンッ 京太郎(小鍛治)「ポン!」カッ 京太郎(小鍛治)「俺にはオカルトも、麻雀における非凡な才能なんかもない……」タンッ 京太郎(小鍛治)「ただ、ひたすら、34種136枚で作られる役のパターンを、対局者のタイプを見極めて打ってるだけだ。」 京太郎(小鍛治)「それを十年間繰り返して、覚え続けて来たんだよ……」 京太郎(小鍛治)「それも最高の"先生"の元で……だから!」 京太郎(白糸台)(ツモ順が……!)タンッ 京太郎(小鍛治)「だから修羅場をくぐった数だけは誰にも負けねぇぇッ!!」 京太郎(小鍛治)「そいつだ!8000は8900!」 京太郎(白糸台)「ぐっ!?掴まされたッ!」 京太郎(小鍛治)「俺は絶対に負けられねぇ……」 京太郎(小鍛治)「なにせ、俺の『ただいま』を待ってくれてる人がいるから……」 健夜「私も……『おかえり』って言えるよう、応援してるからね。」 清澄:28600 白糸台:61400(-8900) 宮守:42500 小鍛治:67500(+9900) 南三局0本場 京太郎(清澄)(上がれねぇ……このまま行ったら焼き鳥だ。) 京太郎(清澄)(これは覚悟した方が良いかな……) 京太郎(清澄)(俺、消えるのかな……) 京太郎(宮守)「…………」 京太郎(宮守)(なんて面してんだ……あいつ……) 京太郎(宮守)(まるで世界が終わっちまったみたいな顔しやがって。) 京太郎(宮守)(…………) 京太郎(宮守)(何、敵に塩を送ろうとしてるんだ……) 京太郎(宮守)(今は自分の身すら危ないってのに……) 京太郎(宮守)(…………) 京太郎(宮守)(迷った結果なら仕方ないよな?) 京太郎(宮守)(思いっきり迷った結果なら……) 京太郎(宮守)(行くぜ……ちゃんと見てろよ、清澄の俺。) 京太郎(宮守)「チー」カッ 京太郎(宮守)「ポン」カッ 京太郎(宮守)「ポン」カッ 京太郎(宮守)「チー」カッ 京太郎(白糸台)(あっという間に4副露……) 京太郎(宮守)「俺はずっと一人ぼっちだと思っていた。」 京太郎(小鍛治)(…………?)タンッ 京太郎(宮守)「ずっと一人で生きていくもんだと思っていた……」 京太郎(白糸台)(いきなりなんだ……?)タンッ 京太郎(宮守)「でもな、そう思っていた俺でも……」 京太郎(宮守)「拾われて、迷って、色々あって大切な絆が出来た。」 京太郎(清澄)(…………)タンッ 京太郎(宮守)「だから……もう――」スッ 京太郎(宮守)「俺も!」 京太郎(宮守)「お前も!」 京太郎(宮守)「もう一人ぼっちじゃねぇ!!」ダンッ! 京太郎(宮守)「ツモ!2000オール!」 豊音「京太郎君……君のおかげで、もう私、ぼっちじゃないよー……」 京太郎(白糸台)「裸単騎から一巡で……!」 京太郎(宮守)「その塞がった目を開いて、もっと周りを見てみろよ……」 京太郎(宮守)「そしたら見えてくるはずだぜ、大事なものが。」 京太郎(清澄)「……!」 実況席に目をやると今にも泣きそうな『あいつ』が居た。 いつも隣にいると思っていた『あいつ』は今は遠くにいるけど…… それでも俺はいつだって『あいつ』の笑顔を守りたいと思っている。 京太郎(清澄)(やっぱり女の子を泣かすなんて最高にかっこ悪いよな……) 京太郎(清澄)(足掻いてやる!どんなに絶望的な状態だって!!) 清澄:26600(-2000) 白糸台:59400(-2000) 宮守:48500(+6000) 小鍛治:65500(-2000) 南三局1本場 京太郎(清澄)(たった少しでもいい……少しでも点数を稼ぐんだ……) 京太郎(宮守)(これは……酷い配牌だな……) 京太郎(宮守)(他の奴らにこれ以上差をつけられるのはまずいな……) 京太郎(白糸台)(小鍛治だけは上がらせないようにしないと……) 京太郎(小鍛治)(多分流局かな……このまま逃げ切ってやる。) 18順目 流局 京太郎(清澄)「聴牌」 京太郎(白糸台)「ノーテン」 京太郎(宮守)「ノーテン」 京太郎(小鍛治)「聴牌」 京太郎(宮守)(ここに来て親流れ……痛いな……) 京太郎(小鍛治)(まだ油断は出来ないが次でオーラス、多分逃げ切れるな……) 京太郎(小鍛治)(だが、なにか嵐の前の静けさみたいな感じがするのも確かだ……) 京太郎(清澄)(これで圏内……) 清澄:28100(+1500) 白糸台:57900(-1500) 宮守:47000(-1500) 小鍛治:67000(+1500) オーラス 京太郎(白糸台)(泣いても笑ってもこれが最後だ……) 京太郎(清澄)(この配牌……發三枚、中二枚、そして白一枚……) 京太郎(清澄)(無理やり鳴いてでも掴んでみせる……) 京太郎(宮守)(さっきは清澄以外ノーテンだったが、今度はいい配牌みたいだな……だが俺らは誰一人引く気はないみたいだぜ?) 京太郎(白糸台)(俺は俺自身のために……俺の『太陽』のために生きる。) 京太郎(小鍛治)(…………) 7順目 京太郎(白糸台)(勝つには親に5200直撃か6400のツモ……チートイにドラ二つ乗せるだけなら簡単に行けそうだな。) 京太郎(小鍛治)(点数的に白糸台、宮守の順で警戒しないといけないんだが……) 京太郎(小鍛治)(宮守・白糸台のパターンは見切っている……) 京太郎(小鍛治)(後は清澄の打ち方のパターンだが、この点数差だ、狙う手は限られてくる。) 京太郎(小鍛治)(恐らく清澄の俺は役満を狙ってくるはずだ……) 京太郎(小鍛治)(そして多分、この浮いた生牌がそのはず。) 京太郎(小鍛治)(今の内に潰しておけば何とでもなる。) 京太郎(小鍛治)(鳴け……こいつを鳴け!清澄の俺!)タンッ 中 京太郎(清澄)「ポン!」カッ 中中中 京太郎(小鍛治)(よし、食いついた、やつの役満手は封じた!) 10順目 京太郎(宮守)(俺も倍満をツモるか跳満をトップに直撃させないといけない。) 京太郎(宮守)(これでダマでも跳ね満聴牌……)タンッ 白 京太郎(小鍛治)「ポン!」カッ 白白白 咲「そんな!?」 京太郎(白糸台)(さっきの中は潰しに行きやがったのか……) 京太郎(小鍛治)(これで役満にはできねぇだろ!) 京太郎(小鍛治)(あとは宮守と白糸台に注意して逃げきるだけだ!) 京太郎(清澄)(くそっ!大三元が潰されちまった!) 京太郎(清澄)(中を鳴いちまってるから『国士無双』『四暗刻』『緑一色』『清老頭』『九蓮宝燈』は無理だ。 ) 京太郎(清澄)(風牌は場に出ちまってて『小四喜』も無理。) 京太郎(清澄)(今から手を変えて『字一色』なんてとてもじゃないけど間にあわねぇ……) 京太郎(清澄)(もう残ってる役満なんて……) 京太郎(清澄)(……!!) 京太郎(清澄)(あったじゃねえか!一つだけ!) 17順目 咲(あの手……京ちゃん、もしかして!?) 京太郎(小鍛治)(潰したはずの清澄の俺が一向に諦める気配がない……) 京太郎(小鍛治)(むしろ……いや、そんなことはありえない……) 京太郎(清澄)(手は揃った……あとはあいつからあの牌を出させるだけ!) 京太郎(清澄)(来い……来い…来い!来いッ!!) 咲(お願い!来て!) 京太郎(小鍛治)(何だ?清澄の俺は一体何を企んで……) 京太郎(小鍛治)(いや、どっちにしろ奴には手がもう無ぇんだ……ッ!) タン 九 咲「……!!」 京太郎(清澄)(ありがとう、咲……) 咲「来た!」 京太郎(清澄)「ははは……」 京太郎(宮守・白糸台)「「?」」 京太郎(小鍛治)「何だ?今になって勝利の女神でも微笑んだのか?」 京太郎(清澄)「微笑む……?それは違うぜ……ッ!」 京太郎(清澄)「生憎なぁ……」 京太郎(清澄)・咲「「カン!」」カッ 九九九九 京太郎(宮守)「ここで大明槓!?」 京太郎(清澄)「俺の女神はなぁぁッ!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「もういっこカン!」」カッ 發發發發 京太郎(白糸台)「立て続けに……!!」 京太郎(清澄)「微笑むんじゃねぇぇッ!!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「もういっこ!!カン!!」」カッ ④④④④ 京太郎(小鍛治)「!!まさか!?」 京太郎(清澄)「横っ面をひっぱたくんだよおッ!!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「最後のいっこ!!カン!!」」カッ 中中中中 スゥ 京太郎(小鍛治)「引くなああぁぁッ!」 ダンッ! ⅡⅡ 京太郎(清澄)「リンシャンツモ!責任払いで32000!!」 京太郎(小鍛治)「この土壇場で捲くられた……ッ!」 京太郎(小鍛治)「それも……最も難しいと言われる役満を……ッ」 京太郎(清澄)「……俺一人じゃ、とてもここまで来れなかったよ。」 京太郎(小鍛治)「……そうか。」 京太郎(白糸台)「そろそろお姫様たちが来る頃だと思うし、とりあえずちゃんと終わっておこうぜ。」 京太郎(小鍛治)「そうだな。」 京太郎(宮守)「んじゃ、せーの――」 京太郎s「「「「ありがとうございました!」」」」 清澄:60100(+32000) 白糸台:57900 宮守:47000 小鍛治:35000(-32000) 【たった一人の対局者・たった一人の勝者】 対局室の扉が開き、ぞろぞろと人が入ってくる。 各俺の関係者達だ。 照「京ちゃん!」 京太郎(白糸台)「照さん……」 照「京ちゃん消えちゃうの……?」 京太郎(白糸台)「そういうことになるかな……」 京太郎(白糸台)「ごめんな……照さん。」 照「謝らないで……」 京太郎(白糸台)「折角、応援して貰ったけど勝てなかったよ。」 京太郎(白糸台)「ヒーローにはなれなかったな……」 照「…………」 京太郎(白糸台)「照さん、あんまりみんなに迷惑掛けちゃダメだよ?」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「でも無理はしないように。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「困った時は菫さんを頼ってもいいと思うし。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「あまり仏頂面にならないようにね、他の人に誤解されやすいんだから。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「友達は大切にな。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「それから……」 京太郎(白糸台)「最後に、俺が居なくても妹さんとちゃんと仲直りしてくれよな……」 照「…………うん。」 京太郎(白糸台)「そろそろかな……」 照「!……」 行っちゃ、やだ。 行かないで、京ちゃん。 私まだ、あなたに伝えてない事があるんだよ…… 今まで思っていたあなたへの気持ち…… だから、もうちょっとだけ待って。 今、勇気を出すから。 あとちょっとだけまってよ……京ちゃん…… 照「京ちゃん……」 京太郎(白糸台)「照さん……」 照「京ちゃん、大好き……」 京太郎(白糸台)「ああ、俺もだよ、『照ちゃん』。」 照「!……行か……ないで……」 私は京ちゃんに抱きつこうとしたが…… 少し遅かった。 抱きつく瞬間、京ちゃんは煙のように霧散してしまった。 消えていった京ちゃんを見て、自分でもわからないくらい涙が流れる。 頑張って我慢しても嗚咽は出てしまう。 照「……ウッ……ウッ……」 さよなら愛しい人、さよなら初恋の人。 両思いだとしても実らない恋もあるんだ…… 初恋は実らないって聞くけど、こんなに辛い物だとはしらなかった…… 後で咲と仲直りしよう、そして仲直りしたら、思いっきり泣こう。 だからあとちょっとだけこのまま泣いててもいいよね? 健夜「京太郎君……」 京太郎(小鍛治)「すみません、負けちゃいました。」 健夜「京太郎君は良く頑張ったよ……」 京太郎(小鍛治)「これから俺はいなくなっちゃいますけど……」 京太郎(小鍛治)「早くいい結婚相手を見つけておじさん達を安心させてくださいよ?」 京太郎(小鍛治)「あと、あんまりお酒とか飲みすぎて、体を壊したりしないでくださいね。」 京太郎(小鍛治)「それと恒子さん、こんなダメな人ですが、よろしくお願いします。」 恒子「任せなさい、京太郎君!」 健夜「京太郎君、これからいなくなっちゃうっていうのに、私の事の方が心配なんだ……」 ダメだ、せめて笑って送り出そうと思ったのに声が震えてしまう…… 我慢しているのに、涙が零れてしまいそうになる…… 京太郎(小鍛治)「健夜さんは意外とそそっかしいところとかあるんで放っておけないんですよ……」 京太郎(小鍛治)「まあ、おじさん達がいるから大丈夫だとは思いますけど。」 健夜「うん、京太郎君……はい。」 私は堪える涙を見られぬように手を広げて、彼を抱きしめた。 京太郎(小鍛治)「……健夜さん、いや――」 京太郎(小鍛治)「いままで……ありがとうございました、『姉さん』。」 彼は、私の腕の中で煙のように消えていった。 健夜「京太郎君、私こそありがとうね……自慢の『弟』だったよ……」 恒子「すこやん……今夜は一緒に飲みに行かない?」 健夜「うん、ありがとうね……こーこちゃん……」 今夜は、今夜くらいはヤケ酒を呑んで愚痴を溢してもいいよね? ちょっと思い出話と『弟』の自慢も入るけど。 祝勝会が出来なかったのは残念だったよ…… 大丈夫、いつかは立ち直るから……だから、今夜だけは飲もう、飲んで泣いちゃおう。 京太郎(清澄)「なあ、なんであの時俺にはっぱかけたんだ?」 京太郎(宮守)「俺はお前でもあるからな……」 京太郎(宮守)「お前が湿気た顔してたから昔の自分を思い出したのかもな……」 京太郎(宮守)「ま、それで負けてるんだから世話無いな。」 豊音「京太郎君……」 京太郎(宮守)「豊音さん、友達、大事にしてくださいね。」 京太郎(宮守)「それと、シロさんにはちゃんと自分で動くように言って置いてください。」 京太郎(宮守)「あとみんなには『今まで迷惑かけてごめん』と伝えておいてください。」 豊音「……うん、わかったよー……でも。」 豊音「誰も迷惑かけられたなんて思ってないよー。」 京太郎(宮守)「そうですか、それはよかったかな……」 京太郎(宮守)「トシさん他の二人が消えていったのは……」 トシ「多分、"納得"したからだろうね……」 京太郎(宮守)「やっぱりそうでしたか……」 京太郎(宮守)「みんなのことをよろしくお願いします。」 トシ「言われるまでもないさ……」 京太郎(宮守)「そうでしたね。」 京太郎(宮守)「それじゃあ、みなさんお元気で、また会った時はよろしく。」 豊音「……!」 そう言い残した彼は消えていった…… 私が望んで引いた友の手は、今度は運命が友を引いてしまって行った。 言い知れぬ感情が私の心を支配する…… 豊音「京太郎君……ちょー……さみしいよー……」 ぽろぽろと私の頬を伝うもの理由は、かけがえのない友との別れの為か、それとも…… ただ、今となっては確かめるべき相手はいない。 例えこの感情がなんなのかとわかっても、帰ってこない相手には伝えられない。 彼は帰ってこないのだ…… トシ「豊音……今は思いっきり泣いておきなさい。」 豊音「……熊倉先生は、泣かないんですか?」 トシ「……みんなに伝えた後、私は外で泣くよ。」 トシ「しかし、あの子も随分あっさりいったねぇ……」 トシ「『また会った』時か……年功序列で私が最初に会うんだろうか……」 そう言って熊倉先生は対局室から出て行った。 涙で霞む視界ではあったが熊倉先生の目には薄っすらと涙がたまっていた気がした。 咲「京ちゃん。」 京太郎(清澄)「咲、勝ったぞ。」 咲「うん……おめでとう……」 京太郎(清澄)「ありがとう、と言っても、この場じゃ素直に喜べないけどな……」 咲「……みんな、泣いてるもんね……」 京太郎(清澄)「しかし、勝ったと思ったら急に疲れが出てきたよ。」 咲「大丈夫、京ちゃん?」 京太郎(清澄)「ああ、問題な――」 おかしい、俺の足に力が入らない…… 気が抜けたからか、それとも他の俺が消えたからか。 体が傾く刹那、咲の瞳が見えた。 なにそんなにびっくりした顔してるんだ? 徐々に地面が迫ってくる。 地面と衝突する瞬間、地面が水面へと変わった。 海のような広大な水の中に俺一人沈んでいく。 中から見る水面はきらきらと輝いていた。 ああ、なんて気持ちが良いのだろう。 このまま水の中に沈んでいたい。 そんな感情に浸っていると、俺の顔をした何かがやってくる。 一つが俺に重なって入ったと思ったら、頭の中に映像が浮かんできた。 ここは東京だろうか俺の家がある。 あ、照ちゃんがいる。 小学生の時の記憶だな。 今度は中学生の時の記憶か。 照ちゃんと麻雀やってる……ははは、この頃の俺って麻雀下手だな。 次は高校生になってからだ。 先輩と話している。 淡もぶー垂れながら俺に絡んできた。 菫さんとはなんか同じ苦労話をしてたな。 でも、何でこんなこと知っているんだろう…… また俺が入ってきた。 頭の中に映像が浮かんでくる。 茨城の家だ。 おじさんとおばさんがにっこりと笑っている。 健夜姉さんが俺の後ろから麻雀を教えてくれてる。 夜には姉さんと一緒に寝てる。 次は俺が中学生の時の記憶…… インターミドルに出て初めて勝ったときのだ。 姉さんはうれしそうな顔をしている。 同時にちょっと困った顔をしていた。 今度は高校に入った時の記憶…… 地区予選突破したから姉さんに報告した。 姉さんもおじさんもおばさんもうれしそうだった。 でもやっぱり姉さんはちょっと困った顔をしていた。 今度のは恒子さんに出会ったときの記憶…… 姉さんがいじられてる。 なにか新鮮な気がした。 滅多に見られない姉さんだった。 なんでそんな事がわかるのだろう…… 映像をみると言うよりは、思い出すと言う感覚に近い。 三つ目の俺が入ってきた。 何かの施設だろうか。 あまり記憶に残ってない。 トシさんと出会った。 トシさんの家に引き取られた。 トシさんに連れられて暗い洞窟に入った。 暗くて何も見えない。 誰も居ない怖さをここで知った。 その内声が聞こえた。 女の人の声だ。 女の人と洞窟を抜けて顔をみる。 シロさんと俺の顔は泥で汚れていた。 思わず笑ってしまった。 次の記憶。 塞さんと出会った。 塞さんは俺の傷を塞ぐと言ってくれた。 何故か心が温かかった。 今度は豊音さんと会った時の記憶。 何も無い村にひっそりと建っていた家屋。 中に入ると何も無いような部屋に豊音さんがぽつんと座っていた。 何か驚いていたようだ。 友達がいないと言っていたので、俺が友達になると言った。 豊音さんはうれしそうな顔をしていた。 高校に入ってからの記憶。 麻雀部に入ってみた。 そこには見知った顔が二人居た。 塞さんとシロさんだ。 ちょくちょく会っていたので感動の再会とは行かなかった。 胡桃先輩もいる。 マナーにうるさく、小さい事を気にしていた。 それから部室にトシさんが入ってくる。 どうやら顧問だったようだ。 ちょっとだけ時間が飛んで部室に入ると豊音さんがいた。 制服姿を見るのは新鮮だったかも。 エイスリン先輩もやってきた。 初めは言葉が通じなくて苦労したけどジェスチャーで意思疎通した。 その内に小さいボードをプレゼントしてみた。 これでみんなと話せると思って喜んでいたようだ。 結局、絵だけでは要領を得ないのでシロさんと俺が翻訳するはめになっていたのだが…… どうしてこの出来事を知っているのだろう…… いや元々知っているんだ、思い出しているんだ…… ああ、そうかどれもこれも全部含めて"俺"なんだ。 全部ひっくるめて俺だったんだ。 全てを思い出した俺のところに何かがやってきた。 そのなにかは誰かは見覚えのある顔をしていたがはっきりとはわからない。 そのなにかは俺の手を掴み、水面まで引っ張り上げていく。 水面近くまで来ると、何かが聞こえてきた。 ……ちゃ……う……ちゃん……きょ…ちゃ… 聞き覚えがある声だ。 「……咲?」 「京ちゃん!」 咲「もう京ちゃん、いつまで寝てるの?」 京太郎「わりー、……昨日から徹夜でゲームやっててさ。」 咲「何のゲームやってたの?」 京太郎「……麻雀。」 咲「京ちゃん、少しは上手くなったの?」 京太郎「まぁ、少しはな。」 ああ、そうだ思い出した。 これから俺はやり直すんだ。 咲にもう一度麻雀をやらせる為に。 咲と照ちゃんを仲直りさせる為に。 今まで力になれなかったみんなの為に。 そしてみんなの力になれなかった無力な俺の為に。 俺は何回もやり直したんだ。 白糸台の俺が育んできた十年。 小鍛治の俺が打ってきた十年。 宮守の俺が迷い続けて、救われた数年。 全部ひっくるめた俺の人生。 そして俺を引っ張り上げたあいつ。 ここから始まる、これから始まる。 本当の俺が打つ麻雀が…… 優希「おい!犬!咲ちゃん!早く打とうじぇ!」 京太郎「おう、今から鍛えてやるぜ。」 優希「犬の分際で私を鍛えるとか何事だじぇ!?」 咲「……自信あるんだね。」 京太郎「死ぬ思いをしてまで頑張ったんだ、そのくらいはあるさ。」 京太郎「俺の集大成が通用しなかったら姉さんやトシさんに笑われちまう。」 咲「???」 咲「誰?トシさんって?それに京ちゃん一人っ子じゃなかったっけ?」 和「それより早く打ちましょう。」 京太郎「んじゃ、まずは咲に六曜対策を、タコスには九面対策を、和には塞さんの……いや、普通(小鍛治)に打つかな。」 和「何のお話ですか?」 京太郎(真)「気にすんな、それより始めようぜ。」ゴッ 優希「私の親だじぇ!」 京太郎(真)「まずは照魔鏡かな、ついでに照ちゃん対策も仕込むか。」 咲「え?」 京太郎(真)「どうした、咲?」 優希「とりあえず先制リーチ!」 和「3順目でリーチ……」 優希「ツモ!6000オールだじぇ!」 和「一発ですか……」 咲「流石優希ちゃん……」 優希「どうした犬!さっきの威勢は何所に行ったんだじぇ!?」 京太郎(真)「安心しろ、まだ始まったばかりだ。」 京太郎(真)「それに大体わかったし。」 優希「ふふん、またリーチだじぇ!」 京太郎(真)「そうか俺も追っかけリーチだ。」 和・優希・咲「!?」 優希「犬が追っかけリーチとかまぐれに決まってるじぇ!」 優希「それにこれを引けば……!?」 京太郎(真)「わりぃが少しだけ『塞』がせてもらった。」 京太郎(真)「咲、これからやるのが先負だ。」 優希「まさか……」タンッ 京太郎(真)「ツモ、……裏無し、2000・4000。」 咲「これが先負?」 京太郎(真)「そういうこと。」 和「すごい偶然ですね。」 京太郎(真)「……和には対策いるのか?不安になってきたぞ……」ショボン 優希「次だじぇ!次!」 和「はいはい、優希は落ち着いてくださいね。」 京太郎(真)「チー」カッ 京太郎(真)「ポン」カッ 京太郎(真)「ポン」カッ 京太郎(真)「チー」カッ 優希「鳴いてばっかでどうするんだじぇ、手がバレバレだじょ。」 京太郎(真)「俺も、お前も、ぼっちじゃねえよ……」ボソッ 京太郎(真)「ツモ、1300・2600」 京太郎(真)「これが友引だ。」 和・咲「!」 咲「裸単騎からの一巡目で和了……これが友引……」 和「須賀君!点数計算が出来るようになったんですね!」 京太郎「あれ!?そこ!?」 和「だって4飜30符・3飜60符以下の計算出来てなかったじゃないですか!」 京太郎「実は満貫すらも怪しかったんだけどなー」 優希「!!そういえばそうだじぇ!」 咲「きっと隠れて特訓したんだよ。」 優希「誰に教えてもらった!」 京太郎「ふふん、某国内無敗のプロと某今年のインターハイ王者と言っておこうか!」 優希「おう……犬の妄想が迸ってるじぇ……」 和「で、本当のところはどうなんですか?」 京太郎「姉さんと幼馴染。」 優希「咲ちゃんか!」 咲「え?私教えてないよ!?」 京太郎「咲とは中学からだもんな。」 京太郎「さっきの二人は小学の頃からの付き合いだ。」 和「お姉さんなのに小学生からなんですか?」 京太郎「……複雑な家庭環境でして。」 咲「京ちゃん、ちゃんと目を見て話そうよ……」 優希「京太郎……モテないからってそういうゲームに手を出して妄想するのはよくないじぇ……」 和「そういうゲーム?」 優希「18禁のエッチなゲームだじぇ」 和「須賀君……」ジトー 京太郎「違うって!誤解だって!」 優希「大丈夫だじぇ!エッチなゲームをしてるからといって見捨てないじぇ!ダーリン!」 京太郎(真)「もう怒った!てめぇにはもう親番回さねぇ!」 久「元気ねぇ、部室の外まで聞こえてきたわよ?」 まこ「高校生はそんぐらいでちょうど良いんじゃ。」 優希「ひどいじぇ……」 優希「特に連荘中に『ちょいタンマ』をしたときは……」 咲「京ちゃんの下家だったから私にも回ってこなかった……」 咲「ダブロンしても京ちゃんの方が優先されちゃうし……」 京太郎(真)「頭ハネって便利だよな……」 咲「そもそもなんで私が鳴いたら3回もカンするの!?」 京太郎(真)「照魔鏡って便利だよな……」 和「SOA、SOA、SOA……」 京太郎「……なんかごめんなさい。」 和「ハッ!?今小さい須賀君と遊んでました!」 京太郎「和……ついにネット麻雀のやりすぎで頭が……」 和「そんなオカルトありえません。」 久「一体ここ数日でなにがあったのかしら?」 まこ「きっと血の滲む様な努力をしたんじゃろう。」 京太郎「ええ、そりゃもう数十年分の努力ですよ。」 久「まだ15歳なのに数十年とはおかしな話ね?」 京太郎「……それだけ密度の濃い特訓だったんですよ。」 『俺たち』が、自分の存在を懸けたあの対局は…… 『俺たち』にはスタートだったんだ、みんなにとってはゴールでも。 多分、照ちゃんも、健夜姉さんも、トシさんや豊音さんと会っても『俺たち』の事は分からないかもしれない。 それでも確かに会ったし、在ったんだ。 『俺たち』の出会いも、『俺たち』の人生も、確かに在ったんだ。 今度どこかに遊びに行こう。 ありったけの小遣いを使ってみんなの所に行ってみよう。 例えみんなが、『俺たち』のことを思い出さなくてもいい。 ただ、みんなに会いたいんだ。 この世界でも。 いや、どの世界でも…… みんなに会いに行きたい。 【重なった世界・やり直した世界】 京太郎(清澄)・咲「「カン!」」
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黒髪の女と金髪の男が歩いている。 夜空の下だ。月下に晒され、互いの姿が照らされている。 「じゃあ、東横さん、俺はここで」 「はい、さよならっす」 立ち止まったのは、バスの停留所の前だ。別れを告げ、ゆっくりと名残惜しげに女のほうが去っていく。 数度、振り返るたびに、寂しそうな笑みを男に向けて。 〇 炎天下だ。既に七月ともなれば太陽はその勢力を増し、勢いを強める。 汗が滴る。額の水滴を白のワイシャツの袖で拭い、男は一息をついた。金髪の男だ。 端整な顔立ちは軽い歪みを見せ、息は喘いでいる。 「ああ、くそ、何で俺はこんなところに来ているんだか」 男はぼやくかのごとく呟く。 理由はあった。男はとある部活動に所属していた。麻雀部という。 清澄高校麻雀部。今年県予選を突破し、インターハイに出場することになった。弱小――、否"元"弱小部だった。 男はそこに所属していたが、男性部員は男一人しかいないが故に、ある種雑用ともいえる立場に存在している。 男はそれをどうと思ったことはない。男自身、自身が弱いと理解しているし、女性に頼りにされるのは嫌いではない。 何より、女性に頼られるというのは男としてひとつのナルシチズムとでもいう何かをくすぐられるのは快感だ。 ――まあ、それが雑用という立場というわけだが。 努力をしていないわけではない、入部してすぐに役は覚えた。符計算もできる。戦術とその理論も理解した。 されど、結局のところ――、圧倒的に経験が足りない。 「まあ、俺は俺のペースでゆっくり行けばいいさ」 男は息を整え、歩みを続ける。 と、 「わ」 「きゃ」 衝撃がくる。鈍く感じたそれは人と接触したものだ。当たったそれは軽く此方に損傷はないが、 「あたた……」 男の目の前に、一人女が尻餅をついていた。 ああ、と男は呻いた。 ――少しボーっとしすぎたかな。 失敗したな、と思いつつ、男は手を差し伸べ、 「えっと、ごめん。立てる?」 声をかけた。 沈黙。 ――あれ、俺何か間違えたことしたか? 思考の波が来る。対応を間違えたとは思わない。少なくとも紳士的な行為に分類されるはず――、はずだ。 「あ、あの」 声。控えめに女の声が来る。 「貴方は、私が見えるっすか?」 女の問いを不可思議に思いつつ、 「ああ」 肯定の意を示した。 「そ、それ本当っすよね? 実はからかったりしてるとかそういうオチじゃないっすよね!!!??」 「??? あ、ああ」 弾丸を髣髴とさせる勢いで女がまくし立てる。男は意図がわからない。 まあ、とりあえず――、 「と、とりあえずどこか座れるところでゆっくりしよう」 男は提案した。 都会というにはこじんまりしている。精々、市とでも呼ぶ規模の一意の片隅に小さくまとまった喫茶があった。 モダン調で明治を髣髴とさせる。外装は赤いレンガと目立つのに、意識せねば目立たないような喫茶だった。 店内は薄暗く、天井にはゆっくりと回転する三本の羽で構築されたオブジェが釣り下がっていた。 「いいところだね」 「そう思ってくれるっすか? それなら案内した甲斐があったっす」 既に汗は引いていた。 店内は薄く冷房が効いていて、快適だ。 男は、手を上げ、従業員を呼んだ。 「アイスコーヒー、二つ」 従業員は慣れた手つきで注文を書き込み、再度確認をとり厨房に戻った。 「え、と」 軽業、早業ともいえるそれにあっさりとおいていかれた女性の顔を見て、 「ああ、ここは奢り。気にしなくていいよ」 男は言った。 「でも」 女が声を続けようとするが、男は制止を促し、 「男はさ、格好つけたい生き物なのさ。ここは俺に格好つけさせておいてくれよ」 笑う。 「案外気障っすね」 女は釣られて笑った。 「褒め言葉さ」 そういえば、と、 「名前、聞いてなかったな。俺は須賀。須賀・京太郎。清澄高校の一年」 へえ、と女――桃子は声をもらす。 「結構、大人びてるのに一年っすか。ああ、私は桃子。東横・桃子。鶴賀学園の一年っす」 その言葉に、男――、京太郎は少し目を見開き、 「君、和と戦った子か」 「? しってるんっすか?」 知っているも何も、 「まあ、控えのほうで見てたからね」 「もしかして、やるんすか? 麻雀」 ま、ね、と、 「俺は弱いから、ただ見てただけだけどね」 情けないな、と思う。先ほど男は格好をつけたがる生き物と吐いた割にはまったく格好がつかない。 しかし、それを気にしてないかのように桃子は笑って、 「けど、続けてるんっすよね? 麻雀」 「ああ」 即答してみせた。 「なら、いいと思うっすよ。継続は力なりって言うっすしね」 そうだな、と男は思う反面、不安がよぎる。端的に言えば、怖い。 麻雀は今、はやっているというよりは世界的に認められた娯楽の一つだった。 多くの男女が職業のひとつとしてプロ麻雀師を目指すこともある意味普通だ。 規模は男性のほうが大きいはずだった。 ――焦り、だよな。 自分は自分のペースで、そんな思いの反面が京太郎の心を蝕む。 怖い。女性においていかれるということが怖い。 中学の三年を友人として過ごした女性においていかれている現在の状況が、 麻雀部の一人だというのにおいていかれているという状況が、否――、 ――怖い、か。 恐れている。自分が必要とされなくなる状況が。怖い。 県予選を突破し、インターハイに出場するとなれば知名度が上がる。 そうなれば来年の入部者が増えるのは明確で、しかし、だからこそ、 ――雑用としての立場すら失われていく、か。 もしも来年、入部者が現れれば雑用等の仕事も結果としてその入部者、来年の一年生に繰り越されることとなる。 だが、それは今の京太郎の立ち居地すら危うく――、 ――って、何考えてんだ、俺は!! 頭を振った。あまりにも嫌な未来予想図を振り払うかのように。 そもそも、来年まで雑用をやっているなんて考えている自分がみみっちい。 雑用しすぎて、犬根性が染み付いたのかもしれない。嫌なものだ。 「どうかしたっすか?」 桃子が不安そうに問うてきた。 なんでもない、と京太郎は言いつつ、 「そう言えば、東横さんは何であんなところに?」 京太郎は問う。 ありていに言えば京太郎は雑用で遠出をしていた。 清澄と鶴賀はほぼ反対の方向に位置し、用事がないならばあまり向かうこともない。 用事はひとつ、タコスだった。 部員の一人にタコスをこよなく愛する少女がおり、鶴賀のほうに新しくできたタコスの買出しを命じられたわけである。 本来ならば断るところだが、京太郎に断る意思はなかった。心理的な要因が閉めるのは確実で、 ――こういうのがだめなのだろうけど。 部活内部での立ち居地をどこか必死に守ろうと、断ることができない。 桃子は笑って、 「あ――、なんて言えば良いんっすかね。まあ、単純に言えば散歩なんっすけど」 何かを含んだような、笑み。 「ちょっと自分が分からなくなって」 顔に翳りが表れてくる。 「県予選でうちが負けて、三年の先輩たちが引退して」 あ、と桃子が笑って、 「そう言えば、前提が分からないっすよね」 私は、と桃子は、 「私は影が薄いんっすよ。須賀さん、カメラ越しだからわからなかったでしょうけど。普通の人に私は見えないんっすよ」 手を差し出され、 「握ってみてください」 京太郎は息を呑み、軽く桃子の手を握った。 熱がある。肉の感触が自身の手を包んだ。柔らかく、肉感的なそれは確かに生の鼓動を京太郎に穿つ。 「どうっすか」 「どうって、その、柔らかい、かな」 なんつーか、セクハラみたいなせりふだな、反省。と、思考し、 しかし、彼女は笑い、 「ありがとう」 手が離れていく。若干の名残惜しさを感じた。 「私は、私は確かにここにいる。だけど誰からも見えないほどに影が薄い」 「小さいころからね、私はこうだったんっすよ。ほら、出会ったとき、何度も確認しったっすよね? これが原因なんっす」 少しだけ楽しそうに、 「いつもいつもつまらない。一言で言えば灰色みたいな毎日は、先輩のおかげで終わった。終わったように見えたんっすよね」 しかし、寂しそうに、 「けど、やっぱり長くは続かないみたいで、ね」 「私をよく見てくれていた先輩も、大学に進学するとかで、特別補修だとかで顔を現すことが少なくなって」 「麻雀部での私の居場所が分からなくなったんっすよ」 それは、と、 「私はある意味、その先輩のために麻雀部に在籍していたから」 「そこに居続ける意味の支柱が抜け落ちたみたいで、なんというか空っぽみたいな――」 似ているな、と京太郎は思った。 彼女は自分に似ている。立ち居地に悩む。自分と。 まるで、空気みたいな――、 と、 「あはは、いや、すいません。急にこんな話振られても困るっすよねー」 彼女は笑う。無理をしたような、笑み、 京太郎は堪らず、 「良いなぁ」 そんな言葉を漏らしていた。 桃子は少し語りすぎたかな、と多少失敗したような感覚を思うが、唐突に来た声がそれをさえぎった。 「俺は、さ」 京太郎は、 「そんな風になれなかったから」 何かを搾り出すように、 「誰かのためになるほどの力がないから、雑用で甘んじて、それを仕方ないと思って」 告げてくる。 「分かってるんだ。努力が足りないってさ。身にしみてる。努力はしてても足りないってさ」 それは告解のようで、 「天性の才も、環境もなかったのに、努力しなきゃ追いつけないなんてとーぜんの理屈。なのに、俺はどこかで言い訳している」 懺悔のよう。 「"弱いから"そうやって逃げている」 あぁ、と京太郎は呻き、 「だから、羨ましい。嫉妬すら覚える。誰かのために、それだけの思いをもてる東横さんが羨ましい」 自嘲がくる。 「――悪い。今のも結局逃げだったよ。何よりも自分を思ってくれる何かを思う、なんて逃げだよな」 「東横さんとは状況が違うみたいだし、さ」 桃子は息を呑む。 その姿はどこか疲弊している。 そして似ていた。 ――本当に似ているっす。自分と彼は。 言葉にできないようなどこかが、自分と似ていた。 「悪い、今のオフレコ。気にしないでくれ」 京太郎が目元を手のひらで覆う。 それはまるで、見られたくないかのような仕草。しかし、桃子は見つめ続ける。 放っておけない。このままだと、どこかに消えてしまいそうな雰囲気があり、それは儚いような、きっとそんな感じ。 「失礼します。アイスコーヒー二つです」 割って入るように従業員の声がする。 テーブルに置かれたアイスコーヒーは既に水滴にまみれていた。 〇 帰りがけ、既に買い物を終えて、京太郎はバスに乗り込んだ。 そこそこ時間がたってしまった。 右手を見る。携帯を握る手はアドレス帳を開いており、 そこには新たに名前が加わっている。 『東横・桃子』 喫茶店で連絡先を交換して別れた。 帰り際に見せた笑顔は、どこか儚げだったことを覚えている。 『必ず、連絡くださいいっす』 そう言って、彼女は笑った。 消えてしまいそうだと思った。だが、 「暖かかったな」 握った手を思い返す。それは生の実感を感じさせるには十分だった。 ――さて、どうしようかね。 京太郎はメール画面を開き、文脈を思った。 そもそも、いつから京太郎は自らが、他者のために動くことを是としているのだろうか、と思考する。 ――ああ、そうだ。 あれは確かまだ、中学生のころか。 今だ、咲との仲が深くなっていない時期。接点が図書委員というだけの中だった時期。 放課後、一人、山積みとなった本に埋もれて読書をしている咲の隣に座った時だ。 京太郎もつられるように、何となく一冊の本を手に取った。 とったのは単純な自己啓発の本。タイトルはありきたり、内容は凡庸、ハードカバーで内容以上の値段。そんな本。 たまたまとったそれを、斜め読み、最初は捲る手もゆっくりだった。 しかし、捲るにつれてだんだんと速度は飛躍的に加速していく。 それを見つけたのは、いまだ自己形成段階の中学という時期だったからか、京太郎はあまりにもそれに影響を受けた。 否、受けてしまった。 『あなたは本当に必要な人間なのか』 『必要とされる人間になりなさい』 端的に言えば、そんな内容。 しかし、その言葉が嫌に響く。 金槌でたたかれたような、そんな気分。 それからだろうか、京太郎が他者のために自らをすり減らすようになったのは。 ○ まあ、それは、今となっては記憶の片隅にしまわれたモノ。 未だに夏の暑さは引くことを知らない。汗で張り付いたシャツが不快感をあおる。 涼しい場所で一服したいと、思うが、 ――"彼女"が来る前に移動もできるはずがないか。 吐息。 頬をかけば、水滴が指先につく。鬱陶しげに振り払う。 と、 「あ、須賀さーん、待ったっすか?」 声が来る。数日前に出会い、知り合った女の声だ。 「いや、待っていないさ」 京太郎は笑みを見せる。 しかし、女は目ざとく、 「須賀さん。汗でシャツ張り付いてますし、色も滲んでるっすよ? それ、十分二十分じゃならないっすから」 ばれてたか、と思うが、 「時間指定のミスのせいで待つことになったのは待つって言わないさ」 どちらかといえば地方に属する長野の地は、やはりバスの本数が少ない。 そのせいで適当に時間を指定した罰が当たったらしい。京太郎は炎天下の下で待つことになったわけである。 「むー、まあ、いいっすけどね」 どこか拗ねたような彼女が面白い。 「それじゃあ、行こうか」 京太郎は告げて、歩き出し、 「そうっすね」 その隣に沿うよう、彼女――、桃子も動き出した。 〇 出会いは三日ほど前。京太郎がいつものように雑用をしていたときだ。 どのような采配か桃子と出会った。 その後軽い連絡を取り続け、休日に会うことになったのだ。 「さて、どこに行こうか?」 京太郎は問う。 「さあ? っていうか、どこに行くか決めてなかったんすか?」 攻めるような視線を逸らしつつも、しかし、 「悪い」 素直に謝る。確かに、甲斐性としてはここは男性が動くプランを立てておくべきだった。 困った様子を見られたらしく、ほんの少しだけ笑顔を見せた東横は悪戯っぽく、 「うそっすよ」 笑って見せた。 不覚にもその笑顔は可愛い。 〇 「いやいや、面白いことになってますなー」 女の姿が見える。二人の影だ。 一人はどこか猫を髣髴とさせるトリックスター然とした女。一人は理知的に見える清廉とした女。 二つの影が追うのは一つの目標だった。 情報は理知的に見える女――加治木・ゆみからもたらされた。 東横・桃子の所属する部活の副部長、加治木が二日ほど前に携帯の前で挙動不審な後輩を見たことが原因だ。 最初は容貌が見えなかったが、だんだんと崩されていく断片的な情報が拾い集められ、 ・東横・桃子が男とであった。 ・その男は清澄高校の男である。 ・休日にデートする。 こういったことである。 「――情報を渡したのは正解だったのだろうか?」 加治木は頭を抱える。 興味があったのは事実だ。入れ込んでいる後輩が幸福を感受している姿は悪くない。 特にその後輩の桃子は自分に依存している節があった。 哲学的に言うのならば、永遠は存在しない。時に季節があるように、人も時を刻んで換わっていく。 だから、 ――これで、モモも変わることができればいいんだが。 分かれはある。必ずだ。望むも望まぬもかかわらず。 だから、後輩が良く変わっていくのを見届けたいと思う気持ちはある。 しかし、罪悪感はあった。 「なあ、今からでも遅くはない。尾行などやめたほうが――」 ふう、とトリックスター然とした女――、竹井・久は分かっていないな、そんな笑みを浮かべて、 「あのねえ、ここまできたら引くことなんてできるのかしら?」 う、と加治木は唸る。興味がなければここには居ない。 「だが」 「あ、ほら、行っちゃうわよ? 行きましょう」 進むことを前提としているかのように動く竹井に加治木は頭を抱え、 ――妙なことにならなければ良いが……。 自身が原因であることを忘れ、そう思ってしまう。 桃子は踊ることが好きだ。踊っているときだけは誰もが自分を感知する。 今ではかつてほどではあるが、だからといって嫌いになったわけではない。 「ほ、よ」 鮮やかな足並み、ステップを、小刻みに、粋に、軽い足取りで、 「と」 回転を一つ、そして静止。 ダンスゲームの筐体から降り、点数を見る。高得点。 「凄いな」 桃子はそんな京太郎の呟きに心を良くし、自慢げに胸を張る。 「当然っす」 「いや、本当に凄いよ」 少なくとも俺には無理だ、と京太郎は言う。 ――無理、か。 桃子は、京太郎がその言葉を口に挟むとき、どこか暗いものを吐き出しているように感じる。 自分には無理だ。そういうことを言って、自己を正当化する感覚。 それは、味わったことのある感覚で、 ――そう、無理、っす。 かつてがいつかを侵食し、いまになる。 自分は今、かつてほど無理を思うことはなくなっていた。 ――助けたいっすよね。 傲慢かもしれないが、それはかつて敬愛する加治木から与えられたそれであり、 かつて背負い込んでいた無力感を感じている目の前の人を、 ――少しでも和らげたい、そう思うのは傲慢じゃないっすよね? 思う。 「須賀さん、無理、なんてそう簡単に言うもんじゃないっすよ」 だから、"私"は笑ってみせる。 〇 ――無理なんていうもんじゃない、か。 そうだよな、と分かっちゃいるんだけどね、と心に渦巻いた。 無理、そういった瞬間から、可能性は本当に無理に変化する。 ――分かっていても、実行できるかは別問題、か。 言うは易し行うは難し、詰まるところ単純にそう帰結する。努力"しよう"と"する"はまったくの別問題だ。 「ああ、そうだな」 だから、返したのは生返事だった。 ――こりゃ、相当やられてるみたいっすね……。 桃子は思う。 "かつて"の自分と同じだ。 否、症状としては京太郎のほうが酷いかもしれない。 自分は焦る必要がなかった。友人を望んだこともあったが、いつかそれすら止めた。 相手に合わせる必要を持たずとも良い状況だった。重責を必要とせず、ただ流されるままでも良かった。 しかし、京太郎の今は、違う。実力がないことへの苛み、危うい立場への焦燥感、 気持ちと肉体がすりあわない矛盾への怒り、それらが急激に合わさり濁流のように京太郎の今を飲み込んでいる。 桃子はそう理解する。息を吐き、 「じゃ、須賀さん、ほかのところもまわって見ましょ」 桃子は京太郎の手を取った。 〇 「ほうほう、なかなかに大胆な子ですな」 竹井はチェシャ猫を髣髴とさせる笑みを持って二人を見つめる。 「意外だな」 問う呟いたのは加治木だ。 「ふうん? 何が」 「モモがあそこまで彼に入れ込むことが」 そう? と、竹井の声に生返事で返す。 しかし竹井は、 「いやいや、ある意味当然なのかもね」 軽くそういってみせる。 「それは――」 「ま、ある意味私のせいでもあるんだけどね」 ばつが悪そうに竹井は後頭部を軽く掻いてみせる。 ああ、と、 ――きっと、こいつにはもう何もかもが――、 幾度か会う機会が設けられ、それなりの会話もしたが、話せば話すたびに、 ――あらゆるものを見定められているような……、 深い洞察力からくる、何もかもを見通すような魔眼に睨まれているような、そんな気分を思わせる。 「ま、良いわ、行きましょう」 だが、すぐに表情を切り替えて、 「あ、ちょっと待て……!!」 加治木は竹井を追いかける。 〇 楽しかった、と京太郎は素直に感じた。 振り回されるようだったが、幾分か気分は楽になった。 目の前でアイスコーヒーを飲む桃子を見て、そう思う。 手の中に納まるアイスコーヒーは冷たく、舌に落ちる液体は苦く、しかしそれが身を引き締めるようで逆に良い。 ねえ、と、声が突然来る。とっさに身構え、 「あはは、そんなに身構えなくても良いっすよ」 桃子の言葉にゆっくりと肉体を落ち着かせる。 ――ったく、俺はいったい何をやってるんだか。 「ねえ、須賀さん。今日は――楽しかったっすか?」 桃子の問いが来る。 「? ああ」 答えるが、 「本当に?」 再度の問いかけがくる。 「ああ」 告げる。 「……なら、よかったす」 意図が分からない。 「えっと、どうか、したのか?」 京太郎は問う。 「それは、っすね」 一瞬のいいよどみを経て、 「須賀さん。似てるんっすよ」 言った。 「かつての、私と」 これは切開だ。心をこじ開ける余計なお世話。かかわってほしくないところにかかわろうとするような――、 「今、須賀さんは思ってるはずっす。自分は無力、居場所はない、価値を見出せない」 うまい言葉が見つからない。ゆえに陳腐。しかし痛烈。オブラートはそこに存在せず、 「かつての私もそう。望んでほしい。望まれたい。だけど、それを思われない」 「必要とされず、気づけば孤独。ようやく見つけた陽だまりは、時が過ぎれば朧に消える」 「たとえまた会うことができるとしても、いつかは今と同じではない」 吐息、 「孤独だけではなく、不安まで押し寄せて一切合切を飲み込み、そしてなくしていくような感情がただもまれているような」 「不安定な感情を宙の間で吊り下げられているような不安とも言い切れない不定形な感情」 ねえ、と、 「須賀さん。貴方は望んでいるんっすよね? 望まれることを。確固とした立ち居地を。"自ら"にしか望まれない"何か"を」 何もかもを言い終えたように、口をつぐんだ。 京太郎を見る。 目に光はなかった。 それは何もかもを言い当てられたかのような顔。 「御見それしました、とでも言えばいいのかな、俺は」 絞り出された声は細く、 「まったくそのとおり、なんだよ」 頼りがない。 「雑用なんてさ、前にも言ったけど俺じゃなくてもできる。来期の一年生がどうにかする。少なくとも、今の麻雀部で、 咲は咲じゃないといけない。和は和じゃないといけない。優希は優希じゃないといけない。先輩は先輩じゃないといけない。 俺は――」 ああ、 「俺じゃなくても、良い」 涙がくる。押しとどめていた堤防を決裂させたように――、 「俺の価値は、俺がそこに立つ位置はどこにあるんだろう。部活に顔を出すたび思うんですよ」 流れていく。 「雑用を引き受けることで、部活動に専念してもらうことができる、そう思うことでやってきた。やってこれた」 「けど本当は思っていた。見ない振りをしていた。そもそも、俺は必要であるのだろうかって」 桃子にはそれが理解できた。同じだった。 自分の価値がどこにあるのかを理解できない。理解することを望めない。 ――ある意味、悲しいっすよね。 目の前に居る少年は本当に"普通"の少年なのだろう。 自身のように影が薄いわけでもない。しかし、 ――だからこそ、埋もれてしまう。 これは加治木との交流を経て気づいたことだ。 本当は、自分も、いわゆる"かつて"望んでいた"普通"となんら変わりないということに。 人は結局のところ普遍的に普通であり、テレビに出るような芸能人ですら拾われなければただの"人"と変わりがない。 自分はある種特殊な立場に存在しつつも、結局のところ何にも"普通"と変わりがなかったのだ。 ただそれが"他者"と違う視点から気づいただけの話で。 そしてそれゆえに、 ――やっぱり、同じなんすよね、私と彼は。 人はあやふやな存在故に、あやふやな状況であることに気付かない。 自らの立場がいかに砂上の楼閣のような物であろうとも、それが自分の立ち位置だと思い込む。 そこには他者が割り込むことができるというのに。 しかし、気づかない。気づけない。気づこうとしない。気づいてしまえば、 ――怖いっすもんね。 そこが立ち位置だと思っていた何もかもがただの夢幻のようであることを、理解することが。 しかし京太郎は気づいてしまったのだ。 もしも、周囲の人間が京太郎と同じような人間なのならば、きっと彼はそれに気づくことがなかった。 だが、周囲にいるのは全員がスペシャルというやつで、 ――そこに必要とされている人間っす。 その違いを対比し、自らの危うい立ち位置を認識し、 だからこそ飢えている。"望まれたい"その願望。 京太郎は今、その思いにとらわれている。 かつて加治木に出会う前、ひっそりと持っていたそれを目の前に居る彼も感じている。 「俺が俺である必要性を望んでほしい。俺じゃなければならない何かがほしい――なのに――」 言葉が終わる前に桃子は京太郎の手を取っていて、 「私が望んであげるっすよ」 そう告げていた。 「私が、貴方が貴方であることを――、"須賀・京太郎"が"須賀・京太郎"であることを望んであげるっすよ」 声が来る。 「私もかつてそうだったっす。私を望む誰かが居てくれることを望んで、そしてその望みはかなった」 「だから、かつての私の位置に居る須賀君を私はほっておけない」 ねえ、と、 「私は、私は望むっす。須賀君が須賀君であることを」 だから、と、 「だから須賀君にも一つお願いがあるっす」 それは、 「私が私であることを望んでください」 桃子は笑って、 「"東横・桃子"と言う存在を見つけることのできる貴方に"東横・桃子"と言う存在を望み、認めてほしい。そう望むっす」 〇 桃子は既に理解していた。 加治木との別れはいつか来る。必ず。必然を必然的に行うように。 このままではいけないということも、理解している。 ――だから、まずは一歩として、 「いかがっすか」 桃子は控えめに問う。 京太郎は告げた。 「喜んで」 まずはまた新しいいつかを構築する今を求めていこう。 それは依存ではなく、 それはただ傷をなめあうような関係ではなく、 それは平等という、 それは対等という、 そんな形で求めていこう。 桃子/京太郎はそう思えた。 〇 黒髪の女と金髪の男が歩いている。 夜空の下だ。月下に晒され、互いの姿が照らされている。 「じゃあ、東横さん、俺はここで」 「はい、さよならっす」 立ち止まったのは、バスの停留所の前だ。別れを告げ、ゆっくりと名残惜しげに女のほうが去っていく。 数度、振り返るたびに、寂しそうな笑みを男に向けて。 しかし、その寂しさにはどこか希望がある。 「二度と、会えないわけじゃないっすしね」 新たな関係を気づくことができた人と別れるのは名残惜しくも、 だが、それがまた楽しくもあった。 「さて、じゃ、来週はどんな内容で遊びに誘ってみるっすかね」 ―終― 既に幾度も逢瀬を重ねて、気づけば恋人という関係になるのに時間は必要としなかった。 ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて互いの距離は縮められていき、 「桃子」 「京太郎さん」 既に互いの距離はゼロに等しい。 水音がする。淫靡さが溶け出したような水音だ。 それは口付けの音であった。 互いに求め貪り、そして必要であるということを確認しあうようにだ。 既に肌は上気している。目の前に居る桃子の肌はまさしく桃のようで、 ――綺麗、だな。 そう思った。 肉体を反転させる。ベッドの上に肉体を下ろす。自身が桃子を見下ろす形に持っていき、 「剥がす、ぞ?」 声の変わりに一度、頭部を立てに振るという挙動でその行為への許可がくる。 胸元のボタンからゆっくりとはがし、しかし、どこか獣のような挙動で手を動かす。 情けないことに男とは目の前に餌があればがっつかずにはいられない性分らしい。挙動はだんだんと早くなり、 「~~~~~!!」 上半身が裸体として晒される。 しかし手は止めず、自らのシャツをはずしていく。 京太郎が行ったのはまず互いの上半身を重ね合わせることからだった。 「――」 「――」 そしてそれ以上は動くことをせずただその行為だけを京太郎は求めた。 それは互いに"はじめて"であったこともあるだろうし、 かつて互いに"望む"互いであろうというその意思の表れでもあり、そして、体温を感じたいという京太郎の思いもあった。 東横・桃子は相変わらず影が薄かった。京太郎にはその姿を確認できるが、未だにその姿を見失う人間も多い。 否、そちらが大半で、京太郎がその唯一だった。 恐れているのだ。いつか自身の目の前からすら消えてしまうのではないかという心理が、 ただ抱くという行為に踏みとどまらせている。 それに気づいたのか、桃子も京太郎の肉体を握り返す。 互いの肉の隙間が埋まっていき、密着していく。服と服の境界はない。 「求めないんっすか?」 小さく声が来る。 ああ、と京太郎は答えた。 「もう、求めているからさ」 体温を感じるというのも、また一つの求めに他ならないと京太郎は感じる。 闇雲に繋がることは、 ――違うよ、な。 繋がることと互いを求め合うことは等号の関係とは当てはまらない。 繋がるのは原初、男女の概念が生まれたときにできたものだが、 ――求めあうのは、違うはずだ。 求め合う概念は、きっともっと後、互いにかけたことを理解することができるようになってからの話だ。 強く思い。その思いはさらに比例して力になる。 「京太郎さん。痛いっすよ」 その言葉に、あ、と、 「悪い」 「気にしなくて良いっすよ」 だって、と、 「それだけ強く私を望んでくれているのは嬉しいっすから」 頬を染めている彼女は愛しく、 「なあ」 だから、 「求めていいか?」 京太郎はそう問うていた。 ――プラトニックは、ここで終了ってことっすか。 それは覚悟していたことであり、 ――望んでいたことでもあるっす。 それは一線だ。 互いが互いである一線。 この行為は意思を融け合わせる行為であり、互いの意思の交わりであり、だからこそ。 ――意思と意思の一線ってことでもあるっす。 身をもみ合うように動かしつつ、 「はがして良いっすか?」 これ、本当は男の側の言葉っすよね? などと思いつつも、腰にある金属片に手を伸ばし、 ――あ、あれ? ぎこちない動きで手を動かすが京太郎が状態にあるゆえに影となって視界が狭まっているということもあり、 なかなか先に進むことができない。 「ああ、俺、自分ではずそうか?」 いやいや、それはいけない。一度やり始めたことを途中で投げ出すのは許容してよいことではない。 故に、 「わ、私がはずしてみせるっすよ」 必死に手を動かす。 ――な、何でとれないんすか? 単純に下手? 否、そんなことはないはず。 と、 「あ」 一息でベルトが外れた。 得意げに、 「ふ、ふふん、どうっすか? 私にかかればこれくらい簡単っす」 桃子の言葉に京太郎から笑みがこぼれ。 「ああ」 ただその一言がくる。充足感だ。何か満たされたような気持ちが現れ、だから、 「京太郎さん。今度はこっちをお願いするっす」 言葉に、無言で手を伸ばすことで京太郎が肯定を示してくる。金属と金属が小さくすりあわされ、スカートがはずされた。 小さくと息が漏れた。呼吸が激しくなる。心臓が激しく高鳴り、 「いくぞ?」 「――っ!!??」 自身の湿りに、京太郎の下の湿りが這わされ、悲鳴にも似た、しかし悲鳴のような悲惨さはまるでなく、 どちらかといえば快感を思わせるような声が湧き出てくる。 ――ほ、本当に私がこんな声を? 桃子の未だに冷静な部分が無意識にそんなことを思うが、すぐにそれは胡散する。 さらに熱がきた。時間差や、うねりの大小を加え、動くからだ。 「~~~~~~~っ!!」 声にならないような声を上げ、力が急激に腰の部分に来る。そりあがりさらに京太郎に肉を押し付けるようにして、 ――!! 力が抜けた。鉄の棒で支えられていたような状況から急激にその支えを抜きはずされたように思える。 荒い吐息を整えるようにして、しかしどこか名残惜しげに、 「ぷ、は」 京太郎の湿りはそこから失われた。 酒など飲んでいないのに、すでに酔いが回ったかのような気分が桃子の中を駆け抜けていく。 しかし、 「いいか……?」 酔いなどすぐに引きはがされた。 "熱い"ものが桃子の下腹部にあたっている。 ――俺も、まだまだ"男の子"なんだな。 自身が男である象徴を隆起させ、思う。 飢えがある。求めていることを理解させられる。 熱が脳内をかすみがからせ、しかし小さく残った理性がいまだ踏みとどまらせている。 ここがレッドゾーンだ、と。 今、この先を行けば、確実に変化が来る。"求め"と"望み"に。 しかし、 ――"望んで"るんだよな、それを。 それだけは確実だ、と己の意志の所在を己に問いかけ、 そして、答えは来る。 それは両者互いの意志の交わりを意味する。 小さく、小刻みの動作で、ゆっくりと、頭が、――縦に振られた。 それが確認だった。 まずは一度離れた体からすり合わせる。互いの胸の隙間を埋めていくよう、力強く。 そこから腹を合わせ、そして、両者の境界を失わせていき、 ――!! まずは粘性の液体に自身の"男性"が包まれた。液体は熱く、しかしそれは不快ではない温度。 滑り落ちそうなのを必死にこらえ、ゆっくりと落とす。 静止が来た。侵入を阻む壁だ。ゆくぞ、と自分と相手に問いかけるように告げてから、さらに力を籠める。 力を感じた。肉を引き裂くような感触がまず伝えられ、そこからさらに、 ――痛っ……!! 背に痛みを感じた。固いものが突き刺さるような感触に神経が強張り、筋肉が震える。爪だ。 桃子が手に力を入れたと同時に、桃子の爪が背に深々と食い込んでいる。 ――これくらい。 いい。これは男の名誉だ、そう京太郎は意識することで痛みをさらに思う。痛みから目をそむけない。 これは"望み""望まれた"一つの証であると。 だから、京太郎はさらに"求め"た。 比喩的に言うのなら、貫かれたというのが正しい。 異物が無理に自分の中へ入ってくるような感覚を思い、しかしそれを望んだのは自分であるということを捉え、 それゆえにその異物の侵入を許した。 それは一線を越えた証でもあり、 ――互いの"望み"が変化する境界線、っすよね。 いまだに熱が肉体から取れない。そもそも自分の動きがどこにあるかする今だ理解できておらず、 ――けど、 それを心地よいと感じる自分が確かにあることを理解した。 「痛いか」 声がかかる。 「痛いっすね」 だからそれに対し、素直に答えを返し、 「そうか」 「そうっす」 「少し、休むか?」 いえ、と、 「休めば、覚めるっすよ」 そうか、と、言葉を聞き、 「なら、いく」 動きが来た。 痛みがある。それを感じ、しかし多幸感があり、 ――意志の、所在っすよね。 科学が進歩し、そしてさらに発展していけば、男が女を、女が男を必要としない時代が来るかもしれない。 しかし、きっとそれは訪れることはないと思う。 科学と技術の入りいれぬ隙間に、人間の"意志"があり、そしてその所在を男女互いに思い続ける限りは、 その時代が来ることはないだろう。 故に、桃子は求めた。京太郎も求めてくる。 喘ぎ、 貪り、 組み合い、 混じり、 喘ぎ、 語り、 それを繰り返す。 ――そして、 「あ、あああああああああああああ!?」 果てが来る。際限がないなどあり得ないから、その思いの落としどころ、終着点に両者がたつ。 それは、 「っ――、く」 一つの終わりであり、始まりでもあった。 交わったまま、布団の中に両者は存在した。 肉にこもる熱はいま冷めず、互いの熱を自身の熱と勘違いしそうになりながら、自身の意思を思い出す。 「京太郎さん」 声がくる。 「ん? どうした?」 「明日、休みっすね」 「ああ。休みだな」 力が込められた。背筋に腕が回され、 「どこか、行きましょうか」 それに呼応するように、自身も腕を背に回す。 「そうだな。天気予報じゃ晴れだったし、少しくらい遠出しても、良いか」 そうっすね、とゆっくりとした声が来て、 「とりあえず、寝よう。明日が来るなら、また朝にでも」 「ん、そうっすね」 闇が来る。 心地の良い闇が。 来る。
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前話 次話 1回戦終了後、夜 京太郎「ふう、頼まれたものはこれくらいか」 京太郎「それにしてもすごかったなー、部長で終わらせるなんて」 京太郎「この店で少し休憩したらなんか買って行くかな」 ガチャ 洋榎「おかん!そこを、そこをなんとか!!」 雅枝「駄目に決まっとるやろ!それよか明日の試合のためにミーティングせなあかんのや!はよ手ぇ離し!」 洋榎「浩子にまかしとけばええって!」 絹恵「お姉ちゃん、諦めや。おかんの言う通り忘れたんが悪いって」 洋榎「絹まで言うんか!ええんか?明日うちが調子が出んで負けてもええんか!?」 雅枝「あんたはなんだかんだで勝つわ」 絹恵「大会始まってからマイナスで終わってないし」 洋榎「いやーそれほどでも……ってちゃうわ!」 雅枝「ほななー。あんまめったなことは言えんけど次も頑張りーや」 絹恵「うん。浩子ちゃんによろしくなー」 洋榎「おかーん!……娘無視してタクシーで行くなんて酷いわ」 絹恵「お姉ちゃん騒ぎすぎやって。ほら、あそこの人なんてこっち見とる、し……」 洋榎「なんや?この愛宕洋榎になんか用で、も……」 京太郎「あー、えっとですね。も少し静かにした方がいいですよ?」 洋榎・絹恵「Kちゃん!?」 京太郎「……いい加減慣れてきたな」 説明中 京太郎「という訳で俺が清澄高校1年生の須賀京太郎です」 洋榎「うちは姫松高校3年で主将、エースで中堅の愛宕洋榎や!」 絹恵「その妹で2年の愛宕絹恵です」 京太郎「じゃあさっき話してた人は」 洋榎「うちらのおかん。で、千里山で監督やってる洋榎雅枝や」 絹恵「千里山は分かる?」 京太郎「たしかAブロックで、全国2位でしたよね」 洋榎「まーうちが優勝するんやけどな!」 京太郎「いやいや、清澄も負けませんよ?」 絹恵「まーまー、2人とも今は言いっこなしやで」 洋榎「しゃーないなー。それで、須賀くんはなんでここにおるん?」 京太郎「買い出しの帰りですよ。ちょっと休憩しようと思いまして」 絹恵「確か、清澄は部員少ないんやろ?率先してやってるん?」 京太郎「まあ、他が大会出てる5人ですし、俺初心者ですからねー」 洋榎「むう、Kちゃんにこんなことさせるなんて……面白い奴やったけど、明日は痛い目みせたらなアカンね」 京太郎「部長と知り合いなんですか?」 洋榎「抽選の時になー」 絹恵「ああ、話してたね」 京太郎「そういえば入ってくるときなんか言い合いしてましたけど、なんだったんですか?」 洋榎「ああ。アレなー、おかんのせいやねん」 絹恵「お姉ちゃんのせいやから」 洋榎「ちょーっと用事のためにこずかいの追加を頼んだら駄目の一点張り。挙句に娘無視してタクシーで帰ったわ」 京太郎「ほうほう。で、こずかい追加を頼んだ理由は?」 洋榎「大阪に忘れ物取りに行きたかった」 京太郎「いや駄目でしょう」 洋榎「なんでや!」 京太郎「いくらかかると思ってるんですか。それに大会始まってるのに主将が帰るって駄目ですよ」 絹恵「その通りやでー」 洋榎「ぐぬぬ」 京太郎「それにそんな大事なものなんですか?大会始まってから少し経ってますし、本当に必要なものじゃ無い限り無理ですよ」 洋榎「大事なものやで!それは…」 絹恵「ちょっとお姉ちゃん!」 洋榎「なんや?いきなり遮って」 絹恵「本人にKちゃん忘れて大阪まで取り帰り行きたいて言うん?恥ずかしない?」小声 洋榎「……そうやん。あっぶなー、めっちゃ恥ずかしいこと言うとこやったで」小声 京太郎「あのー?」 洋榎「あ、大丈夫や!作戦タイムな?」 京太郎「なんの作戦ですか?」 絹恵「とにかく忘れた云々は適当に流そ?」小声 洋榎「分かったわ」小声 洋榎「よし!」 京太郎「あ、もういいんですか?」 洋榎「大丈夫やで!」 京太郎「で、大事なものってなんですか?」 洋榎「Kちゃんや!」 絹恵「……お姉ちゃん」 洋榎「……あ」 洋榎「ちゃ、ちゃうんやで?これは、そのな?」 京太郎「……なるほど」 絹恵「あー、その、ね?お姉ちゃんは」 京太郎「大阪でも人気なんですね、ぬいぐるみ」 洋榎・絹恵「へ?」 京太郎「へ?」 絹恵「……それだけ?」 京太郎「何がですか?」 洋榎「何がって……女子高生が自分のぬいぐるみ持ってて大事にしてます言われてそれだけの反応なん!?」 京太郎「?いや、人気なだけでしょう?」 絹恵「……この人相当鈍いんと違う?」 洋榎「そうみたいやね……清澄はやっぱ油断ならんわ」 京太郎「でも大会に必要ですか?そりゃうちの和はぬいぐるみ抱いて打ってますけど」 絹恵「必要ってか、今日の試合でやってた人いたやん?やからやってみたいって感じやね」 洋榎「調子上がるかもしれんやん?」 京太郎「そんなことしなくても元々強いでしょう?」 洋榎「まー、そーなんやけど」 絹恵「さすがお姉ちゃん」 京太郎「次に当たるだろうから調べましたけど、ここまでマイナス無しってすごいじゃないですか。そんなことに頼らなくても大丈夫ですって」 洋榎「……言いすぎやない?」 京太郎「事実じゃないですか」 洋榎「……面と向かって言われるとさすがに照れるわ」 絹恵「いいなー。私もはよお姉ちゃんみたいになりたいわー」 京太郎「絹恵さんも副将任されてるんですから強いでしょう?」 絹恵「そんな、お姉ちゃんと比べたらまだまだやって」 京太郎「初心者の俺にとっては、大会出てるって時点ですごいですよ」 絹恵「……えへへ。そんなに言われると嬉しいわ」 洋榎「む……そんなに褒めても絹はやらへんで?」 京太郎「そんなつもりないですよ。俺なんかにはもったいないですって」 絹恵「……そんなことないけどね」 洋榎「……自分がどんなもんかっちゅうのを知らんの?」 京太郎「え?初心者ですよ?」 洋榎「……ええわ」 京太郎「おっと、もうこんな時間に。そろそろ帰りますね」 洋榎「せやね。うちらも帰るわ」 京太郎「ぬいぐるみはいいんですか?」 洋榎「本人に会っといて今さらぬいぐるみどうこう言うんがアホらしくなったわ」 絹恵「せやね。あ、アドレス教えてくれへん?次は敵やけど、これもなんかの縁やし」 京太郎「いいですよー。洋榎さんもどうですか?」 洋榎「当然やね……よし」 絹恵「メールしてなー」 洋榎「清澄の情報とかな」 京太郎「じゃあ洋榎さんの弱点教えてください」 洋榎「……負けへんことやな!」ドヤァ 京太郎「言い切ったよこの人すげえ」 絹恵「お姉ちゃん……」 洋榎「……冗談やで?」 京太郎「冗談になってない成績ですしね」 絹恵「多分結構な人が納得するで?」 洋榎「うちのボケが完全に殺されたやと!?」 京太郎「あ、それじゃまた」 絹恵「うん、気付けてなー」 洋榎「そして無視するん!?」 京太郎「洋榎さんもまた。うちは負けませんからね?」 洋榎「……それはうちもや。覚悟しときや」 絹恵「メール、楽しみにしとるでー」 洋榎「予想以上やったな、Kちゃん」 絹恵「うん。アレは見た目以外でも人気出るね」 洋榎「……本人が強いって言ってくれたんや。ぬいぐるみ無しでも勝つで」 絹恵「うん!私も負けへんよ!!」 朝 京太郎「東京は空気が悪いって聞くが、慣れればどうってことないな」 京太郎「朝のすっきりした感じは変わらないし」 京太郎「お、こんなとこにラーメン屋が」 ダヴァン「ここデス!朝食べるのにちょうどいいラーメンは!」 ネリー「またラーメン?ネリー飽きたよー」 明華「というかここ開いてませんよ」 ダヴァン「ワッツ!?なぜラーメン大国日本でラーメン屋が開いてないのです!?」 明華「またハオが微妙な顔しそうなことを……」 ネリー「諦めようよー。ネリーおなかすいたし別のとこで食べようよー」 ダヴァン「私の体がラーメンを欲している……」 明華「カップラーメンは?」 ダヴァン「昨日尽きました。ここいらじゃ安いとこすら無いデス」 ネリー「コンビニでいーじゃん」 ダヴァン「コンビニのラーメン1つでスーパーのラーメン2つ買えるんデスヨ!」 明華「諦めましょう」 ダヴァン「ラーメン……」 ネリー「スーパー開いて無いし、諦めよ?ほら、吉○屋とか開いてるし」 ダヴァン「ラーメン……」 明華「聞いてないですね」 京太郎「…………」 京太郎(なんだこの面白外人集団は) 京太郎(そんなにラーメン食べたいのか?) 京太郎「……仕方ない」 京太郎「あのー、すいません」 ダヴァン「なんですか?私は今ラーメンが食べられない悲しみに包まれていマス。遺憾の意デス」 京太郎「よかったら、カップ麺でよければ譲りますよ?」 ダヴァン「……Really!?」ズイッ 京太郎「……い、いえす」 ネリー「ダヴァン日本語忘れてるよー」 明華「……この人は」 公園 ダヴァン「…………」ソワソワ 京太郎「お待たせしました。カップ○ードルでいいんですよね」 ダヴァン「お、おおう……ありがとう、ありがとう!私、今日本人の優しさに感動していマス!!」 ネリー「大げさな……」 京太郎「あ、ラーメン待ってるついでにタコス作ったんでどうぞ」 明華「私達に?」 ネリー「いいの?ネリー達初対面だよ?」 京太郎「俺の分作ったついでですよ。それにご飯は誰かと食べた方がおいしいですし」 明華「それじゃあ、いただきます」 ネリー「あむ……なにこれおいしい」 明華「本当においしい……タコスなのにあっさり食べれます」 京太郎「朝なんであっさり風味にしてみました」 ネリー「これをラーメン待つついでに?……日本人すごい」 明華「ええ。でも、どうしてここまでしてくれるんです?」 ダヴァン「ラーメンだからデス!」 明華「ラーメン狂いは静かにラーメン啜っててください」 京太郎「どうしてって言われても……なんか困ってたみたいですし」 ネリー「……それだけで?」 京太郎「大したことやった訳でもありませんしね。買い置きのカップ麺と作り置きのタコスごちそうしただけですから」 明華「……充分大したことやってるじゃないですか」 京太郎「?」 ネリー「……やっぱり日本ってすごいねー」 明華「ええ……なんでアメリカに負けたんでしょうか。そこの見てるとつくづく考えてしまいます」 ダヴァン「なんデスカ?ラーメンはあげませんヨ?」 明華「いりませんから」 京太郎「皆さん別々の出身なんですか?」 明華「自己紹介がまだでしたね。臨海女子高校麻雀部で2年生の雀明華(チェー・ミョンファ)です。フランス出身です」 ネリー「同じく臨海女子高校麻雀部1年生のネリー・ヴィルサラーゼ。サカルトヴェロ出身だよ」 ダヴァン「……あ、私?3年生のメガン・ダヴァン。ラーメンを愛するアメリカ人デス」 京太郎「……臨海?まさかあの!?」 明華「そうですよ?Kちゃん?」 ネリー「え?似てると思ってたけど本人だったの!?」 ダヴァン「ん?Kちゃんラーメン?」 京太郎「ラーメンじゃないです。知ってたんなら言いますね。清澄高校1年生の須賀京太郎です。Kちゃんのモデルでもあります」 明華「実は最初に見た時から察してはいました」ドヤァ ネリー「すごいすごい!写真とかいい?」 京太郎「あ、はい」 ネリー「ダヴァン!ラーメン食べてないでシャッター押してよ!」 ダヴァン「ん、はい食べ終わりましたしいいデスヨ」 京太郎「……あのぬいぐるみ、まさか世界レベルで人気あるんですか?」 明華「日本でしか売ってませんし……世界進出でも考えてみます?」 京太郎「冗談でしょう」 ダヴァン「はいチーズ」パシャ ネリー「わーい」 ダヴァン「あ、京太郎くん。連絡先とか教えてもらえませんか?」 京太郎「いいですよ」 ダヴァン「どうも……このラーメンのお礼に今度とっておきのラーメンを紹介シマス」 ネリー「あ、ネリーもネリーも。タコスのお礼したい」 明華「じゃ、私もお願いしますね」 京太郎「はい、いいですよ。でも、本当に大したことじゃないんですからお礼なんて」 ダヴァン「ノーノー。私達本当に嬉しかった」 ネリー「だからお礼は絶対するよ」 明華「あなたがいらないって言っても、やりますよ。そうですね、大したことじゃないですし」 京太郎「……分かりました。楽しみにしておきます」 明華「よろしいです」 ダヴァン「でも清澄ですかー。順調にいけば準決勝デスネ」 ネリー「ネリー楽しみになってきたよ!」 ダヴァン「あの龍門渕に勝った高校ですしね。油断できない強敵デス」 明華「試合では本気でいきますからね?」 京太郎「もちろんですよ。むしろそうじゃなきゃ困ります」 明華「ふふふ。あなたはやっぱり素敵な人ですね」 ネリー「うんうん。ここまでの人は初めてだねー」 ダヴァン「ラーメンを恵んでくれるなんて過去トップレベルで良い人デス!」 京太郎「そんなことないですって」 ダヴァン「あ、そろそろ行かないと」 ネリー「もうそんな時間?残念ー」 明華「まあまあ。準決勝で会えるんでしょう?」 京太郎「ええ。俺自身は打てませんが、あいつらはやってくれます」 ダヴァン「では、また会いまショウ」 ネリー「まったねー」 明華「楽しみにしてますね」 明華「いい人でしたね……監督が引きぬいてきてくれませんかね」 ネリー「それだ!」 ダヴァン「うち、女子高デショ」 昼 京太郎「さて、みんな練習してるし邪魔しちゃいけないよな」 京太郎「……ここまでレベルが違うと、さすがにへこむな」 京太郎「……考え込むのは止めとこう。それより昼飯だ」 京太郎「どうすっかな……とりあえずタコス以外で、ん?」 「……うん……それでな」本片手に電話中 京太郎「本読みながら電話って、前見えてないんじゃ、っておい信号赤だ!」 「……いやいや……そうやでー」 京太郎「気付いてないのか……ちょっとごめんなさい!!」 「……え?」 キキーッ!! 憩「ホンマごめんなーぁ」 京太郎「いや、無事だったんならよかったですよ」 憩「君がとっさに来てくれんかったら、うちは今頃どうなっとったか分らんよ?だから、怪我の手当てぐらいさせてな」 京太郎「かすり傷ですって」 憩「ほほう。とっさにうちを押し倒し、腕の中に押し込めて転がって、車と接触しといてかすり傷?」 京太郎「…………」 憩「ほら、結構体打ったやろ。うちのホテルすぐそこやから」 京太郎「……分かりました」 憩「うちは荒川憩。三箇牧高校の2年生や」 京太郎「須賀京太郎です。清澄高校の1年生です」 憩「あ、ここや。ついてきてな」 ホテル 京太郎「とりあえず1人部屋に残されたが、個人部屋?応援、を1人でってことは無いだろうし…」 憩「おまたせー」 京太郎「何をしてたんです、か……」 憩「ん?何ーぃ?」 京太郎「なんでナース服なんですか!?」 憩「え、治療すんならナース服やろ?どっかおかしい?」 京太郎「おかし……くないですはい。ナース服ですね」 憩「せやろ?あ、上脱いでな」 京太郎「はい」 京太郎(ナース服……アリだな!!) 憩「おー、結構鍛えとるやん」 京太郎「そうですかねー」 憩「うんうん。でも、それなりに打っとるね。ちょっとしみるでー」 京太郎「あ、つつっ」 憩「ところで、清澄高校って長野代表やろ?」 京太郎「そうですよ。俺も一応部員ですけど」 憩「あそこの宮永咲って、宮永照の親戚かなんかなん?」 京太郎「実の姉妹ですよ」 憩「そうなん?宮永照もヒトじゃないような強さやったのに、その妹もいるんか。怖いわーぁ」 京太郎「打ったことあるんですか?宮永照さんと」 憩「去年の個人戦やけどね。ちなみに今年も個人戦で出場してるで」 京太郎「ああ、どうりでホテルが個人部屋なんですね。それで、去年の成績はどうだったんですか?」 憩「宮永照に負けてもうてね。2位やったわ」 京太郎「……はい?」 憩「はい、背中終わり!」バシッ 京太郎「いってぇ!!」 憩「じゃー次は」 ドンドンドン! 憩「ん?誰やろ」 ガチャ やえ「憩!!大丈夫か!?」 憩「やえさん?どないしたんですか?」 やえ「どうもこうも、電話中にいきなりブレーキ音やら何やらが聞こえた挙句、その後は連絡がとれないんだ!心配するだろう!!」 憩「あ……すんません、忘れてました」 やえ「忘れてたって……いや、無事だからいい」 憩「まあ、上がってください。今、ちょっと治療中ですけど」 やえ「治療って一体誰の……」 京太郎(上半身裸)「あ、どうも」 やえ「…………」 憩「大丈夫ですよね?奈良の王者はこんなことじゃ動じませんよね?」 やえ「と、とと当然だな!ニワカ共と違うんだよ王者は!!」顔真っ赤 京太郎(顔真っ赤でプルプルしてるけど我慢してるって感じだなぁ) やえ「私は晩成高校3年生の小走やえだ」 憩「奈良個人1位の王者やで。去年ちょっと知り合ってからの仲や」治療完了 京太郎「奈良、って言うと団体は阿知賀が」服着る 憩「へえ、知っとるん?」 京太郎「おもちしま……松実さん姉妹と部長の灼さんとはこの前会ったんです」 やえ「ああ、松実の妹の方か。あのドラ爆は初見の事前知識無しじゃどうしようもないからな」 憩「でもやえさん結構稼いでたやないですか。見ましたよ?ドラが来ないのを誰よりも早く理解して打ってたの」 やえ「王者ならできて当然だ。いつまでも呆けているニワカとは違う」 京太郎「やっぱりお二人ともすごいんですねー」 やえ「何、まだまだだよ。慢心していては足元を救われるし、上には上がいる」 憩「うちも全国2位なんて言うけど、宮永照にはやられたしなー」 やえ「満足せず自分を磨き続けることが大事だ。そこに初心者も王者も無いのだよ」 京太郎「……すげえ一番背低いのに先輩っぽい」 やえ「コラ!私は3年生だ!!」 憩「まあまあ」ナデナデ やえ「さりげなく頭撫でるな!続けていいがな!!」 京太郎「いやでもいい話聞きました。ありがとうございます小走さん!」 やえ「う、うむ。よしアドレスを教えてやろう。『王者』で登録するといい」 憩「ちなみに私は『ニワカ』で登録しとる」 やえ「憩ー!!」 京太郎「じゃ、荒川さんのも」 憩「はいはーい。でも『憩ちゃん』って呼んでもええんやで?」 やえ「お前最近阿知賀から『ナースの人』って呼ばれてたぞ」 京太郎「結構話し込んでしまいましたね」 憩「別にええでー。お昼も皆で食べれたし」 やえ「うむ。やはり大勢で食べるといいな。普段から私の周りには人は多いが」 京太郎「そろそろ時間ですから、俺行きますね」 憩「名残惜しいなー。遊び行ってええ?」 やえ「清澄にも個人出場の選手はいるんだぞ?むやみに行くのは避けた方がいいだろう」 京太郎「すいません、荒川さん」 憩「仕方ないなーぁ。ま、ええわ。京太郎くん、今日は助けてくれてホンマありがとな」 京太郎「アレくらいいいですよ」 憩「いや、君はうちの恩人や。またお礼はするからな」 やえ「うむ。受けた恩はしっかり返すべきだ。借りっぱなしはいかんからな」 京太郎「小走さん」 やえ「君も色々あるだろうが、困ったり悩んだりしたらいつでも連絡していいぞ。この王者が助けよう」 やえ「君が、私の大切な友人を助けてくれたようにな」 京太郎「……ありがとうございます。」 憩「ほな、またなー」 やえ「応援してるぞー」 憩「……やえさん。彼ってやっぱり」 やえ「Kちゃん本人、だな」 憩「外見だけでなく中身までイケメンって……すごいなーぁ」 やえ「ああ……しかし、本当にぬいぐるみより先に本人に会ってしまった……」 憩「残念ですか?」 やえ「むしろ良い」 夜 「いらっしゃいませー」 京太郎「東京のコンビニはすげーなー」 京太郎「なんでこんなに商品あるんだ。うちのとこなんて9時に閉まってたぞ」 京太郎「ん?珍しいものあるな……買っとくか」 「ありがとうございましたー」 京太郎「さて、帰ってアイスでも……ん?」 春「……もうダメ……大会も戦えない」 初美「しっかりするですよー。大丈夫ですー」 春「……鹿児島帰る」 初美「いや駄目ですから」 京太郎「……巫女さん?そういや開会式にもいたな」 春「今の私は北家でなにもできないはっちゃんか眼鏡がない巴さんか眠れない姫様か胸がない霞さん……」 初美「色々と酷いですー!!」 春「……ああ」フラッ 京太郎「なんなんだ……おっと」ガシッ 初美「あ!すいませんー、うちのはるるが」 京太郎「いや、いいですけど……大丈夫なんですか?」 春「ううっ……ん?あなた」 京太郎「え?はい」 春「その袋の中のそれは……」 京太郎「黒糖ですが……そこのコンビニで鹿児島直送限定商品ってあったんで」 春「……神よ」パァァァァ 京太郎「うおっ、なにこの笑顔!ものっそい笑顔!!」 春「……ちょっと行ってくる」ダッシュ 京太郎「……な、なんだ?」 初美「あー、とりあえずありがとうですー」 公園 春「…………」ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ 京太郎「なんでスゴイ勢いで黒糖食ってるんですか。そしてすごい良い笑顔で」 春「ん?」ニッコリ 初美「はるるは黒糖が無いと駄目なんですよー」 京太郎「なんかあやしい薬みたいになってますけど……まあうちにも似たようなのがいるか」 京太郎(あいつの場合タコスだがな) 初美「とにかく黒糖のことを教えてくれて感謝ですー」 春「ありがとう……これはお礼」 京太郎「黒糖3袋……いや、自分の分なくなるんじゃないんですか?」 春「大丈夫……あそこの店長と交渉して買占めから販売ルートの確保までやってきた」 京太郎「あの短時間で!?」 春「ふっ……東京の黒糖は私のもの」 初美「遅くなりましたけど私達は永水女子の者ですー」 春「私が1年生の滝見春」 京太郎「あ、俺は清澄高校1年の須賀京太郎です」 初美「私は薄墨初美ですー。3年生です」 京太郎「……え?」 春「残念ながら……事実」 初美「ちょっとなんですかそれ。あと残念な事実ってなんですかー」 京太郎「あー、いや、大丈夫です。似たような人知ってますから、はい」 春「もっとちっちゃいの?」 京太郎「んー、どうですかね。あ、でもその人は2年生です」 初美「それはいいですー。これから伸びるんですー」 春「…………」ポン 初美「な、なんで肩に手置くんですかー」 京太郎「…………」ナデナデ 初美「なんで頭撫でるですかー!年下のくせにー!」 春「それはそうと、清澄って、あの?」 京太郎「……あの?」 春「……次、私達と当たる」 京太郎「ああ、そうですね。でも、俺は出ませんし、いくら対戦相手だからってここでまでピリピリする必要はないですよ」 春「……それもそう。それと、同じ学年」 京太郎「?」 春「……春でいい。敬語もいらない」 京太郎「あー……分かった。俺も京太郎でいいぜ」 春「……ん」ニコッ 初美「……で、いつまで頭撫でてるですかー!」 京太郎「あ、すいません。つい小さいから」 初美「うがー!」 京太郎「そんなふうにしないでくださいよ。可愛いのに台無しですよ」 初美「む……そんなことじゃごまかされないですー」 春「すごい嬉しそうだけど」 初美「そんなことないですよー♪」 春「……喜ぶのはいいから色々としまって。霊的なのも出てきてる」 初美「はっ!」シュポンッ 京太郎「え、アレ本物!?」 初美「ふう……危ないとこでした」 春「もしあのままだったら……恐ろしい」 京太郎「うわー、すげー気になる!」 初美「知らない方がいいですよー」 春「こないだの人はうっかり人形に……」 京太郎「怖っ!」 初美「……いや、でも人形にして連れてっても怒られるですよねー」 春「一晩くらいなら……」 京太郎「怖い相談は止めて下さいよ」 初美「仕方ないですー。やめとくですー」 春「ん……京太郎がKちゃん?」 京太郎「唐突だな……そうだ、俺があのぬいぐるみのモデルだ」 初美「やっぱりでしたかー」 春「……一緒に写真いい?」 京太郎「へ?ああ、別にいいぞ」 初美「じゃ、私が撮るんで次お願いしますねー」 春「ん」ギュ 京太郎「……寄りすぎじゃね?」 春「……いい。それとも大きい胸は嫌い?」 京太郎「大好きだ」キリッ 初美「……はい撮るでーす」 パシャ 春「……じゃ、次」 初美「とーうっ」ピョン 京太郎「なんで背中乗ってるんですか」 初美「イエーイ、どうですー?」 春「…………」 パシャ 初美「いきなりは酷いですよー!?」 春「……計画通り」 京太郎「春……恐ろしい子!」 春「……まあ、Kちゃんと写真撮りたかっただけだからいいけど」 初美「いいんだ!?」 春「ぬいぐるみ、大事にしてる」 京太郎「ああ、ありがとうな。春みたいな子に大事にされてうれしいぜ」 春「……私だけじゃない、色んな人が大事にしてるから」 初美「私もですよー」 春「京太郎はそれに見合う人だった。それが嬉しい」ニコッ 京太郎「……そう言われると照れるな」 初美「おっと、そろそろ帰らないと心配されるですよー」 京太郎「じゃあ、途中まで送りますよ」 春「……すぐそばだけど」 京太郎「だからって女の子2人をそのまま返せないんだよ」 春「……お願いする」 初美「ですー」 春「やっぱり京太郎は良い人」 初美「ですねー」 初美「ただいまですー」 春「……ただいま」 巴「おかえりなさい」 霞「黒糖買えた?」 春「ばっちり」 小蒔「良かったです」 初美「あ、Kちゃんに会いましたー」 小蒔「え!?どこですか!?」 春「送ってもらった……もう帰ったけど」 霞「あらあら、次に会ったらお礼言わないと」 小蒔「そうです!次は私が会いますね!!」 春「……次も会いたい」 朝 実況「さあ、インターハイも2回戦!シード校も現れますます激しくなっていきます!」 解説「今日の試合ではシードの永水と強豪姫松も当たりますからね。どんな試合になることやら」 実況「今日の試合は上位2校が勝ち抜けとなっていますが、やはり永水と姫松でしょうか」 解説「分かりませんよ?もう2校の清澄と宮守は初出場校ですが、ここまで勝ち抜いてきた確かな実力があるでしょう」 解説「強豪だから、シードだからといっても何が起こるか分からないのがインターハイですからね」 解説「私的な意見ですが、この2校は他とはまた違う強さがあると思いますね。油断したら一気に持って行かれそうです」 実況「なるほど。目が離せない試合になりそうですね!」 放送「先鋒の選手は、速やかに…」 優希「……来たか!」ガタッ 京太郎「……そのマント、本当に着ていくのか?」 和「そうですね。あんまり恥ずかしい格好はどうかと思いますよ?」 5人「…………」 和「……なんで私を見るんですか?」 優希「だってなー?」 咲「えーっと……」 まこ「うーん、正論なんじゃがなー」 久「エトペン持ち込みの和が言うのはね……」 京太郎「恥ずかしくなるようなものがなぁ……」 和「い、いいじゃないですか!1回戦ではぬいぐるみ持ち込みの選手が他にいましたよ!」 和「それと、須賀君はどこを見ながら言ってるんですか!!」 優希「和ちゃんは私服も個性的だからな!」 和「アレは私の趣味です!!」 咲「あはは……で、京ちゃんはいつまで見てるの?」 京太郎「……はっ!目が勝手に!?」 まこ「お前という奴は……」 久「須賀君らしいじゃない」 京太郎「俺らしさ……つまり誇っていいんですね!?」 久「だからといって和の胸を凝視するのは止めなさい」 京太郎「はい……」 優希「そんなに落ち込むな。ほら、私のを見せてやろう」 京太郎「……?どこに胸が?」 優希「オラッ!!」飛び蹴り 京太郎「あだっ!!」 まこ「今のは擁護できんわ。素直に受けえ」 咲「京ちゃんサイテー」 和「全くです」 久「そうねー……事実だけど」 優希「……セイッ!!」蹴り 京太郎「いでっ!!今のは俺じゃねえだろ!?」 優希「乙女の怒り、黙って受け止めるのが男だじぇ」 京太郎「お前はタコスだろ」 優希「おお、そうだった」 まこ「漫才もそれくらいにしてさっさと行かんかい」 和「遅れますよ」 優希「分かったじぇ。では、稼いでくるじぇ!」 咲「頑張ってね」 久「優希、周りは気にせずあなたの麻雀をやってきなさい」 京太郎「頑張れよー。後半用のタコス用意して待っててるからな」 優希「おう!!清澄高校の先鋒!片岡優希!行ってくるじぇ!!」 白望「……ダルイから休んでていい?」 塞「今から出番でしょう!?」 胡桃「しゃんとする!!」 エイスリン「ン!!」旗振ってる絵 白望「……応援?」 豊音「おー、上手いよー!」 塞「ほら!立って立って!」 白望「……おぶって」 胡桃「そんなにダルイならKちゃん持っていく?1回戦でいたでしょ?」 豊音「それいいねー。私が持っていっていい?」 エイスリン「ワタシ!」 トシ「色々言ってるようだけどそろそろ時間だよ」 トシ「行っといで。あんたならいけるよ」 白望「……ダルイけど、少し頑張ってくる」 トシ「ぬいぐるみは置いていきなよ」 白望「……駄目?」 塞「シロがそんなこと言うなんて……」 胡桃「Kちゃんの効果!?」 豊音「ちょーすごいよー!」 エイスリン「ハイ!」ハートを射る矢の絵 白望「………行ってくる」 洋榎「えーか?こう、がーっときたらばーっといってがっっといくんやで?」 漫「すいません、なにひとつ分かりません」 洋榎「しゃーないなー。やからこう、がーっと…」 絹恵「お姉ちゃん、それで分かるんオカンぐらいやで?私だって分からへんもん」 洋榎「なんやて!?……やったらもっと分かりやすくいこか。……こう、ずばばっと」 恭子「主将はもうええですから。ええか漫ちゃん、まずは清澄や。アレは最初から仕掛けてくるから、気をつけるんやで?」 由子「それから永水の神代なのよー」 漫「なんか……改めてとんでもないとこにいるん実感しますわ」 恭子「大丈夫や。漫ちゃんなら、そこで上手くやれるで」 漫「末原先輩……」 郁乃「不安ならKちゃん持ってったらどう~?」 恭子「代行……」 郁乃「1回戦で持ち込んだ人おったんやろ~?反則にはならへんで~?」 洋榎「くぅ……うちが持ってきてないからてそういうやなんて……酷いわ!この鬼コーチ!!」 郁乃「あはは~。忘れたんが悪いんやで~」 洋榎「ぐぐぐ……やっぱオカンに金貸してもろうて取ってくれば……」 絹恵「今から行く気!?アカンよ!?」 洋榎「大丈夫や!試合ギリギリになってかっこよく戻ってくるんや!!」 由子「物理的に無理なのよー」 洋榎「むむむ……漫ちゃん!うちに構わず持っていくんや!!」 漫「うち!?そもそも持っていきませんよ!?」 洋榎「ここはまかせや!!」 恭子「……そろそろホンマに遅刻になるんではよ行きや」 漫「あ、はい」 郁乃「で、持っていくん?」 漫「……私は」 小蒔「いよいよですね」 霞「ええ」 初美「ですー」 春「…………」ポリポリ 巴「はい」 小蒔「ここからはどんな相手でも手は抜けません。気を引き締めて行って参ります!」 初美「姫様ファイトですー」 春「……頑張って」 巴「リラックスしていってくださいね」 霞「……うん、そうね。姫様の言う通りなんだけど」 霞「その手のKちゃんぬいぐるみは置いていきましょうか、小蒔ちゃん」 小蒔「……霞ちゃ~ん」 初美「いきなりびしっっと決めたと思ったらこれですかー」 春「……様になってた」 小蒔「本当ですか!?」 巴「ぬいぐるみさえなければ、ですけどね」 小蒔「……くすん」 霞「じゃ、ぬいぐるみは置いて行きましょうね」 小蒔「そ、そんな……」 霞「さすがに神様にぬいぐるみ持たせる訳にもいかないし、何より他の人達も真面目にやってるのにぬいぐるも持ち込むの?」 小蒔「だ、だけど持ち込んでる人いましたよ?」 霞「持ち込んでない人が勝ってたわよ?」 小蒔「ううっ……」 春「……代わりに私が持っていく」 初美「じゃ、私もいきますー」 巴「じゃあ私もいきます」 小蒔「じゃ、じゃあ私も!」 霞「…………」 4人「…………」 霞「それでも駄目よ?」 小蒔「あう……」 初美「乗ってきませんでしたかー」 春「……強敵」 巴「まー、普通は無理ですよね」 小蒔「そこをなんとかお願いします!」 霞「……そうね、じゃあ」 実況「さあ!選手が集まってまいりました!」 解説「まずは宮守の小瀬川選手に清澄の片岡選手……ん?アレは?」 実況「片岡選手は……なんと真っ赤なマントをなびかせての登場だー!!」 解説「はは、そういうの嫌いじゃないよ」 優希「ふっ」ドヤァ 白望「……ダル」 実況「続いて姫松の上重選手ですが、これはまさかー!?」 解説「ほう。強豪姫松、Kちゃんぬいぐるみを抱いての登場か」 漫「あー、ども」 優希「ぐぬぬ……負けないじぇ!」 白望「……なんで落書きされてんの?」 漫「え!?……あー、色々あったんで」 優希「物は大切にするんだじぇ!!」 漫「……ぐうの音も出ません」 洋榎「恭子ー、やっぱりぬいぐるみに落書きはやりすぎやったんちゃう?他校引いとるやん」 恭子「アレ?ちゃんと洗えば落ちるやつやったんですけどね」 郁乃「ちゃんと罰になるように油性に変えといたで~」 由子「代行のせいなのよー」 実況「さあ最後にシードの永水だー!」 解説「去年大暴れした神代選手、この先鋒戦のカギになるのは間違いないでしょうね」 実況「さあ、選手は出そろったー!!」 解説「ん?なんか神代選手の雰囲気が違うような……」 小蒔「……よろしくお願いします」 優希「おう!負けないじぇ!!」 漫(こん1年めっちゃ強気やなー) 白望「……ダル」 実況「さあ、インターハイ2回戦先鋒戦、開始ー!!」 前半戦東場 優希「この試合に次は来ないじぇ!この局だけで終わらせてやるじぇ!!」 白望(胡桃が怒りそうなこと言うなぁ……でも実際和了るな) 漫(わ、訳分からん!なんでこいつはここまで強気でいけるんや!?) 小蒔「…………」 優希「よっしゃツモ!」 実況「片岡選手、またまた和了ったー!」 解説「こりゃ冗談で終わらせるなんて言った訳じゃなく本気で終わらせる気だな」 実況「そ、そんながことできるんでしょうか?」 解説「理屈ではそうだが実際にやるならなぁ……何より、それを大人しく実行させるほどインターハイは甘くないだろう?」 白望(どーしよっかな……) 漫(全然和了れんやん……どないしよう、Kちゃん持ってってもなんも変わらんし)ギュッ 優希「……リーチ!」 白望・漫「!!」 優希「さて、まだまだ行くじぇ…」 小蒔「ロン」 優希「じょ?」 小蒔「16000」 優希「なぁっ!?」 小蒔「…………」 白望(……何が起きたの?) 漫(末原先輩話ちゃいますやん!なんでこんなにはよ神代がくるんですか!) 実況「神代選手が和了りましたー!」 解説「しばらくは片岡だと思ってたんですけどね……神代選手はこんな最初から飛ばす選手でしたっけ?」 優希(ま、まだ東場だじぇ!なんかあの巫女さんやばい雰囲気するけど、ここはガンガンいくじぇ!) 優希「ロン!」 優希(今のうちに取られた分取り返して、逃げ切れるくらいに稼ぐ!) 前半戦南場 白望「……ちょいタンマ」 漫「!」 漫(これは……末原先輩に聞いてたやつ!宮守も来るんか!?) 白望「……ん」タン 漫(やったらうちも……) 小蒔「ツモ」 漫「へ?」 小蒔「8000オール」 漫(なんなんここ!!) 実況「なんと言いますか、すごいことになってますね?」 解説「うーん、神代選手がいるとはいえ、ここまで荒れるとはなぁ……」 実況「そう言ってる中宮守の小瀬川選手が和了ったー!」 解説「ほう……なかなかのものだな」 白望(あー、ダルイけど……まだまだ和了らないとなぁ……) 漫(折れるな……先輩が言ってたこと思い出して、しっかりと打てば) 小蒔「ロン」 漫「は、はいっ!」 漫(もー、さっきからこん人怖い!なんなん!?うちなんかした!?……あ、Kちゃんは持ってきとったわ) 小蒔「…………」 巴「確か、まだ弱い神様のはずですよね?」 春「……それよりこの相手で最初から寝てた方が驚き」 霞「うーん、私のせいかしら?」 初美「そうですよー?『前半で20万点まで稼いだら後半はKちゃん持って行っていい』なんてこと言うからですー」 巴「ああ、姫様また和了った」 春「……今ので17万?」 初美「東場では清澄のが頑張ってましたからねー。一気にいくつもりでしょうねー」 霞「……大丈夫かしら」 巴「姫様がですか?相手がですか?」 霞「両方ね。特に姫松の人、Kちゃんぬいぐるみ持ち込んでるから隙があれば狙われてるわ」 初美「無事に前半戦が終わればいいですねー」 小蒔「……」タン 優希(うう……南場じゃどうしようもないじぇ) 白望(なーんか狙ってる感じするなぁ……もしかして特定の誰かを?だったら……) 漫「……」タン 白望(今までのを見る限り姫松?……シードから蹴落した相手をさらに?……ないかな) 優希「……じょ!」タン 白望(他の理由……他と違うとこ……ぬいぐるみ?) 小蒔「……」タン 白望(……考えすぎか) 漫「……ツモ!」 白望「!?」 恭子「よっしゃ!爆発きたで!」 洋榎「神代がなんかえらい暴れとるから差はまだあるけど、これはええでー」 絹恵「上重さんファイトやー!」 漫(な、なんとか大きめの和了れたでー!) 漫(でもまだ差はある、気引き締めていかんと!) 小蒔「リーチ」 漫「っ!?」 優希「じょ!?」 白望「……ツモ」 漫(あ……良かった、神代やなくて) 優希(これ以上はやばかったじぇ……後半こそ!!) 実況「前半戦終了ー!!」 解説「かなり荒れたな。東場では片岡選手が、そして全体的に神代選手が稼ぐが要所要所で小瀬川選手と上重選手が止めに来る」 実況「とんでもない試合でしたね!」 解説「大きくリードした永水だが、このまま大人しく他が引き下がるか……まだ試合は始まったばかりだ」 優希「タコスだ!ありったけ持ってくるんだじぇ!!」 京太郎「元々用意してた分しかねぇよ」 久「予想以上に永水が暴れてくれたわねー」 和「とんでもない偶然が連続してましたね」 まこ「偶然でもなんでも、今のトップは永水じゃ。このままじゃいかんな」 咲「優希ちゃん、大丈夫?」 優希「問題ないじぇ!巫女さんなんかにタコスは負けないし、ぬいぐるみ持ち込みにも負けない!後……とにかく負けないじぇ!!」 京太郎「用は誰にも負けねーってこったろ?」 優希「さすが京太郎!もっとタコス作ってきていいぞ!」 京太郎「無理だっての!」 優希「……このままじゃ、終わらせないじぇ」 白望「……ダルイ」 塞「すっごかったよ!モノクル割れるかと思った!」 トシ「私のはヒビはいったね……古いのだから予備を用意しておいて正解だったよ」 豊音「神代さんちょーすごいよー!」 胡桃「敵を褒めてどうするの」 エイスリン「シロ、ガンバッテ!!」 白望「あー……まぁ……ダルイけど負けるつもりはない」 漫「え、えらい持ってかれて申し訳ないです……」 恭子「由子、マジックある?」 漫「ひぃっ!」 恭子「と、点数的には言いたいんやけど」 漫「へ?」 恭子「さっきは爆発したんや。後半もまだチャンスある。しっかりやってくればええで」 漫「末原先輩……」 洋榎「やけど神代はえらいやっちゃなー。漫、大丈夫?」 由子「こっちから見てもかなりやばそうだったのよー」 絹恵「上重さん……」 漫「……大丈夫です!やってきます!!」 郁乃「さすがやね~。期待してるで~」 恭子「代行……」 漫「あはは……後半、取り返してきます」 小蒔「……くすん」 初美「仕方ないですよー。相手も強敵だったんですからー」 巴「そうですよ。姫様は充分すぎるくらいにやってましたよ」 春「……でも20万点は無理だったから」 霞「後半の持ち込みは無しね」 小蒔「うう……頑張りましたけど仕方ないです……」 巴「姫様……」 初美「どうしますー?」 春「……許してもいいと思う」 霞「……分かりました。この試合は駄目ですけど、次の試合からは持ち込んでいいとしましょう」 小蒔「霞ちゃん!!」 霞「ただし、今度こそ20万点稼いだらね」 初美「うわー、地味に酷いですー」 巴「でもだいぶ稼いでるし、さっきよりは楽じゃない?」 春「……他がこのまま黙ってない」 小蒔「はい。皆さん強い方でした」 霞「そうよね。それでもやる?」 小蒔「やります!Kちゃんのこともありますけど、それ以前に試合に勝つため、もっともっと稼いできます!」 実況「さあ、時間となりました。後半戦、開始です!」 解説「このまま永水が差を広めるかどうか。そこに注目ですね」 優希「ロン!」 実況「また片岡選手が和了りました!」 解説「地区大会でもそうだったが、やはりこの選手は東場では圧倒的だな」 実況「1回戦でも東場で勢いを作ってましたからね」 解説「だが、そう簡単には行かないだろうな」 小蒔「ツモ」 実況「ここで神代選手!やはりこの選手は凄い!!」 解説「かなりムラがあるが、調子がいい時は手がつけられないな」 漫(アカン、これはきついわ……神代とか去年の1番良い時並みやないか) 白望「……ツモ」 白望(簡単には、点はやらない) 優希(も、もう南場……まだまだ1位と差あるじぇ……) 小蒔(……差が、広げられない)タン 漫「それ、ロン!」 小蒔(それどころか、縮められてる!?) 漫(ま、また上がれた!これ、主将が言ってたKちゃん効果……ないか) 実況「先鋒戦終了!!1位は永水高校!!他3校と差をつけてトップに立ちました!」 実況「そして宮守、清澄、姫松となっています」 解説「だがこの3校の差はそれほどない。私は前半での永水との差を縮めた3校の選手を評価したいね」 実況「はい。前半では圧倒的だった神代選手でしたが後半では他3校が意地を見せましたね」 解説「永水は大きなリードを得たが、まだまだ分かりませんね」 まこ「よう」 優希「……染谷先輩」 まこ「ん、お疲れ」 優希「……稼げなかったじぇ」 まこ「神代が本気だった、事故じゃ事故。先輩にまかしとけ」 優希「お願いしますだじぇ」 白望「……ダルイ」 エイスリン「マカセテ!」 白望「ん……まかせた」 エイスリン「♪」 白望(どうせ、エイスリンが勝つしなぁ) 漫「すんません……取り返せませんでした」 由子「大丈夫なのよー」 洋榎「せやで!」 漫「主将!?」 洋榎「やっぱKちゃん持ってったんが効いたんかな……貸して」 漫「言われて持ってきましたけど……めっちゃ恥ずかしかったですよ?」 洋榎「む……よし、由子、持っていき」 漫「それ私のです!」 由子「遠慮しておくのよー」 小蒔「差、広げられませんでした……」 巴「いやいや、充分ですって」 小蒔「Kちゃん……」 巴「あー……試合が終わってから、また話してみましょう?」 小蒔「……はい!巴ちゃんも頑張ってください!」 巴「はい。姫様が作ったリード、守ります」 実況「インターハイ2回戦次鋒戦、開始ー!!」 実況「次鋒戦終了!清澄、姫松が永水との差をしっかりと縮めました!宮守は調子が出なかったのか差は縮めたが4位です!」 解説「永水は1位のままだが、この勢いだと追いつかれかねないな。次に来るのがあの愛宕洋榎選手だ」 実況「姫松のエースですね」 解説「さらに1回戦で相手をトビ終了させた清澄の竹井選手もいる。これは試合が動きそうだな」 実況「ところで試合時間が短かった気がするのですが」 解説「そう感じただけだろう?しっかり結果は残っているのだから、問題無いさ」 まこ「頼んだぞ、部長」 久「え、ええ」 まこ「……大丈夫か?」 久「あら?私が心配?大丈夫よ。しっかりやってくるわ」 まこ「……ま、いいわ。こっちでなんとかするか」 洋榎「っしゃあ!ついに来たで!!うちの出番や!!」 由子「落ち着くのよー……って言っても意味ないのよー」 洋榎「じゃ、行ってくるでー!!」 由子「……あれ?洋榎、何か持ってった?」 エイスリン「……ゴメンナサイ」涙目 胡桃「エイちゃん悪くないよ!あの眼鏡……2人いたか」 エイスリン「……こっち」ワカメの絵 胡桃「……とにかく、その人と相性が悪かっただけだって!私達がなんとかするよ!!」 トシ「……しかし相手の力を使わせないどころか何もさせない……いや、まさか……時間を消し去った?」 エイスリン「?」 トシ「ああ、いや、いいさ。胡桃達を信じよう」 エイスリン「…………」コク 巴「……ごめん、守り切れなかった」 春「……大丈夫、私が次に繋げればいい」 巴「ハッちゃんまで?でも、次の相手強敵だよ?」 春「……黒糖とKちゃんがあるから大丈夫」 巴「その判断基準は何?……でも、まかせるね」 春「……うん」 まこ「戻ったぞー」 京太郎「お疲れ様です」 まこ「おう。開始時間までまだあるな」 咲「……なんか、部長の様子がいつもと違う気がする?」 優希「あー……なんかくじ引きの時っぽくなってるじぇ」 和「抽選会ですよ。確かに緊張してるように見えなくもないですが、全国の舞台で緊張するというなら1回戦では?」 京太郎「有名な強豪校が相手で改めて自覚した、とかじゃないのか?」 まこ「いかんな……よし、聞いてくれんか」 久(あー……やっばいわ。今さら緊張してくるとかないわよ……) 胡桃「よろしくお願いします」 久「あ、ああ。よろしく」 胡桃「?」 洋榎「またせたな!姫松高校のエース、愛宕洋榎の登場や!!」 胡桃「…………」 洋榎「抽選会ぶりやな、竹井。負けへんで?」 久「……私だって、負けないわよ?」 洋榎「なんか勢いがないで?駄目やなー。こういう場はノリが大事や!そのためにこういうものまで持ってきたんや!!」 Kちゃんぬいぐるみ(落書きアリ) 久「あら?それって」 洋榎「ふっふっふ。流行りに乗ってみたんや」 胡桃「……それ、先鋒の人のじゃないの?」 洋榎「……細かいことはいいんや!縁起物みたいなもんやし」 胡桃「借り物の縁起物って……そもそも公式戦の場によけいな物持ち込むなんて…」 春「……遅れました」黒糖&Kちゃんぬいぐるみ持ち込み 胡桃「…………」 洋榎「よけいな物が、なんやって?」 胡桃「……いい」 洋榎「ふ……負けへんで。特に清澄!」 久「わ、私?」 洋榎「1回戦は飛ばして終わらせるとか派手なことやっとったけど、そうはいかんで!」 洋榎「今、持ち物ではKちゃん持ってきたうちが勝っとる。後は試合でも勝って……」 京太郎「部長ー!」 洋榎・胡桃・春「!?」 久「す、須賀くん!?どうしたのよ?」 京太郎「なんか、染谷先輩に頼まれまして」 久「まこから?」 京太郎「はい。これを渡すようにって」 久「手紙?」 『緊張してるようなので、京太郎を送った。まあ、これに意味はないわ。適当に楽しんでくるとええ』 久「……まこったら」 京太郎「あのー、大丈夫ですか?なんか、緊張してたみたいですけど」 久「……大丈夫よ。部長である私を信じられないの?須賀くんは帰ってお茶でも入れて待ってなさい」 久「それとも……心配で私に会いに来てくれた?可愛いわねー、このこの」頭ナデナデ 京太郎「ちょ、こんなとこでやめてくださいよ!」 久「そうねー。須賀君は頭撫でられるより胸撫でる方がいいもんねー」 京太郎「そうですけど……って何言わせるんですか!」 久「あら、嫌だった?残念ねー、撫でさせてあげようと思ったのに」 京太郎「マジですか!?」 久「ええ。マジよ……副会長のだけど」 京太郎「男じゃないですか!!」 久「あはははは……ありがと」 京太郎「はい?」 久「なんでもないわ。戻って待ってなさい。勝ってくるから」 京太郎「……はい。じゃ、戻りますね」 久「ふふふ……あ、待たせちゃったわね。ごめんなさい」 洋榎・胡桃・春「…………」 久「?」 洋榎「負けへんでー!!」 胡桃「つぶす……!!」 春「…………」ボリボリボリボリボリボリ 実況「インターハイ2回戦中堅戦、開始ー!!」 洋榎「リーチや!」 春「…………」タン 洋榎「ロン!!」 春「!!」 洋榎「神代が稼いだからて、安心しとるんか?そんなんすぐ持ってくでー?」 春「……次」 胡桃「はい。ふるよー」 洋榎「う……うちがひっくり返すからな!」 胡桃「うるさい!関係ないことなら静かに!!」 洋榎「あ……ハイ」 実況「まずは愛宕洋榎選手が滝見選手から和了りました!」 解説「さすがといったところですね」 洋榎「ロン!!そんなん通用せえへんで。格が違うわ!」 胡桃「そーゆーのいいから点数申告!」 洋榎「あ……ハイ。5200です」 実況「賑やかに打ちますね」 解説「わざとやって相手のペースを乱すやり方もあるが、あれは素だな。全力で楽しんでいる」 実況「楽しんで、その上で勝っているということですか?」 解説「いるんだよ……ああいう単純に"強い"のが」 春「……リーチ」 久「ごめんなさいね。それ、ロンよ」 春「…………」ポリポリ 胡桃(……何その待ち) 洋榎「ほう……やるなぁ」 実況「清澄も和了った!というかこんな待ちで本当に和了った!?」 解説「悪待ちか……こいつは面白いな。どう転がるか楽しみだよ」 実況「楽しむのもいいですけど解説して下さいよ?」 解説「お、前半戦終了だな」 胡桃「ただいまー。充電充電」 白望「……ダルイ」 豊音「どうー?大丈夫そうー?」 胡桃「……正直厳しいかな。うるさいけど強いし」 塞「まー仕方ないよ。胡桃は胡桃の麻雀をやるしか」 エイスリン「ファイト!」 春「……黒糖、補充」 小蒔「だ、大丈夫ですか?」 春「…………じゃ」 初美「あ、逃げたですー」 霞「これは終わったらお説教かしら」 巴「まだまだこれからですって」 洋榎「どや!?」 絹恵「戻ってくるなりそれー?」 洋榎「そりゃーなー?」 漫「何言ってるんか分かりませんて……後、ぬいぐるみ返して下さい」 洋榎「あ、ほい」 由子「どうだったのよー?」 洋榎「んー、やっぱ借り物じゃアカンかなー?何より本人来よったし」 恭子「いや、試合ですって」 洋榎「あー……ま、なんとか1位とったるわ」 絹恵「お姉ちゃんお姉ちゃん!」 洋榎「なんや?」 絹恵「またKちゃんが来とるよ!」 京太郎「部長、お疲れ様です」 久「ん、わざわざ来てくれてありがと」 京太郎「いやいや、俺はこれくらいしかできませんし」 久「やっぱり、長野に帰ったら胸撫でる?」 京太郎「……男はいいっす」 久「女の子よ?」 京太郎「本当ですか!?」 久「心は」 京太郎「アウト!!」 久「何よー、いい子よ?少女趣味で手先が器用で家事全般が得意で……後、マッチョ」 京太郎「最後!最後で台無しですよ!?」 久「私より胸あるし?」 京太郎「それはもはや別物でしょう!?」 春「……失礼」 久「あ、永水の」 京太郎「あ、さっきは言えなかったけど昨日の黒糖どうだった?」 春「問題ない」 久「知り合い?」 京太郎「ええ。昨日の夜たまたま会って」 春「……食べたら分かる。どうぞ」 久「あら、ありがとう」 京太郎「俺も?じゃ、ありがたく」 久「……風味があっていいわね」 京太郎「黒糖だけなのに食べやすい……こないだのもっと買っとけばよかったか」 春「後で分ける?」 京太郎「いいのか?」 春「うん……住所教えてくれれば本物を送れるけど」 京太郎「本物?まさか、これ以上のものが!?」 久「……黒糖でどんだけ盛り上がってるのよ。そろそろ時間よ」 京太郎「あ、はい。じゃ、部長頑張って下さい」 久「まかせなさい」 京太郎「春も、敵だけど頑張れよ」 春「!!……うん」ニコッ 久「……天然タラシだったかしら?」 洋榎「待たせたな!!」 春「姫松の人」 久「待ってないし、あなたも待たないといけないわよ?」 洋榎「……それよか、京太郎は?おったん見て来たんやけど」 春「もう帰った」 洋榎「…………」 胡桃「お待たせー。どうかしたの?」 洋榎「……あんたんせいや!!」 胡桃「いきなり何!?」 実況「さあ、後半戦です」 解説「だいぶ削られた永水と追いつこうとする姫松と清澄。そして守りが固い宮守」 実況「宮守はこの状況で守りは厳しいんではないでしょうか?」 解説「下手に振り込むよりいいが、さてどうなることやら」 胡桃(別に、これが私の打ち方だからいいし) 胡桃(何より相手がこうも強いんじゃ慣れてない打ち方したら逆に火傷しそうだし) 胡桃(ここは後の塞と豊音を信じて) 胡桃「ツモ!」 胡桃(私の打ち方で打つ!) 春「…………」 春(厳しい……相手が強すぎる……素直にここは負けて) 春「ロン」 春(信じよう) 実況「後半戦終了!!永水は1位は守りましたが、点差をかなり詰められました!」 解説「後半、相手が格上だと分かった上で失点を少なくする方向に変えたのが良かったな。前半のままなら1位じゃなかった」 実況「そして2位は姫松!愛宕洋榎選手がかなり稼ぎました!」 実況「3位は清澄!プラスで終わらせましたが愛宕洋榎選手に追いつけませんでした!」 解説「この2校の選手は相当のものだよ」 実況「4位は宮守!点数自体はあまり変動していません!」 解説「一見地味に見えるがこの状況で点数が変わらないというのはなかなかできるものじゃない。この選手も上手いね」 実況「後半の宮守に攻める様子があまり見られませんでしたが、どうなんでしょう」 解説「それは団体戦だからだな。仲間を信じたんだろう」 久「はー……疲れたわ」 洋榎「ふっ、うちはまだまだいけるで?」 春「……強がり?」 洋榎「ちゃ、ちゃうわ!」 胡桃「終わってからもうるさい……」 和「何やっているんですか部長」 久「早いわねー。やっぱりエトペン持ってきたの。Kちゃんじゃなくて」 和「か、からかわないでください」 初美「はーるーるー?」ズイッ 和「きゃあああああ!!な、なななんですかこれ!?」 久「永水の副将よ。知らない?」 和「……本当に人ですか?」 初美「失礼ですー」ズズイッ 和「ちょ、怖い……あ」ポトッ、コロコロ 絹恵「……?」目の前にエトペン 和「あ、エトペン……」 絹恵「……ボール」 和「え?」 絹恵「……!!」ドカッ!! 和「!?エトペーーーーン!!!」 久「……大丈夫よ和、エトペンは無事よ」 和「本当ですか!?」 絹恵「ホンマにすいません!丸いもんがあったんで、つい」 洋榎「すまんなぁ清澄。お詫びっちゅう訳やないけど、絹の胸を…」 和「?」ドドーン 洋榎「…………」ぺターン 絹恵「お姉ちゃん!?もう、また人の胸勝手に触らそうとして!」ドーン 洋榎「……絹……負けたわ」 絹恵「は?何言うてんの?」 洋榎「せやけどなぁ!絹は他の副将の奴と比べたら…」 塞「胡桃、お疲れー」バーン 胡桃「塞、後よろしく」 洋榎「…………」チラッ 初美「?」ぺターン 洋榎「この場で味方は永水だけか……」 絹恵「いやだから何言うてんの!?」 和「何なんでしょうね?」 久「あー……和には分からないことよ」 初美「……胸なんて飾りですよー」 胡桃「そこは同感。ていうか、早く私達は帰った方がいいんじゃないの?もう始まるよ?」 実況「さあ、副将戦です!遂に、インターミドルチャンピオン、原村和選手がインターハイデビューです!!」 解説「インターミドルの強さがインターハイで通じるかどうか、だな」 実況「また、個人戦出場も決め、さらに県予選では大将に回すことなく終わらせた薄墨初美選手」 実況「1回戦で沖縄代表を完封した臼沢塞選手、愛宕洋榎選手の実の妹、愛宕絹恵選手など、注目の選手が揃っています!」 解説「また面白い試合になりそうだ」 実況「インターハイ2回戦、副将戦開始ー!!」 絹恵(お姉ちゃんから引き継いだ点数、なるべく守って…) 和「ロン」 絹恵「は、はい!」 絹恵(っていきなり!?……やっぱぬいぐるみ蹴ったん怒ってるんかなー) 実況「まずは原村和選手だー!!」 解説「まだまだ序盤だよ……お、薄墨選手が北家か」 実況「はい?何かあるんですか?」 解説「県予選で大暴れしていたが、北家の時によく和了ってるんだよ」 実況「つまり今回も?」 解説「可能性はある。さて、分かってて止められるようなものかな」 絹恵(永水が北家……字牌を切らんようにしとけばええって末原先輩が言ってたし……)タン 和「……」タン 北 絹恵「!」 塞「!」 初美「ポン!」 絹恵(え……何しとるん清澄!?永水の薄墨やったら普通に分かるやろ!?なんでなん!?) 塞(ちょ……やばいって!!何なの!?) 和「…………」 和(部長……四喜和に気をつけろ、っていうのはさすがにオカルト過ぎです。私は私の打ち方を貫きます) 初美(チャンスですー……インターミドルチャンピオン、潰れちゃえ!) 初美(さーて、いくですよー。1位とはいえ追いつかれかねない点差ですからねー) 初美(一気に引き離しますよー) 初美(ここで鳴いて……アレ?鳴けない?) 絹恵「ツモ!」 初美(な、なんでですか!?私がこんな……) 塞「…………」じーっ 初美(まさか……宮守!?) 霞「封じられちゃった?……これはちょっと大変かもね」 巴「ハッちゃん、大丈夫でしょうか」 春「……分かんない」 小蒔「だ、大丈夫ですよ!まだリードしてます!」 霞「でもねぇ……初美ちゃん、素直に引き下がらないからね」 塞(きっついなー……1回戦よりきつい。でも、上手くいってる。そして) 塞「ロン!」 初美「っ!!」 塞(永水から和了れる。このままリード縮めて豊音に繋ぐ!) 実況「薄墨選手、和了りませんでしたね?」 解説「うーん、大沼プロも言ってたんだがな……やっぱり宮守の臼沢選手か?」 実況「臼沢選手ですか?特に目立ったことはしていないように見えますが」 解説「周りから見えなくても、本人達にしか分からないものもあるからな」 初美(わ、私が北家で和了れない?……ないない!!) 塞(さて、全員分かっててくれたら少し楽できるんだけど) 和「…………」タン 塞(これだよ。なんなの?ネト麻でCPUの設定最強にして打ってるみたい。やっぱ、やらないといけないよね) 塞「…………」じーっ 初美「……うーっ」タン 塞「ロン!」 初美「うううっ……点棒ですー」 塞「……どーも」 実況「前半戦終了ー!!まさかの永水の薄墨選手が大失点で永水はついに1位陥落です!」 解説「これまでの試合でも稼いでいる薄墨が封じられていた、ということは大きいな」 実況「現在の1位は清澄高校!2位は僅差で姫松!そして3位に永水、4位に宮守です!」 解説「だが、宮守はその差をじわじわ削っている。ここに来て大幅な差はなくなった。こりゃ結果が分からなくなってきたな」 塞(あー……しんどいなー、もつかなこれ)座りこむ 塞(ていうか清澄なんなんだよ……空気読めてないにも程があるでしょ) 白望「……大丈夫?」 塞「……シロ!?」 白望「……立てる?」 塞「……大丈夫だって、それよりシロがわざわざ来たことが驚きだね」 白望「……トイレこっちだし」 塞「ついで!?……まあ、いいけどっと」立ち上がる 塞「まぁ、らくしょーってことで」 白望「……持ってって」Kちゃんぬいぐるみ 塞「え?」 白望「次は豊音に渡して……じゃ」 塞「ん、いっちょやってきますか!」 絹恵「……ふう」 恭子「お疲れ絹ちゃん」 洋榎「お疲れさん」 絹恵「お疲れ様です……はあ、清澄に1位もってかれてすんません」 由子「いいのよー」 漫「充分やってるって」 洋榎「せやで。絹、自信持ってやりや。うちの妹なんやから、絹もいける!!」 絹恵「お姉ちゃん……うん!私、後半で1位になってくるわ!」 初美「ひっく……ぐすっ」 霞「うーん、正直どうしようもないわね」 巴「ハッちゃんがどうこうできるものじゃないですしね」 春「……黒糖、いる?」 初美「いただくですー……ぐすっ」 小蒔「初美ちゃん……」 初美「姫様、持ってかれた点は必ず取り返してくるですー」 小蒔「……はい。頑張ってください」 初美「……このまま終わるなんて、させないですよー」 咲「お疲れ様和ちゃん!」 久「見事にアドバイス無視してたわね。あそこまでされたら逆に清々しいわ」 和「そんなオカルトありえませんよ。実際に四喜和なんてありませんでした」 まこ「まーな。やけに宮守のが疲れとるように見えたが、なんだったんじゃろな」 優希「タコス不足だじぇ!」 京太郎「お前だけだっての……3人とも大丈夫かな」 久「あら、あの3人もひっかけてたの?」 咲「京ちゃん……」 和「須賀くん……」 優希「京太郎……」 まこ「もうなんも言わんわ……」 京太郎「違いますって。たまたま会って仲良くなっただけですって」 咲「……こっち来てから多すぎるよ」 優希「発情したか」 京太郎「タコス作らねーぞ」 まこ「でも、各校にいる気がするんじゃが」 京太郎「たまたまですよ。困ってたから手を貸した、とかそんなんですって」 久「まあ、須賀くんのタラシ疑惑は置いといて」 京太郎「違いますって!」 久「この後もまかせるわよ和。幸い永水は県予選ほど暴れられないみたいだしね」 和「はい。相手がどうこようと、私は私の麻雀をするだけです」 咲「和ちゃん、頑張って!」 優希「のどちゃんファイトだじぇ!」 まこ「しっかりやってきんさい」 京太郎「和、頑張れよ!」 和「はい……行ってきます」 実況「後半戦、開始ー!!」 和「…………」タン 絹恵「…………」タン 塞「…………」タン 初美「…………」タン 絹恵(永水、動かんな。それならそれでええんやけど、このままじゃ2位。ここは) 絹恵「ツモ!」 絹恵(攻める!) 塞(別に、豊音がやってくれるだろうからそこまで無理して攻める気は無いけど) 和「…………」タン 東 塞(これがな……塞いでなけりゃえらいことになってるよ) 初美「うー……」 塞(親だけど永水が北家だし、このままやりすごして……) 初美「…………」タン 塞(え?) 塞「ろ、ロン!」 初美「はい」 塞(何今の明らかな差し込み!?) 初美「…………」タン 塞(ま、まさか……自分が上がれるまで親の私に振り込む気!?リードもないんだからボロボロになるよ!?) 初美(姫様達には悪いですけど、このまま素直に引き下がれないです) 絹恵「…………」タン 初美(絶対、絶対和了ってやるですー!) 塞「ロン!」 塞(うわー、和了れるのはいいけど、このままじゃ持たないって!なんとかしないと……) 和「ツモ」 塞(よっしゃ!空気読めないけどナイス!) 実況「後半戦も南場です。ここまで永水の薄墨選手がまさかの大量失点で清澄と姫松にリードを許しています」 解説「薄墨選手が北家で和了れないのが気になるな……このまま終わることはないと思うが」 実況「それはなぜ?」 解説「勘だな。そんなに素直に終わるほどここは甘くないんだよ」 塞(はぁ、永水が北家か。どうしよっかな。どうせ親の清澄に振り込むんだろうし) 塞(親が清澄?……だったらいっそこのまま塞がないで親被り狙うのもありかな) 塞(あの調子でやられたら体力もたないし……清澄には振り込んでもらおう) 初美(これは……いけます!今度こそいけるですよー!!) 和「…………」タン 南 初美「ロン!!」 実況「決薄墨選手の役満小四喜炸裂ー!!」 解説「県予選と同じものがやっと来たか」 実況「これはまた薄墨選手が和了りますか?」 解説「こっからか……とか言ってる間に終わってるぞ」 実況「え!?本当だ!最後は愛宕絹恵選手が和了って副将戦終了しました!」 実況「最終的な順位は、1位姫松、2位清澄、3位永水、4位宮守となっています!」 解説「清澄は永水の役満が痛かったな」 実況「ですが永水は点を取り戻すことはできませんでしたね。ここからどうなるでしょうか」 解説「さてな。永水の大将はこれまで攻めているところが無かった。個人的にここがどうくるかが気になる」 絹恵「後は、お願いします」 恭子「まかしとき。しっかり守りきったるわ」 洋榎「恭子ー!いったれー!」 由子「ファイトなのよー」 漫「先輩!」 恭子「何や?」 漫「持っていきませんか?」Kちゃんぬいぐるみ(落書きアリ) 恭子「気持ちだけもろうとくわ。さすがに人の持ってく訳にもいかんし…」 郁乃「やったら、末原ちゃんの持っていきや~。はい」 恭子「あ、ども……ってなんで代行が私の持ってるんですか!?」 郁乃「はっはっは~企業秘密や~」 由子「もう気にしたら負けだと思うのよー」 洋榎「せやな。とにかく恭子!いってきや!!」 恭子「……はい!」 恭子(実は持っていきたかったしな) 郁乃「昨日も抱いて寝とったもんね~」 恭子「やからなんで代行が知ってるんですか!?」 4人(……否定はしないんやね) 塞「あー……疲れた」 豊音「お疲れ様ー。ちょーすごかったよー」 塞「もう勘弁して欲しいけどね。はい、これ」Kちゃんぬいぐるみ 豊音「え?持ってっていいの?」 塞「珍しくシロが自分から持ってきたんだよ。頼むよ、トヨネ」 豊音「うん!ちょーがんばるよー!!」 豊音「みんなのお祭り、ここで終わらせないから!!」 初美「ひっく、すみません姫様―。ぐすっ。わ、私のせいでー」 小蒔「初美ちゃんは頑張ってましたよ!!」 初美「姫様~」 春「……1位から3位」ボソッ 初美「うわあああああああん」 巴「こら、ハッちゃんいじめない」 霞「そうよ。でも、2回戦でここまで追い詰められるなんて思いもしなかったわ」 小蒔「霞ちゃん」 初美「ううっ、ひっく。どうするですか?」 霞「久しぶりに、攻めるわ」 霞「初美ちゃんの分、たっぷり返してあげましょう」 春「……なんか怖い」 霞「え!?」 初美「ぐすっ……胸もあって威圧感倍増ですー」 霞「そ、そんなことないわよね!?」 巴「えっと……」 小蒔「ぬ、ぬいぐるみとか持っていけば、少しは和らぐんじゃないでしょうか?」 春(否定してない……) 巴(むしろ追い打ちかけてる……) 霞「……まあ、持っていきましょう。でも、終わったらお話があるからね?」 初美「……事実だから仕方ないですー」 霞「初美ちゃんは戻ってくるまで正座ね」 初美「私だけ!?」 和「すいません……あんな大きいものが来るなんて」 まこ「最後のすごかったな」 優希「ああ。でも、のどちゃんはしっかりやってたじぇ!」 久「そうね。結果オーライよ、和」 京太郎「ああ。後は頼んだぜ、咲」 咲「ひゃ、ひゃい!」 京太郎「……大丈夫かー?トイレ行ったか?あ、道迷ったのか」 咲「だ、大丈夫だよ!」 京太郎「今まで何回迷子になったら言ってみろ」 咲「……道が悪い」 京太郎「目逸らしながら照さんみたいな真似すんな」 咲「お姉ちゃんの真似……こう?」ギュルルルルルル 京太郎「なんでできるんだよ!?」 久「咲、大丈夫そうね」 まこ「うむ。緊張とかしてたらどうしようかと思ったがな」 優希「こういう時こそ京太郎の出番だな。のどちゃんはいらなかったが」 和「私はいつも通り打っただけですし」 久「ほら、咲。いつまでもイチャついてないで行ってきなさい」 咲「い、イチャついてなんかないですよ!京ちゃんの馬鹿!」タタタタタ 京太郎「おい咲ー!そっち反対だー!!」 まこ「……和、連れてってやりんさい」 和「……はい」 優希「……しまらないじぇ」 実況「泣いても笑っても最後!大将戦です!」 実況「まずは姫松高校末原恭子選手!」 解説「今までは逃げ切りが多かったが、この相手でこの点差だから逃げ切りは難しいか。なんだ?この選手もぬいぐるみ持ち込みか」 実況「次は宮守高校姉帯豊音選手!」 解説「現状4位でそれなりの点差があるなか、逆転できるかね。おや、またぬいぐるみか」 実況「そしてシードの永水高校岩戸霞選手!」 解説「これまで守ってばかりだったこの選手がどう攻めにでるか、それがどうなるかな。……この選手もか」 実況「最後は清澄高校宮永咲選手!」 解説「全国初登場の選手か。宮永照と同じ名字ということが少し気になるな。親戚かなにかだろうか。お、この選手は手ぶらか」 実況「大将戦4人中3人がぬいぐるみ持ち込みですか。何か持っていると有利になることでもあるんでしょうか」 解説「まあ選手のモチベーションを維持するためや、リラックスさせるためだろうな。ここまで来たら打てる手は打っておきたいだろうし」 実況「では、唯一持って来ていない宮永選手は不利、ということなんでしょうか?」 解説「さてな。単純に持っていないか、持ってなくても大丈夫という自信か、それ以外の何かか」 実況「さあ、インターハイ2回戦大将戦、開始ー!!」 霞「よろしくお願いします」 恭子「……よろしくお願いします」 恭子(なんやこのおっぱいオバケ……絹ちゃんが小さく見えるわ) 豊音「よろしくお願いします」 豊音(わー、すごそうな選手ばっかだよー。楽しみー) 咲「……よろしくお願いします」 豊音「ポン」 恭子(来るか宮守。気付けなあかんな) 豊音「ポン」 豊音「チー」 豊音「ぼっちじゃないよ~」 霞(裸単騎……ここから?) 豊音「お友達が来たよー、ツモ!」 恭子(やっぱりかー……やっかいな相手や) 実況「最初の和了は姉帯選手ー!」 解説「裸単騎から和了るか……この選手もとんでもない選手みたいだな」 恭子(確かにすごそうやけど……うちかて負けへんで!) 恭子「リーチ!」 豊音「じゃ、とおらばリーチ!」 恭子(おっかけリーチ……やって来るか) 恭子「……」タン 豊音「ロン!」 恭子(これ以上はやれんな……やけどもっと稼がんと) 霞「リーチ」 恭子(永水!?やけどこれは) 豊音「……おかっけるどー、とおらばリーチ!」 恭子(やっぱりか……宮守の、予想以上や) 霞(ふんふむ……やっぱり早めに行かなきゃ追いつけなくなるかしらね) 霞(まだ前半戦だけど、苦手分野、いかせてもらおうかしら) 豊音(うわ、これ) 恭子(絶一門か……) 霞「ツモ」 恭子(しかもなんやこれ……ピンズがうちに来んだけやなくて他の捨牌にも無いやん) 恭子(ここは怪物しかおらんのかい……メゲるわ) 咲「……カン」 3人「!」 霞(清澄……やけに大人しかったわね) 豊音(なんか、ちょー怖いよー) 恭子(前半戦ももう少しで終わるっちゅうとこやで?なんで今まで大人しかったんや?) 恭子(まさか……嵐の前の静けさ、とかやないよな?点差、今全員があんま変わらへんのに、でかいの来たら) 咲「……もいっこカン」 霞(まさか、予選でよくやってた) 咲「ツモ、嶺上開花」 豊音(……ちょーすごいよー) 恭子(……メゲるわ) 実況「前半戦終了!遂に姫松が1位から2位に!!」 解説「なんというか、大将戦はとんでもないのばっかりだな。またどこが勝つか分からなくなってきた」 実況「最後まで目が離せませんね!」 解説「全く、何が起きても不思議じゃないな」 実況「さて、後半戦開始です!」 豊音(先生もみんなもいつも通りにって言ってくれた……いつも通りにやって、勝つ。まだ、終わらせないよー)ギュッ 霞(このまま一気に攻めて、押しきろうかしら。……小蒔ちゃんじゃないけど、ぬいぐるみがあって落ち着くわね)ギュッ 恭子(おいおい……永水のKちゃん、おっぱいに埋もれてるやん。冗談みたいな光景や) 恭子(宮守も結構……こっちで負けても、麻雀は負けへん!) 咲「…………」 塞「え?モノクルが……」カタカタ トシ「これは……」 優希「うお……京太郎がおっぱいに埋まってるじぇ」 京太郎「ぬいぐるみの方な。代わって欲しいが」 和「咲さん、どうしたんでしょう?」 まこ「うーん、なんかやりそうな雰囲気じゃな」 久「そうね……なんか、怒ってる?」 照「…………」 菫「照、ここにいたか。ん?妹の試合か?」 淡「あー、噂のテルーの妹じゃん。どんな感じ?」 照「……少し、荒れてる」 菫「は?まだ後半戦が始まったばかりだろう?」 照「……咲が」 淡「……何これ、なんかやっばい感じがする」 照「……うん、気持ちは分かるよ咲」 咲(京ちゃんのぬいぐるみは確かにいい。だけど、やっぱり他の人と京ちゃんが一緒にいるみたいで嫌だよ) 咲(そもそも京ちゃんも京ちゃんだよ!なんであんなにあっさりぬいぐるみの許可とか出してるの!) 咲(で、他の人が持ってると嬉しそうにしてるし!胸が大きな人だとさらに嬉しそうだし!) 咲(鹿児島の人も岩手の人も私より大きいし……なんか見せつけるようにしてるし!!……絶対に負けない!!) 咲(そういえば……昔お父さんが他の人の胸に見惚れてた時、お母さんもやってたな、こういうの) 咲「…………」ゴゴゴゴゴゴ 咲「…………」ギュルルルル 霞(え?宮永照?じゃないわよね?) 豊音(な、なんかチャンピオンっぽく見えるよー?) 恭子(…………メゲるわ)カタカタカタカタ 咲「……カン」ゴッ 咲「もいっこカン」ゴゴッ 咲「さらにカン!」ギュルルルル 咲「カン!!」ギュルルルルルルル パリィン!! 塞「も、モノクルが割れて……」 トシ「いや、あまりに強く割れて…」 塞「レンズ部分が砂状に!?」 胡桃「嘘!?」 エイスリン「トヨネ……」 白望「…………」 小蒔「!!」ガタッ 初美「……霞」 春「……お祓いの準備」 巴「うん……ちょっと普段よりしっかりやろうか」 漫「末原先輩……」 洋榎「恭子……大丈夫やろか」 郁乃「うーーーん……これはアカンね」 咲「……ツモッ」 実況「し、試合終了ー!!1位は清澄高校です!!」 解説「後半の清澄、すごかったな……まさかあれだけカンするとは」 実況「はい!そしてその清澄のスキを付くように和了った姫松が2位です!」 実況「これにより、清澄高校と姫松高校が準決勝進出です!」 前話 次話 前話のリンクが三話じゃなくて四話に繋がってるで~ -- 名無しさん (2013-07-30 09 08 33) こづかい -- 名無しさん (2016-07-09 21 56 06) 名前 コメント
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2 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 22 27 06.61 ID tIHYXMM5O [2/5] 前回までのあらすじ 須賀京太郎15歳 好きな物はおもち 苦手な物は麻雀 最近は幼馴染の視線が気になっていました ひょんな事から恋人が出来ました そして全国大会 ホテルに滞在している筈の人が行方不明、不穏な空気と焦燥感……そして行方をくらましたりする独り言が不気味な幼馴染、俺はとりあえず照と合流してから明らかにおかしいホテルを出ようとしていたーー 京太郎「咲ーー」 5 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 22 32 27.65 ID tIHYXMM5O [3/5] 咲「あいつか……」 不倶戴天。 京太郎「お、おい咲?」 分かり合う事は永遠に無い。 照「……?」 煮えたぎる嫉妬と悪意。 咲「鴨がネギしょってきたよ」 最愛の人に近づこうものならば絶望を、恐怖を、終わりをもたらそう。 咲「久しぶり、お姉ちゃん」 ニコッ 醜い笑顔。 京太郎「皆を知らないか?」 私は悪魔でも後。 京太郎「和と優希以外……清澄の皆が……」 私の事は心配しない。 咲「あははっ」 でも、許してあげるよ。 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「私が皆を壊しちゃった」ニコッ これからは沢山刻み込んであげるから。 京太郎「さ……き?」 照「……!」 7 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 22 37 51.72 ID tIHYXMM5O [4/5] 咲「えへへ」クスクス 京太郎「壊したってどういう……」 咲「京ちゃんは黙っててね」 京太郎「!!」ゾクゾクッ 声が出ない……恐怖なのか……それとも……? 照「咲……もうやめて」 咲「お前の所為なのに……良く言うよね」 咲「とりあえず、壊したり、殺したりじゃあ許すつもりは無いよ」 京太郎「……」 照「?」 咲「あっ!」 咲「チャンスをあげるよ!」 照「チャンス?」 咲「もしかした……助かるかもね」ニコッ 8 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 22 41 27.71 ID tIHYXMM5O [5/5] 咲「ーー安価下1~5を全部ゾロ目にしたら助かるかもね」 安価下1~5 0~30 耳削ぎ 31~60 目潰し 61~99 鼻削ぎ 多数決 15 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/14(土) 22 51 31.79 ID KlVY+ADtO [1/2] ブシュッ 咲「あーあ残念」 咲「これでいいかな?」 包丁、かなり刃こぼれをしているが斬られたら相当痛い物だ。 咲きはその包丁を持って照へとにじり寄る。 京太郎「!」 咄嗟に声が出た。 がーー身体が動かない、どうしても動かせない。 京太郎「照!!」 懸命に叫ぶ、助けを乞うように。 京太郎「やめろ!やめてくれ!!!」 グリッグリッ 咲「あははっ」 照「!!」 照「~~っ!」 京太郎「照!!」 咲「動けないお前を嬲るのはたのしいね!」 ゴリゴリと削るように、錆びたノコギリで枝を切り落とすかのように。 手間はかかりはしたけれど、簡単に照の鼻は落ちた。 咲「これじゃあ京ちゃんに顔を向けられないね」ニコニコ 照(!) 照「……」サッ 京太郎「照……」 照は俺から顔を背ける、当然だ……でも…… 俺は…… 咲「私はまだチャンスを与えるよ!」 16 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 22 53 17.78 ID KlVY+ADtO [2/2] 咲「えへへっ」 咲「私は優しいから安価下1~3が全部ゾロ目なら許してあげる!」 安価下1~3 多数決 0~99 京太郎が刺される 24 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 00 28.42 ID hsTGDysAO [1/2] おc……正直驚いた 咲「残念……さようならお姉ちゃん」 咲はゆっくりと包丁を振り上げる。 次はピカピカだ。 砥ぎたてのように綺麗な包丁だ。 それをーー照にーー ブスッ 京太郎「刺させる訳ねーだろ……!」プルプル 咲「え……?」 咲「嘘でしょ?……そんな……」 照「京太郎!京太郎!京太郎!」 照が後ろから俺を抱き締める。 俺の傷に手を当てているみたいだけど、無駄だろう、こんな事で血が止まるはずない。 咲「ご、ごめんね京ちゃん……痛いよね」 咲「つ、次こそは、い、動けない筈だから……あ、あいつを殺したらすぐに病院に連れて行ってあげる」プルプル 咲は震えていた……怖いのだろう、でも……それ以上に照が怯えているんだよ! 京太郎「無駄だ……次も俺が止める」 照「咲……もうやめて」ポロポロ 咲「う、うわぁぁぁぁぁ!」 25 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 02 43.44 ID hsTGDysAO [2/2] 安価下1~3 全てゾロ目なら助かるかもね 0~99 京太郎死亡 31 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/14(土) 23 12 04.01 ID FTkDTE/QO ブスッ 京太郎「……」 良かった…… 本当に……良かった…… ーー照 無事で良かったーー 京太郎「ごふっ」ドサッ 照「京太郎!京太郎!」ユサユサ 京太郎「も、もう駄目だ、逃げろーー」 咲「嘘、嘘だ……心臓なんて……京ちゃん……」 照「……」 京太郎「照……出来ることなら……お前とこれからもずっと……」 ポタッ 照「うん……分かった。叶える」 京太郎「ありがとうーー」ガクッ ポタッ 照「京太郎、おやすみ。また起きてね」 咲「……へぇ」 32 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/14(土) 23 18 56.04 ID QiM8+4MpO [1/5] 咲「殺す、今ここで、すぐに」 照「黙って」 咲「お前には呪いをかけた」 咲「永遠に京ちゃんと結ばれない呪い」 照「そんな事はどうでもいい」 照「これから、何度も何度でもやり直すから」 咲「私と一緒の考えだ」 咲「その記憶、厄介だね」 照「お互いに」 咲「死ぬつもり?」 照「咲だって」 咲「次会う時が楽しみだね、えへへ」 照「……」 咲「バイバイ」 ブスッ 34 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 23 10.29 ID QiM8+4MpO [2/5] 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 35 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 23 46.00 ID QiM8+4MpO [3/5] 京太郎「今日は臨海学園の入学式だ!」 京太郎「必死に勉強して、なんとかギリギリで合格した臨海……今年から共学になるからなんといっても女子が多い」ニヤッ そこで彼女の一人や二人…… 母「遅刻するわよーー!!」 京太郎「分かってるって!!」 京太郎「行ってきまーす!」ダッ 母「もう……東京に来て浮かれちゃってるのかしら?」 カンッ 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 34 38.10 ID LBcEpYKUO [3/3] 現在解放されているのが ゆみルート シロルート 衣 照 淡 怜は封印中 (ピンチになったらハギヨシ登場を使う機会もない程に怜はコンマを全回避しました。次回怜ルートのピンチ時に使用できます) つぎいっくよー 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 (永水を選ぶ時は一応確認をしますが復讐編かどうかを明記してください) (鶴賀、宮守は強制ルート入ります) 前回ヤンデレだったあの子も……ヒロインだったあの子も……! プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 前行った高校でもあり 前行った高校の場合は記憶引き継ぎ安価します 安価下7 53 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/14(土) 23 48 31.81 ID xz3SEwMAO [1/2] 有珠山はごめんなさい よって宮守です(ゾロ目ボーナスをおまけにつけてあげる!!) ーー第三次宮守大戦勃発 シロは強制引き継ぎです 京太郎も強制引き継ぎです (ヤンデレと元ヒロインの)記憶引き継ぎに関してはゾロ目±1で引き継ぎです 好感度・依存度判定安価 安価下3 エイスリン 安価下5 胡桃 安価下7 塞 安価下9 豊音 67 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 02 52.10 ID 40f41PNfO [1/2] ゾ、ゾロ目ボーナス!!! 初期好感度+50 エイスリン 74 胡桃 62 塞 好感度max 依存度max 豊音 好感度max 依存度128 宮守は全員が大正義だからね、しょうがないね(三回目) 京太郎「宮守の入学式だ!」 京太郎「行ってきまーす」 ーーー 京太郎「中々疲れる通学路だな」 京太郎「まぁいいや、どんどん進むぞ」 登場人物安価 誰がくる? 0~20白望 21~40エイスリン 41~60胡桃 61~80 塞 81~99 豊音 安価下1 70 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 07 08.99 ID 40f41PNfO [2/2] 豊音「あっ!シロの彼氏さん!」 京太郎「あ、豊音さん。おはようございます」 顔は笑っているのに、目はとても冷たい。 何故かは分からないが……どこか恐ろしい。 そんな雪道だった。 豊音 依存度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 74 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 17 46.09 ID gbvqePZGO [1/3] 豊音 好感度max 依存度138 放課後 京太郎「よしっ!」 ガララッ 京太郎「今日から入部する須賀京太郎です!」 豊音「わーおめでと」パチパチ 白望「だるっ……」 0~30 エイスリン 31~60 胡桃 61~99 塞 76 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 20 07.15 ID gbvqePZGO [2/3] 胡桃「あ、京太郎だ!」 ガララッ 胡桃「おめでとう!」 京太郎「はい!今日から頑張ります!」 胡桃「よろしい!」 白望「変なの……」 京太郎「あははー」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 78 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 25 44.67 ID gbvqePZGO [3/3] 胡桃92 京太郎「……」ゾクッ 白望「!」ゾクッ 白望「京太郎、おいで」チョイチョイ 京太郎「あ、うん」 白望「……」ギュッ 京太郎「……」 豊音「わー……熱々だよー」 胡桃「妬いちゃうなー!」 0~50 エイスリン 51~99 塞 80 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 32 35.01 ID T6XDrm2qO 塞「こら、早く部活の準備するよ」 塞「ね?」 白望「……」ギュッ 塞「……シロも手伝ってくれるかな?」 白望「……勿論」 塞「それは良かった。さっ……はじめよ」 京太郎「……」タジッ 白望「塞」 白望「どうして京太郎に近付くの?」 塞「……」 京太郎「……」 確かに塞さんは俺の方を向いていた。 81 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 40 07.45 ID 3t69K0oMO [1/4] 塞「部活の邪魔……だからかな?」 白望「……」 エイスリン「!」 京太郎「あ、エイスリンさん」 白望「近づかないで!」 シーンッ 京太郎「……え?」 塞「変なシロ」 豊音「修羅場だよー」 胡桃「もうっ!」 エイスリン「????」 エイスリン好感度上昇安価 0~30 大 31~60 特大 61~99 超大 84 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 00 57 50.21 ID LWeCASTAO [1/2] エイスリン好感度max 依存度104 京太郎「……」 何かがおかしい…… どこからだ? 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 91 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 01 17 29.61 ID t5GbTmtmO [1/2] 京太郎「街をうろうろするかな」 0~50 エイスリン 51~80 塞 81~99 プロ 94 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 01 21 33.73 ID t5GbTmtmO [2/2] 0~20 すこやーん 21~40 わっかんねー 41~60 しゃーまん 61~80 はやや 81~99 ぷんすこ 96 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 01 29 41.61 ID 3t69K0oMO [2/4] 咏「迷子だよ、道がわっかんねー」 咏「そこの少年」チョイチョイ 京太郎「え?」 咏「とある場所を目指しててねぇ、分かるかな?」 京太郎「何処ですか?」 咏「それはーー」 ーーー トシの家 咏「まさか知り合いだったとはね」 咏「ありがとう、少年」 咏 好感度判定 安価下 98 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/15(日) 01 33 05.36 ID 3t69K0oMO [3/4] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 15 57 43.88 ID 3t69K0oMO [4/4] 京太郎「よし、バイトするか」 ーーー 1.山菜狩り 2.土方 安価下2 112 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 16 08 13.18 ID LWeCASTAO [2/2] 京太郎「山菜狩のアルバイトか……へぇ」 ーーー 山 村人「あともう一人来るぞー」 京太郎「へぇ……だれかな?」 0~30 天使 31~60 小粋で小生意気 61~99 塞ぐよ~ 115 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/06/15(日) 16 11 32.93 ID bT8183WDO / \\. / | |l \ \ \ \\ / | | |l | ll \ |l\ | ハ l| )'. ′ | | |l | 斗- |\ リ _)ノイ リ' | | { { |l { 从 八 }/ /心∨ ∧ | |〃 八 \x云ミ)' V)リ'∨ ∧ | | |l l \ \l\/ん 刈 `~. .‘, \ l | |l | | \ \{{乂),ツ ` }\ \ l | |l | |_//\ \\. . ┐ / \ \ ,′ | リ | / ){/ ̄\ \\ ` =' ∧\ \ } ′ l/ |‘イ个ー=ニ=┬ \\____∧ ‘,\ )ノ / / { l| | l| | l l|___} }/( l| l ll l |l/ { { | l| | l| | |∧__|/`ヽ)ハ八 リリ ノ' 八八 l 从 l|八 乂乂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/__ )八 ( ∨ \廴_彡' ∨// )' ー/ ∨__ / ∨ ´ \ / ∨ ___,\ /} \| / | / / \_\ | . / | / { \\ } /| | / { ∧ \「 | | ./ \ ∧ \| 「 | /`ー‐┬‐ ' { | | l| 京太郎「頑張りましょう」 エイスリン「ウン!」 エイスリン好感度上昇安価 0~30 大 31~60 特大 61~99 超大 118 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 16 16 07.19 ID 8SS8E5cRO エイスリン 144 エイスリン「……」 京太郎「どうしましたか?」 エイスリンさんは黙って俺の頬に手を当てる。 その手はひんやりとしていて、心地のいいものだった。 ーーー シロルート確定なので三連電話は省略 prrrr 京太郎「あ、電話だ」 0~50 エイスリン 51~99 豊音 122 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 17 12 10.93 ID 3oVrXa7nO [1/2] エイスリン 174 京太郎「はい、もしもし?」 エイスリン「……」 無言 非通知 京太郎「……」 沈黙 京太郎「あのー?」 プツッ 京太郎「え?」 切られたし…… 123 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 17 15 06.13 ID 3oVrXa7nO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 129 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 17 25 02.51 ID fdJTFAAUO 京太郎「シロを見に行くか」 白望「何?」 京太郎「どぅわー!」ガシャッ 白望「……?」 京太郎「ど、ど、どうして俺の部屋に」 白望「おんぶ」 京太郎「あ……学校ね」 ーーー 京太郎「放課後か……」 1.部活 2.帰宅 3.ブラブラ 4.まだ学校にいる 安価下2 134 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 17 47 46.82 ID QeqH12kRO [1/2] 胡桃「てやっ」ビシッ 京太郎「いってえ!」 胡桃「あははっ」 京太郎「もう……胡桃さんですか」 俺の隣にちょこんと立ったいた小柄な先輩。 小学生と言っても問題はない、むしろ高校生であるのが問題なのだ。 胡桃「今日は部活やすみだってさ」 京太郎「あ、そうだったんですか」 胡桃「塞が一人で残って部室掃除してるよ」 京太郎「あの人も凄いな……」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 136 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/15(日) 17 52 29.53 ID QeqH12kRO [2/2] 胡桃 122 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 141 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 00 40 13.11 ID LpU1D43UO [1/3] 京太郎「シロ!!」 白望「遅い……」 京太郎「ごめんごめん……」 白望「で、まだ思い出して無いの?」 京太郎「またその話?もう飽きたぞ」 白望「でも、大事な話……だるくない」 京太郎「……」 0~30 エイスリン 31~60 胡桃 61~99 豊音 143 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 03 48 08.93 ID /ejD039NO [1/2] 白望「!」キッ 京太郎「え?」 シロが珍しく睨んでいる。 俺の手を掴みながら睨む先にはエイスリンさんが居た。 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「シロ!」ニコッ 白望「ダルッ……」 空気がピリピリしているのが分かる。俺の手を握る力は更に強く、シロは手を引っ張って俺を引き寄せる。 エイスリン「……」カキカキ バッ エイスリンさんが描いたのは俺を含めた麻雀部全員が皆で手を取り合っている絵。 何故か俺だけは五人描かれていた。 エイスリン好感度上昇安価 0~30 超大 31~60 超特大 61~99 真・超大 145 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 03 53 19.02 ID /ejD039NO [2/2] エイスリン 224 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 151 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 16 56 19.48 ID DcyPrBy0O ゾロ目ボーナス! 土方「おらぁぁぁぁ!!!」 京太郎「ひえええええええええ!!!」 土方「きりきり動けやぁぁぁあ!!」 京太郎「はぁぁぁあい!!!!!」 土方「……」 土方「今回も一度だけなら手を貸してあげましょう……」 ーーー prrrr 京太郎「電話だ」 0~50 エイスリン 自由安価 今までに出会ったキャラ 前週キャラは無し 153 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 17 01 11.32 ID 6i5qIC3FO [1/2] エイスリン 254 京太郎「……」 エイスリン「……」 また無言電話……そして非通知。 京太郎「そろそろ怒りますよ?」 エイスリン「……」 京太郎「あのさぁ……」 エイスリン「スキッ」ボソッ 京太郎「え?」 プツッ 京太郎「そろそろ非通知拒否しようかな……」 一日が終わりました。 154 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 17 02 55.90 ID 6i5qIC3FO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 158 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 17 15 33.60 ID cHqVie3pO 京太郎「よし、サボるか」 京太郎「どこに行こうかなーっと」 ーーー 京太郎「結局街をフラフラするだけってのも侘しいな」 京太郎「さて、どうするか」 京太郎「うーん」 0~30 エイスリン 31~60 胡桃 61~99 塞 160 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 17 28 08.93 ID LpU1D43UO [2/3] 天使 好感度max 依存度max トクンッ トクントクンットクントクンッ エイスリン「……」 京太郎「……」 京太郎「……?」 記憶の断片、何かを思い出してしまいそうなーー エイスリン「ア、ア、AHHHHHHHHH」 京太郎「エイスリン……さん?」 エイスリン「ヒサシブリ!」 とてもとても綺麗な笑顔だった。 ーーー 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 02 19.49 ID 1+TXij0YO [1/3] 白望「ねぇ……」 京太郎「もしかしたら……思い出して来てるかも」 京太郎「何を思い出しているかは分からないけど……」 白望「京太郎……」 白望「好き」ギユッ シロは俺を抱き締める。好きなのは当然俺もだけど、どうしてか……心が苦しい。 白望「でもごめん……」 京太郎「えーー?」 166 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 03 07.61 ID 1+TXij0YO [2/3] 白望「ーー別れよう」 167 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 04 56.09 ID 1+TXij0YO [3/3] 京太郎「えーーどうしてーー」 白望「ごめんね」スタスタ 京太郎「シローーシロ!」 愕然とした。力が抜けていく……俺はただただ去って行くシロを後ろから見ているだけだった。 0~50 豊音 51~99 胡桃 169 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 09 17.59 ID NT3yGy4mO [1/4] 胡桃「え……大丈夫?」 京太郎「あ……あ、あ……」 胡桃「シロが……そんな……」 京太郎「あはは、見られちゃいましたね」 胡桃「ううん、大丈夫。大丈夫だから」 京太郎「へへっ……へへ」 胡桃「……」ナデナデ 俺を撫でる手、その手が何よりも心地よかった。 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 171 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 12 32.63 ID NT3yGy4mO [2/4] 胡桃 172 大戦不可避 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 176 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 42 51.90 ID LpU1D43UO [3/3] 俺は失意の中街を歩いていた。 何故別れることを伝えられたのか、何故シロは俺の事をそれでも好きと言ったのか。 理解不能な事が沢山起きていた。 そして最後の胡桃さんの表情。 ーー確実に口が醜く歪んでいた。 京太郎「……」ゾクッ 0~50 豊音 51~99 胡桃 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 18 51 56.14 ID hSZG1zR5O [1/3] ゾロ目ボーナス!二連続ボーナス! 胡桃 272(ここから好感度上昇安価含むので) ↓ 胡桃 好感度max 依存度max 胡桃「やぁ、京太郎」 京太郎「胡桃……さん?」 胡桃「良ければ私の物になって欲しいなって」 京太郎「は……?」 何を考えているんだこの人は……彼女と別れたばかりの俺にそんな言葉をかけるなんて普通じゃない……むしろおかしい。 京太郎「そ、そんなの無理に決まってるじゃないですか!」 胡桃「そう言うと思ってたよ」 胡桃「絶対に私の物にしてみせる……約束だよ」ニコッ 京太郎「……」 胡桃「ふふっ」 ーーー prrrr 京太郎「あ、電話だ」 自由安価 185 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 19 02 36.86 ID 0xAeNslDO [1/2] 豊音 148 豊音「元気ー?」 京太郎「ま、まぁ少しは」 豊音「それなら良かったよー」 京太郎「もしかして……知ってますか?」 豊音「え、えぇ!?そ、そんなの知らないよ!シロが振ったなんて話は知らないよ!」 京太郎「知ってるんですね……」 豊音「ごめんねー」 京太郎「どうして……?」 豊音「“たまたま”見ちゃって……」 一日が終わりました 186 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 19 03 04.77 ID 0xAeNslDO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 190 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 19 09 48.58 ID NT3yGy4mO [3/4] 京太郎「あーやってらんねー」 サボり決定! どっか行こうかな。 ーーー 何もない自然の中、俺は一人で歩く。 この雄大な自然は俺の傷付いた心を癒やしてくれるかと思う、が、そうでもなかった。 京太郎「ハァ~」 京太郎「もうダメだ……」 京太郎「いっそ……」 死んでしまおう。 そんな事を考えてしまう。 豊音「駄目だよ!」ギユッ 豊音「早まっちゃダメ!」ギューッ 京太郎「え?え?え?」 豊音好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 192 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 19 13 26.53 ID NT3yGy4mO [4/4] 豊音 178 勃発かな? 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 197 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 19 23 24.41 ID 1h2GzjlvO [1/2] 京太郎「バイトするか」 1.山菜狩 2.土方 安価下2 202 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 20 03 38.04 ID hSZG1zR5O [3/3] 村人「今日は使える人間が来たぞー」 京太郎「使える人間?」 豊音「来たよー」ニコニコ 京太郎「あ、豊音さん」 豊音「よろしくねー」 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 京太郎「よし、どこからやろうか」 豊音「いっぱいとれたよー」 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 京太郎「うわ!凄え!」 豊音 好感度上昇安価 0~30 大 31~60 特大 61~99 超大 204 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 20 09 40.84 ID jBRoZ9vLO 豊音 218 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 209 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 20 57 06.73 ID 2s0Fv3baO [1/3] ここで電話を選ぶとは、やはり天才か 京太郎「よし、電話するか」 自由安価 前週キャラ無し 安価下8 重要な安価です、よくよく考えてください 218 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 06 14.68 ID cpz1ySZeO [1/2] 216 217 エイスリン「モシモシ!」 京太郎「あ、エイスリンさん」 エイスリン「……」 京太郎「エイスリンさん?」 京太郎「もしかして……」 あの無言電話って…… 京太郎「エイスリンさん、俺に無言電話しましたか?」 エイスリン「……!」パァァァ 京太郎「?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「なんだーー怖いから非通知とかやめてくださいよ!」 京太郎「実際に会わないと意思の疎通、取れませんし」 エイスリン「ゴメンネ……」 ーーー prrrr 京太郎「ん?電話だ」 安価下3 自由安価 224 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 23 47.99 ID 1h2GzjlvO [2/2] 京太郎「もしもし……」 白望「……」 京太郎「シロ……」 白望「……」 京太郎「……」 沈黙。一切の言葉も発せられない。 京太郎「どうして俺の事を……」 白望「これは……最後の忠告」 白望「岩手を離れた方がいい」 白望「そして、宮守の人間とは永遠に関わらない」 白望「それだけでダルくないし、京太郎は幸せになれる」 京太郎「っ……!」 流石に頭に来た。 ここまで嫌われるとも思っていなかった。 京太郎「っざけんな!」 白望「!」ビクッ 京太郎「俺はこんなにお前の事が好きなのに……!」 0~80 ?????? 81~99 ???? 227 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 28 19.39 ID 5wOEbOjZO [1/2] 白望「私と居ると不幸になる……!」 白望「だから駄目」 京太郎「意味分からない事言うなよ!」 白望「宮守の人間は京太郎を不幸にする」 京太郎「それだけの理由で俺とは二度と会えないのかよ!?」 白望「っっ!」 白望「違う!!」 白望「大好きだけど……これ以上不幸な京太郎は見たくない!」 白望「それはとてもダルい……」 0~10 ???? 11~99 ?????? 231 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 34 06.19 ID duH7CEpqO 所詮この程度か…… 京太郎「俺はシロと一緒に居れたら幸せなんだよ!」 京太郎「いくら不幸になったってそんなの苦にならない!」 白望「私だって私だって……」 京太郎「ならっ……!」 白望「……」 ラストチャンス~ 0~30 ???? 31~99 ?????? 233 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 38 05.62 ID eRscWzdkO karma ズキッ ズキッズキッズキッ 京太郎「っ……ぐぅ」 京太郎「頭が……頭がぁ」 白望「京太郎……もう大丈夫」 白望「ね?」 京太郎「どうしてこんな時に限って優しく語りかけてくるんだよぉ……!」 白望「もう、無理しないで」 プツッ 一日が終わりました 236 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 21 44 43.43 ID 2s0Fv3baO [3/3] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 243 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 23 28 41.39 ID 5wOEbOjZO [2/2] 京太郎「もうダメだ……引きこもろう」 京太郎「はぁ~あ」 どうしようもない気分だ、くだらない事もやってきたけど昨日の事はやっぱり凹んでしまう。 0~20 白望 21~40 エイスリン 41~60 塞 61~80 胡桃 81~99 豊音 246 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 23 36 33.46 ID 5Z/Tahq1O 京太郎「ん?」 ピンポーン 京太郎「誰だ……?」 --- 京太郎「はーい」ガチャ 目の前に立っていたのは元恋人、シロだ。 白望「京太郎……」 京太郎「シロ……」 白望「学校……最近サボり過ぎだから行こう」 京太郎「やめてくれよ、そういうの……」 京太郎「もう……」 ズキズキッズキズキ 京太郎「ぐうぅ……!」 またこの頭痛だ! 前から変な時に頭痛が来る時もあったけど……また来やがるなんて! 白望「京太郎……大丈夫?」ギュッ シロは俺を担いで家の中まで運んで行った。 0~20 思い出す 21~99 思い出せない 250 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/16(月) 23 43 06.98 ID iOC17i37O 白望「んっ」 ペタッ 京太郎「……ありがとう」 白望「冷えピタだけど」 京太郎「十分だよ」 白望「良かった。頭痛は大丈夫?」 京太郎「……ずっと凄い」 京太郎「更に激しくなってる」 白望「だと思った。でも我慢して」 京太郎「分かってるよ」 白望「……怒ってる?」 京太郎「少し」 白望「……」 0~30 思い出す 31~99 思い出せない 254 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 00 13.30 ID pm4uWPCrO [1/2] 白望「京太郎?」 京太郎「ぐぅぅ……あっ……」 ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ --- シロ「京太郎……元気?」 ドクンッドクンッドクンッ 京太郎「はい!元気ですよ!」 シロ「今度デートしよ、ダルッ」 ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ シロ「好きだよ」 京太郎「は、はい!」 --- シロ「お願い……やめて、それだけは」ブルブル エイスリン「ダメッ!」 グググッ シロ「ぐふっ……ぐ」 シロ「やめて……私はどうなってもいいからこの子だけは」ポロポロ シロ「やめて……!」ポロポロ グググッグググッ --- 京太郎「……シロ」 京太郎「白郎」 白望「きょ……きょうたろぉ……う……」ポロポロ 京太郎「待たせてごめんな」 256 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 04 47.85 ID qMeZg3jtO 京太郎「今回は一番まずいぞ」 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 白望「どうして……?」 京太郎「宮守の皆が危険だ」 京太郎「塞さん豊音さん胡桃さん……エイスリン・ウィッシュアート」 京太郎「全員が狂気を孕んでいる」 白望「エイスリンがおかしくなったのは気付いていた……」 白望「他の皆は……ダルい」 京太郎「よし、行くぞ」 「どこに行くのかなー?」 京太郎「っっ!」 窓からは豊音さんの顔…… 豊音「逃がさないよー」 京太郎「くそっ……!」 豊音「ずっと居てもいいよ、この部屋にずーっと!」 0~50 脱出 51~99 「こら!逃げるな!」 260 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 13 51.49 ID ftJV644MO [1/3] 豊音「あれー?逃げられちゃったよー」 豊音「でもねー私に気に入られた人間は皆……この村から出れないって……知ってるかなー?」 --- 京太郎「はぁ!はぁ」ダダッ 白望「はぁ……!はぁ……!」ダッタッ 京太郎「大丈夫か!シロ!」 白望「うん……まぁまぁ」 白望「足に蔦が絡んだけど……」 京太郎「はぁぁ!?」 京太郎「マジかよ!?」 白望「抜けない……ダルい」グイグイ 塞「……ねぇ」 塞「どこに……行くのかな?」 京太郎「っっ!」 京太郎「ちょっとしたデートですよ」 塞「いいねそれ、私も連れて行ってよ」 京太郎「お断りします」 舐めるように俺の事を見る。じわりじわりと迫ってーー 0~50 脱出 51~99 「こら!独り占めはダメ!」 263 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 24 28.79 ID kjHxNHDAO ブチッ 塞「本当……昔から自由奔放だよね……シロは!」 白望「ごめん、蔦が千切れた」 京太郎「よーっし!行くぞ!!」 ダダダッッ 白望「ダルッ」 --- ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 胡桃「やっほー」 京太郎「この人……沢山凶器持ってるな」 胡桃「逃げると……投げるよ?」 京太郎「目の焦点が合ってませんよ」 胡桃「大丈夫。当てるから」 0~50 脱出 51~99 オマタセ! 266 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 29 22.41 ID Qt4gh0CWO [1/2] あのシロが……何故だ 京太郎「あと少しで村を越える……けど」 京太郎「一番厄介な人が来たな」 白望「……」ブルッ エイスリン「キョータロウ!シロ!」 カキカキ バッ 今度は胎児の絵……か? ひどい人だ。 _ / |ハ i . ,´ j [ | 斗ー┼ぃ」 i i , { { _j斗 i| i 」 八」ft| |、 i |ハ [ ィ 仆八 || j抖汽j「f対 沁 | l{ 小 人れj「外、」 rJ 「 仆 扞仆辻 、 | 乂対 rJ | 乂 _ツ] 「 个イ丁 \L ]人乂ツ ,.,.,., Lノ [ ‘, 「 |小 .,.,., ' i 厂 ! ‘, 〔 ¦い 、 ノ ,| 〔 ¦ ;込、 仆 { , ゙、 ,; | 「 > .,__, ィ 人 `. iト 小 , 小 」i [ rt]___彡 ⌒ヽ ぃ, L, ト; /_ノ 八iト〔 jLリ汽,厂「 沁 匕L _j「リノ イ{ _j斗ャヒ ¨ア/ j圦 t┐ _彡ノ丿 ~^ __ ‘'廴」 i 〈 イ _⌒L戎r‐‐匕 /^ ¨¨丁 r==や-や==┬‐. ア入 j广Y^ 圦 坏 ケ¨¨ケ 坏'/, ノ i{ , r イ /, ,} '/  ̄ ̄ __ '//, ,'^ i ∨ /人 イ _j 」 ^j '/ - - - - '//, ´ 〉’ / 〃 ハ\ 八ア ; ` '/ - - - - '//,. , ,´ ^ 、,_j L..」 Ⅵ ,′ } '/ - - - - '//, / / ヽ|/ } 0~30 脱出 31~99 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 270 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 00 33 07.37 ID Qt4gh0CWO [2/2] 今まで出なかった分の低コンマを吐き出す住民、有能 京太郎「よし、なんとか宮守を抜けたぞ」 白望「これから……どうするの?」 京太郎「安心しろって……ほら」 ブルルルンッブブーッ 土方「おらぁ!早く後ろの荷台に乗れやぁ!」 土方「……何処に行く?」 土方「愛の逃避行……お供させていただきますよ」 何処に行く? 自由安価下8 281 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 01 26 41.61 ID bvUUCjVpO [1/5] 福岡 京太郎「助かりました」ペコッ 土方「おうっ」 ブルルルンッ --- 京太郎「さぁどうする?」 白望「眠くてダルい」ウトウト 京太郎「そうか、じゃあどっか泊まりたいけどなーー」 「おや、あなたは?」 京太郎「ん?」 京太郎「こんな夜中にどうしたの?おばあさん」 「ふふふ、今遠くに出かけてる旦那に似てると思いまして」 「かっこいいあなたと可愛いガールフレンドに免じて泊めてあげますよ、宿にこまっていそうですし」 京太郎「ありがとう、おばあさん」 白望「……ありがとうございます」 「すばらですね」 京太郎「変な口癖だ」 「おっと、過去の口癖が」 301 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 02 13 34.10 ID 4T17l/dTO 3年後 京太郎「あーー」 京太郎「シロ」 白望「京太郎……おんぶ」 京太郎「はいはい」 俺とシロは岩手を離れ、福岡の大学に通っていた。 シロの打ち筋に気づいた福岡の強豪の大学からスカウトが入学の誘いをする、シロはダルがったもののトシさんの一喝でなんとか嫌々福岡の()大学に通う事にした。 俺から離れたくなかったとの事らしい。 それを聞いた時は顔が真っ赤になりましたとも、えぇ。 京太郎「東京のプロチームから誘いが来てるんだって?」 白望「うん、もう一つはオーストラリア」 京太郎「どうするつもり?」 白望「勿論東京」 京太郎「そっか……じゃあこの大学の分校がある東京に俺も入学しないと」 白望「本気?」 京太郎「勿論。どこまでも着いて行くよ」 白望「へぇ……」クスッ 白望「もう離れ離れは嫌だから?」 京太郎「おう、次は絶対離れない」 白望「いっつも後を追うからね……馬鹿」 京太郎「あはは……ごめんな」 303 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/17(火) 02 18 59.04 ID pm4uWPCrO [2/2] エピローグ 五年後 苦難に負け続けて来た。 理不尽に殺され続けて来た。 でも、最後は打ち勝つ事が出来た。 人生山あり谷ありとは言うが、谷底人生が二度連続するなんて誰が思うものか。 でもーー 今は違う。 共に歩き、笑顔を絶やさずに夢を見る。 少し怠けがちな恋人だげれども、俺は後ろから背中を押し続ける。 最愛の人を。 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 02 25 45.04 ID XnD/rmIMO [1/2] シロ「……」 いつ見てもかっこいい。 頼りになる、常におんぶされたい。 シロ「……今日はカレー」 京太郎「やりぃ!」 シロ「ダルッ……」 塞と豊音と胡桃には困る程に謝られた。でも許してあげた、何も行動に移していない人間をどう許すなと言うのか私には分からない。 エイスリンは結局自分から顔を見せなかった。許してあげるつもりでは居たけど、自殺されたらどうしようも無い、私から顔を見に行く羽目になるのは皮肉じみている。 ただーーとても安らかな顔をして眠っていたらしい。 シロ「京太郎」 京太郎「ん?」 シロ「かっこいいよ」 京太郎「は?」 ,. --- 、 ____ /, ´ ̄ ̄` '⌒´ \ 、_/_/⌒ヽ , / ヽ ,---、 / // ヽ . , / ̄-/ /' { | | | / __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | | . ' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | | / , ´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | | /\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{ ////\ r--- ´八 !∧  ̄ , . . }/ノ/ リ. ///////\ \}∧ u 八/ //////////〉 込、 __ ,. / ///////// / }>、 ` イ |从 ,'//////// / _ /--、l ` ̄ , |--、.///////// / イ/////\ {////} / 「///|'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 02 28 53.17 ID XnD/rmIMO [2/2] 京太郎「あのさ」 白望「なに?」 京太郎「これからも一緒だぞ」 白望「当然」 京太郎「子供も作ろう」 白望「いいよ」 > '" / / ,, - ''"‐‐- ,,_ , /! = 、 ` ‐-- ''"/ -( ´ ヽ、 ̄` - 彡 / ゝ- ,, ー-- ニ==彡 イ / / ヽ -= ヽ、 __ (〃 イ イ "'' - ,, ヽ ヽ -=` イ ,' ,' l 丶 `"''<"''< } > / / /! ! , ! ヽ ,, ヽ ) /"' -‐< ( / // ! l 、 \~"''< ヽ ./ ヽ、 { /〃 il  ̄ 三 \ゝ - ,,斗= ミ ヽ} ヽ }\ 、` ゝ { ヽ l}/弐芯示 ´ 以 ゚ リ/ l } l/ 丶) ヽ) j 、! ゝ‐ ' `¨´ ' / 丶 ヽ / l lヽ', ' ''' ,' ' } ', } ……ダル / l 、 / / / /〃 ∧ 、、 、 ヽ - /ノ, ノイ ノイ `  ̄ ミ゙丶 __ , イ ≦´ ̄ ̄`ヽ , ' _ ノ〔.リ ,、‐-彡/ / / ', _/ ´ ム ハ ゞ=く . } ., ー- ..,,__/ / } γ {/ { . . // `ヽ__ ', > ´ ̄、ヽ / )' ァ--- == 、 __},,.> |. _r ´ __, ヽヽ}/ ; '> `¨´ ヽ ̄ r。 ! l {(´/_,,..-≦--´ー==チ } | {、 | > ´ / . .;.' . /ィ"´ ノー-rォ- 彡ヽ ! r ´ , . . . ' . . ′ {. | | } | i `ミ、,! . . . . . .{ . | | | y' リ. ! ! . . . . . . | . !. |」 | {. ', . |. . . . . . . | . ' .} } ! | ハ . ! . . . . . . .| ,. ' .| ヾ |. / ヽ . . | . . . . . . . ,.ィ´ / ´ ハ ミ、 ' `ー-、 | . . . . . . . ! "´ ' { 〉. { ', ';. . . . ./! ´ } / } } ';. /| | ハ / ! / ハ | | \ / ヽ _ ,,..イ | '/.', Vハ `゙ ヽ ゝ __ ,,..ィ } ∧ ', { / ;′ / ∧ハ. ヽヽ / ,! ,' } マハ ` \ / / / マハ \ / / ,' マハ \\ / ,! ,′ マハ \\ / , | ∨', \\ / ;___ \ \\ / !三}__{三三彡ヽ \\. / |ヽ,|∞ i!77リ////,.\ /ノ ム !ミ/| ̄ !///}.//////\ ,.イ/! '. ///ヽ |/∧ |///!///////,'∧ //,i!/! {////,\ |///ミ、j///!////////∧ ,ィ/////i!/! iレ/////,'≧x |,'///ヾ,////////////∧,,イ///////,i!/! |/////////ミ≧='ミム、//}//////'////////////////,'i!/| |//////////////ヾミ、刈////ムイ彡'///////////////,i!/! .!//////////////////ム≧ー-{////////////////////,i!/| 京太郎「今度はもうやり直さない」 ずっとーー 309 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 02 39 07.19 ID sxY7slsNO [1/6] 15年後 「やっべーっ!遅刻だ!」 白望「起こしたのに……」 京太郎「遅れる遅れるーー!!」 白望「2人揃って……もう」 白望「入学式早々遅刻はやめて欲しい」 「分かってるって!!!」 「白君ーー!はやくー!」 「やっべ!エイスリンの奴が来てる!」 「早く行かないと!」 京太郎「白!俺は先に行くぞ!」 「裏切り者ーー!」 白望「あなた……ネクタイ忘れてる」 京太郎「ぎゃー!シロはそろそろ炬燵から出てくれ!!」 白望「断る」 京太郎「あー!遅刻だー!」 「行くぞエイスリン!」バンッ 「ウンッ!」 京太郎「ついさっきまでシロと炬燵でぐーたらしてるとおもったら勝手に慌てて、颯爽と行きやがった……」 白望「私達にそっくりでいい子……白郎の弟だもん」ムクッ 京太郎「あぁ……そうだな」 シュルシュル キュッ 白望「行ってらっしゃい、あなた」 京太郎「おう」 チュッ 白望「会場でまた会おう」 京太郎「おう!」 ずっと、ずっと、ずっと、幸せだ。 カンッ 325 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 03 01 12.84 ID pdUjaJ/FO [2/3] 次はバッドエンドスレ作ろう(提案) 現在解放されているのが ゆみルート 一 衣 照 淡 怜は封印中 (ピンチになったらハギヨシ登場を使う機会もない程に怜はコンマを全回避しました。次回怜ルートのピンチ時に使用できます) 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 (永水を選ぶ時は一応確認をしますが復讐編かどうかを明記してください) (宮守は強制ルート入ります) 前回ヤンデレだったあの子も……ヒロインだったあの子も……! プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 前行った高校でもあり 前行った高校の場合は記憶引き継ぎ安価します 安価下9 356 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 15 59 13.09 ID bvUUCjVpO [4/5] 玄 3 宥 51 憧 好感度max 依存度max 灼 2 穏乃 51 晴絵 96 平和じゃん!やったねたえちゃん! 二個下だったらなぁ……(血涙) 大正義阿知賀編がついに始まりますね、すばらっ パワー系ヤンデレ 追跡系ヤンデレ 束縛系ヤンデレ 純粋系ヤンデレ 策士系ヤンデレ 伝説系ヤンデレ 今回も阿知賀に転校してから地区大会を終え、全国大会を控えた時を舞台にしたお話です 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当に全国へ行けちゃったから凄いよなぁ」 俺なんか…… 京太郎「あ、あれは」 0~20 玄 21~40 宥 41~60 憧 61~80 灼 81~99 穩乃 安価下1 359 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/17(火) 16 56 55.83 ID RxPPfs9oO / //// / _ _ / .//' ./ /// / r――- _ _ -―…‐- / ム' // r―… ̄ \ / / r三ニ ヽ / / _ -――- _ [_ , / / _ -――< ̄ {__/ _ -‐- / 厶 ` __{三ィ _- ` 、 / | /. \ \\ ̄ ̄ ./ー‐ ´/ _ -‐´` 、 / | ____/. .\、 \ヽ、. . / 厶 -‐  ̄ ` 、/ |____i | |; .|Lミxヾ、. . -‐ ¨ / l | l ;ィ |ト ハ|_}!ト }\`}/ / 八 l ハ. .l //|-jj } / ネ灯〈ィ、 く _____/ 、 '; ハ ヽ/ ネィ ゞ',, ;{ l ト、 . _ ―  ̄ ', '; ヘ 込_リ ` ハヽ、ヽ マ ̄ ’ '; ヘ ヽ'''' r ア /、「イ Ⅵ ハ マ\ .`マァ<ニユ込、` ノ'ヘ ____/ |ヘ .`\ \ `| } 入 ̄ `ー /二ニ=- //. ヽ  ̄ア {‐' ト \ / / 丁 ` ー-| | ハ `ー--イ \ ′ ̄ ̄{イ λ{ `| 、 ハ {`ぐ、__}`、ゝ´ヽ | _ 八 { ヾ ヽ.`ー才 .| }ヽ ._|、 γ´ `、r‐、 ヽ、 `/ ノ .|イ j . j \ | | __ - ― …´ヘ { l リ }o ノ \ |. ノ γ´ ヾ、 / /o t‐ ´ `ー- 、 ヽ x } ヽ }\ ./ | ヽ \ ´.. _} 「 ` ´ o .L /アi__ } `´ `ー‐…  ̄ ̄ /くヽ、 | γ { .| `ー-一´ | `ー` 〉 j ヽ/ / o 〈 l _ { 、 o 〉 `ー' し' _____/ . . . ` 、 ∧o,.イ / . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . ‐- ____/ . . ′| 宥「おはよ~京太郎君」 京太郎「あ、宥さん」 宥「憧ちゃんが早く部室に来てって言ってるよ」 京太郎「また憧か……分かりました」 宥「頑張ってね~」 0~30 小 31~60 中 61~99 大